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ウォーターフットプリントとバーチャルウォーター

2025 10/21
その他
水資源
2022-2-72025-10-21
ウォーターフットプリント

世の中でこれだけ「脱炭素」「カーボンニュートラル」という話題が上がっているので、「炭素の足跡」と訳されるカーボンフットプリントという言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。

では、直訳すると「水の足跡」となるウォーターフットプリントと、その1つの要素であるバーチャルウォーターについてはご存知でしょうか。

今回はウォーターフットプリントと、混同しやすいバーチャルウォーターについて説明していきます。

目次

ウォーターフットプリントとは

ウォーターフットプリント

ウォーターフットプリントとは、商品・製品の生産から消費、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体の過程で使用された水の量を定量的に測定する指標のことを指します。

また、水の消費量だけでなく水の消費地についても分析しており、環境への影響削減に繋げるだけでなく、水の汚染や水の枯渇といったリスクの評価にも活用できます。

この数値はm3で表されており、数値が大きいほど水資源を使用していてそのインパクトが大きいことを表します。

ウォーターフットプリントは、国際標準化機構 ISOによって国際規格化されており、Water Footprintの頭文字をとってWFと書かれることもあります。

バーチャルウォーターとは

類似している概念にバーチャルウォーター、直訳すると「仮想水」と言われるものがあります。

食料を輸入し消費している国で、もし輸入せずにその国で生産したらどのくらいの量の水が必要になるのか推定したものを指しています。よって、バーチャルウォーターはウォーターフットプリントを検討する際の要素になります。

バーチャルウォーターの輸出入国
バーチャルウォーターの輸出入国

バーチャルウォーターを輸出している国は、1位がアメリカ、2位パキスタン、3位カナダとなっており、一方の輸入している国では、1位アメリカ、2位中国、3位ドイツで、9位に日本がランクインしています。

※LACとは、Latin America and the Caribbean countries(アメリカ大陸のメキシコ以南の国々と、カリブ諸国)を指す

バーチャルウォーターとウォーターフットプリントの違い

バーチャルウォーターは商品を作る際に必要な水の量だけに着目していますが、ウォーターフットプリントはこれらに加えて水の量だけでなく、どの地域のどの水源から水を消費しているかという点にも目が向けられています。つまり、バーチャルウォーターはウォーターフットプリントを考える際の要素ということです。

ウォーターフットプリントの種類と算出方法

水資源

水資源を公平に使用するためのグローバルなプラットフォームであるWater Footprint Networkは、ウォーターフットプリントを以下の3つの種類に分類しています。

ウォーターフットプリントの種類

グリーン・ウォーターフットプリント

土壌に貯められ、植物によって蒸発または取り込まれる水、土壌水に関係する水のこと。これらは農作物や園芸品、森林材になどに関係します。

ブルー・ウォーターフットプリント

商品の製造家庭で使用されたものや、地表水や地下水などから供給され人体にも入る水のこと。灌漑農業や産業、家庭で利用する水もここに含まれます。

グレー・ウォーターフットプリント

家庭や工場などから汚染された水を特定の水質に戻すために必要な水のこと。

ウォーターフットプリントの計算方法

ウォーターフットプリントの計算方法について、環境省が2014年に発表した資料「ウォーターフットプリント算出事例集」によると、主要な計算方法としては「インベントリ分析」となっています。これは特定の過程における水利用による水質や水量の変化といったデータを収集し、分析する方法のことを指します。また、これらを計算する際には、利用した場所、排出した場所、利用した期間なども考慮されます。

一例として、コンビニのお惣菜という商品のウォーターフットプリントを計算するには、原材料の生産から消費者に届いて消費され、入れ物が廃棄されるまでの各過程でどのくらい水が使用されているのか分析して算出されます。

ウォーターフットプリントの一例

トマトの場合
ピザの場合
コットンの場合

食品別のウォーターフットプリント

これらは具体的にどのくらいグリーン、ブルー、グレーウォーターを使用しているかを可視化しています。現在はまだ商品に認証マークがついていることはありませんが、このようにどのくらい環境へインパクトがあったのかを可視化する時代も近いかもしれません。

