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GSTCがデスティネーション向けセルフアセスメントツールを発表|持続可能な観光への新たな一歩を解説

2025 7/10
サステナブルツーリズム 環境(水、森林、海洋、エネルギー資源) 社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー) 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
サステナブルツーリズム ステークホルダー 持続可能な観光
2025-5-262025-7-10
テーブルに座って会話する男女

グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(Global Sustainable Tourism Council、以下GSTC)は、観光地の持続可能性を評価し、向上させるための新たなツールとして、「ディスティネーション向けセルフアセスメントツール」を発表しました。[1]これまで専門家の支援が必要だったGSTC基準の活用が、より身近に感じられるようになりました。

本記事では、この新しいツールが持続可能な観光に関心を持つすべての方々にとって、どのように役立ち、どのような可能性を秘めているのかを詳しく解説します。具体的には、以下の内容について触れていきます。

  • GSTCの活動内容と目的
  • セルフアセスメントツールの特徴と使い方
  • ツール利用のメリット

ぜひ参考にして、持続可能な観光の実現に向けた第一歩を踏み出してください。

目次

GSTCとは?

オレンジの屋根の建物

GSTCは、旅行・観光におけるサステナビリティ推進のために設立された国際的な非営利団体です。地球温暖化や生物多様性の喪失といった世界的課題を背景に、観光産業の持続可能性を高める国際基準の必要性が高まり、GSTCが誕生しました。[2]

その主な目的は、企業や政府、地域、旅行者など観光に関わるすべての組織が責任ある行動をとるための共通基準を提供することです。GSTCは、基準の策定と管理、認証プログラム、トレーニング、情報発信などを通じて、世界各地でのサステナブルな観光の実現を支援しています。[3] 国際連合世界観光機関(UNWTO)とも連携し、グローバルな視点から持続可能な観光を推進する重要な役割を担っています。

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GSTC基準(クライテリア)とは

会話する女性と男性

GSTC基準(クライテリア)は、GTSCが定めた、観光に関わるすべての関係者が「持続可能な観光」を実現するために満たすべき“最低限の国際標準”です。世界中の観光地やホテル、ツアー会社などが、持続可能性への取り組みを評価・認証する際の土台となっています。

GSTC基準(クライテリア)は用途や対象によって、GSTC基準(クライテリア)は大きく3つに分かれ、それぞれの分野に対応したものが開発されています。

基準名主な対象内容
GSTCデスティネーション基準GSTC-D(観光地向け基準)観光地・自治体観光地全体の持続可能な管理に関する基準
GSTCインダストリー基準GSTC-I(観光産業向け基準)ホテル・宿泊施設・ツアー会社観光事業者の持続可能な運営・管理に関する基準
GSTC-MICEMICE関連施設向け基準会場・イベント主催者・展示会MICE(会議・展示会等)分野の持続可能な運営に関する基準

ディスティネーション向けセルフアセスメントツールの概要

世界地図

今回発表されたセルフアセスメントツールは、特にGSTCデスティネーション基準 GSTC-Dに基づいています。この基準は、世界中の持続可能な観光に関する長年の取り組みと経験に基づいて構築され、あらゆる大陸の数多くのガイドラインや基準を考慮しています。策定プロセスにおいては、様々な文化的、地政学的な背景を持つ国々で広範な協議が行われ、関連性の高い、実践的な指標が選定され、世界各地でフィールドテストも実施されました。

GSTCデスティネーション基準 GSTC-Dは、観光地の管理団体が持続可能な政策と慣行を開発するために必要な核となる要素を示すものです。この基準を適用することで、観光地は自らの持続可能性の現状を把握し、世界をリードする基準と比較して改善すべき領域を特定することができます。

開発の背景と目的

セルフアセスメントツールの開発背景には、持続可能な観光への関心の高まりとともに、観光地がより手軽にGSTCの基準を活用したいというニーズの高まりがあります。これまで、GSTCの基準を活用するためには、専門家による評価(GSTCデスティネーションアセスメント)を受ける必要がありましたが、このツールによって、より多くの観光地が、自らのペースで、かつ比較的容易に持続可能性の現状を評価し、改善に向けた第一歩を踏み出せるようになりました。

ツールの主な目的は以下の通りです。

  • 観光地の持続可能な観光の実践を測定し、向上させる
  • GSTCデスティネーション基準 GSTC-Dの4つの柱に沿って、進捗状況を評価するためのシンプルで効果的な方法を提供する
  • 現状のパフォーマンスを明確に把握し、改善すべき領域を特定する
  • 持続可能なデスティネーション管理のための貴重な洞察と実行可能な戦略、ツールを提供する
  • 環境負荷の低減、社会的責任の促進、文化的な持続可能性の支援に貢献する

誰のためのツールか?