インパクトの可視化例
インパクトの可視化例

日本のウォーターフットプリント

WWFが日本のウォーターフットプリントを計算したところ、畜産とテキスタイル(繊維)が大きな割合を占めたそうです。

テキスタイルの原材料であるコットンや羊毛などは、生産段階、繊維の脱色、プリンティングなどの加工段階で多くの水が使用されるからです。

日本で消費された繊維製品の生産によるウォーターフットプリント
(グリーンウォーターとブルーウォーターの合計)

WWFより引用
WWFより引用

また畜産は、家畜の飲み水に加えて餌となる穀物を生産する上で多くの水を使用しています。

世界全体の畜産対象となる家畜別の水使用量

WWFより引用
WWFより引用

この図は、日本で2018年に消費された輸入家畜製品の生産によって生じたウォーターフットプリントを表しています。

WWFより引用
WWFより引用

バーチャルウォーターの計算方法

バーチャルウォーターを計算する方法を知っておくと、日常の食生活で使われる水の量をより具体的に理解できます。計算の基本となるのは「VW基準値」です。この基準値が分かれば、自分で簡単にバーチャルウォーター計算が可能になります。基準値は環境省の一覧表や自動計算ツールで確認できます。

計算式は以下の通りです。

バーチャルウォーター計算

VW基準値(㎥/t) × 使用量(t) × 1,000(ℓ/㎥)= バーチャルウォーター量(ℓ)

VW基準値の単位は「㎥/t」で、これは食料品1トンを生産する際に必要となる水の体積を示します。水の量は立方メートルで表され、1㎥=1,000ℓに換算して扱います。

具体例として、環境省のデータによると大豆のVW基準値は2,500㎥/tです。大豆を2kg(=0.002t)購入した場合、

2,500(㎥/t)×0.002(t)×1,000(ℓ/㎥)=5,000(ℓ)

となり、約5,000ℓのバーチャルウォーターを消費した計算になります。このように、自分で把握している使用量にVW基準値をかけることで簡単に算出できます。

VW基準値は環境省の公式サイトで公開されています。使用量の単位はトンにそろえる必要があるため、gやkgは以下のように換算してください。

  • 1g = 0.000001t
  • 1kg = 0.001t

この換算を行えば、どの食材でもバーチャルウォーター計算が可能です。

バーチャルウォーターとは、輸入された食料をもし国内で生産した場合に必要となる水の量を推定したもので、国ごとに数値が異なるのが特徴です。

(出典:環境省「仮想水計算機」)

(出典:環境省「バーチャルウォーター(VW)量 一覧表」)

日本のバーチャルウォーター総輸入量

https://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/Press200207/より引用

日本は年間で約600億㎥ものバーチャルウォーターを輸入しています。これは日本国内の総水資源使用量(約900億㎥/年)の3分の2に相当し、食料や畜産物を中心に水を海外に依存している現状が浮き彫りになります。主な輸入先はアメリカやオーストラリアで、牛肉や小麦、大豆などに多くの水が使われています。

一方で、ミネラルウォーターの輸入は年間約19.5万㎥、ビールを含めても100万㎥程度に過ぎず、食料に含まれるバーチャルウォーターの量と比べるとごくわずかです。つまり、日本の水資源依存は「飲料水」よりも「食料」の輸入に大きく影響を受けているといえます。

最後に

いかがでしたでしょうか?

地球は水の惑星と言われますが、私たち人間が使用できる水は地球全体のなんと0.01%であり、石油のように偏在しています。日本ではあまり感じないかもしれませんが、水不足が深刻な国も存在しています。今後人口が増え続けることで、水不足はさらに深刻化することが予想されており、企業も今後ますます水リスクへの対応を強化していく必要が出てくるのではないでしょうか。

参照
ウォーターフットプリント算出事例集
Water Footprint Network – Water Footprint Network
日本が世界の水環境に及ぼす影響を明らかにする「ウォーターフットプリント」 |WWFジャパン
Every drop counts! | ecosistema urbano

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