このセルフアセスメントツールは、以下のような観光地の関係者を主な対象としています。

観光地の管理団体(DMO: Destination Management Organization)観光地の戦略策定、マーケティング、持続可能性推進を担当する組織
地方自治体観光政策を推進し、地域の持続可能性に取り組む行政機関
観光関連事業者団体地域内のホテル、ツアーオペレーター、アトラクションなどの事業者を代表する組織
地域のステークホルダー地域住民、NPO、研究機関など、観光地の持続可能性に関心を持つあらゆる主体

このツールは、観光地側にサステナビリティや関連分野の専門知識が十分になくても使いやすいように設計されています。セルフアセスメントツールを活用することで、共通の理解のもと、持続可能な観光地の実現に向けた取り組みを進めることが可能です。

セルフアセスメントツールの詳細

タブレットと書類の上のペン

このセルフアセスメントツールは、GSTCデスティネーション基準 GSTC-Dの4つの柱に基づいて構成されています。

  1. 持続可能な管理

観光地のガバナンス、ステークホルダーとの連携、訪問者数の管理と活動、リスクと危機管理などを評価します。

<具体例>

  • 持続可能な観光に向けた組織体制や戦略
  • 住民や事業者との連携
  • 観光客の受け入れ体制
  • 緊急時の対応計画など
  1. 社会経済的影響

観光活動が地域社会や経済に与える恩恵を評価します。

<具体例>

  • 地域住民への経済的利益の分配
  • 雇用の創出
  • 地域産品の活用
  • コミュニティへの貢献など
  1. 文化的影響

地域の遺産や文化的アイデンティティの保護・促進状況を評価します。

<具体例>

  • 文化遺産の保全
  • 伝統文化の継承
  • 知的財産権の保護
  • 観光客への文化的な配慮など
  1. 環境的影響

資源の消費、汚染の削減、生物多様性と景観の保全など、環境への配慮に関する取り組みを評価します。

<具体的例>

  • エネルギーや水の効率的な利用
  • 廃棄物や温室効果ガスの削減
  • 自然環境の保護
  • 野生生物との適切な関わり方など

評価の形式

セルフアセスメントの形式は、非常にシンプルで使いやすいものとなっています。各評価項目に対して、現状の取り組みが十分に実施されている場合は「はい」、まだ実施されていない場合は「いいえ」、現在取り組みを進めている場合は「進行中」のいずれかを選択します。このシンプルな形式により、専門知識のない担当者でも容易に評価を進めることができます。

結果の表示とスコアリング

すべての評価項目への回答が完了すると、ツールは自動的に結果を表示し、0%から100%までの完了スコアを算出します。このスコアは、低(Low)、中(Moderate)、高(High)のパフォーマンスレベルとして示され、観光地の持続可能性の取り組み状況を視覚的に把握することができます。

また、各評価項目における回答結果も個別に確認できるため、どの分野で取り組みが進んでおり、どの分野に改善の余地があるのかを具体的に把握することが可能です。

進捗の追跡と継続的な改善

このセルフアセスメントツールは、一度利用して終わりではありません。定期的に再評価を行うことで、持続可能性の取り組みの進捗状況を追跡し、継続的な改善を促すことができます。時間の経過とともにスコアがどのように変化するかを確認することで、取り組みの効果を測定し、さらなる改善に向けた動機付けが可能です。

セルフアセスメントツール利用のメリット

デスクの上にあるパソコンとスマホ、タブレット、書類

このディスティネーション向けセルフアセスメントツールを利用することで、観光地は、現状の把握や効率的な効率的な資源活用、マーケティングへの活用などの主要なメリットを享受できます。

  1. 現状の把握

 GSTCの国際的な基準に照らし合わせることで、自らの持続可能性の取り組み状況を客観的に理解でき、改善が必要な分野を特定できます。結果、観光地は課題を明確にし、具体的な改善策を講じることが可能です。

  1. マーケティングへの活用
    持続可能性への取り組みを可視化することで、国内外の観光客やメディアに対して責任ある観光地としてのポジティブなイメージを発信できます。GSTCのグローバルネットワークへの情報発信の可能性もあり、観光地の認知度を向上させることができます。
  2. 効率的な資源活用
    評価を通じて、観光地はうまく機能している政策や慣行を理解し、資源を効率的に利用可能。また、具体的な行動計画を策定するための基盤が整い、持続可能性の向上に向けて一歩踏み出すことができます。

これらの主要なメリットに加えて、以下のようなその他の利点もあります。

  • 関係者の能力・意識向上
  • ガバナンスと連携の強化
  • 優先順位の設定と進捗状況のモニタリング
  • GSTC基準への適合に向けた準備
  • リソースや専門知識が限られた地域への貢献

GSTCのデスティネーションプログラムマネージャーであるティファニー・チャン氏は、「私たちの新しいセルフアセスメントツールは、観光地がGSTCのデスティネーション基準に沿うことを支援する重要な一歩。直感的で実用的になるように設計されており、あらゆる規模のデスティネーションがその持続可能性への取り組みを測定し、改善することを可能にする。」と述べています。

まとめ|今後の展望とGSTCの役割

GSTCが発表したディスティネーション向けセルフアセスメントツールは、持続可能な観光地づくりを目指す世界中の観光地にとって、非常に有益なツールとなるでしょう。これまで専門家の支援が必要であったGSTC基準の活用が、このツールによってより身近になりました。セルフアセスメントツールによって、多くの観光地が自らの持続可能性のレベルを把握し、改善に向けた具体的な行動を起こすことが可能です。

また、セルフアセスメントツールの普及により各観光地は、環境への負荷を低減し、地域社会に貢献し、文化的な魅力を守りながら、質の高い観光体験を提供するための取り組みを加速させることができます。他にも透明性の高い評価を通じて、旅行者や地域住民からの信頼を高め、より持続可能な観光のあり方を実現していくことも可能です。

持続可能な観光は、地球の未来、そして私たちの未来にとって不可欠な要素です。GSTCの新しいセルフアセスメントツールは、その実現に向けた重要な道標となるでしょう。

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参考文献

[1]GSTC launches new self-assessment tool for Destinations | GSTC

[2]GSTC Standards | GSTC

[3]GSTC Destination Assessment | GSTC





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