美食観光で地域と農業の未来を創造、スローフードで実現する持続可能な観光

食で地域を活性化!持続可能な観光の新たな試み
国連観光機関(UN Tourism)とNPO・スローフードは、観光と農業の連携を深めることで、観光地や地域社会へ持続的な恩恵をもたらす取り組みを始めました。この画期的な協力は、美食観光を軸に、地域の人々の社会経済的な発展を促すことを目指しています。
「持続可能なガストロノミーの日」に始まる、美食観光の新しい形

6月18日の「持続可能なガストロノミーの日」に締結された本覚書は、美食観光におけるバリューチェーン全体の強化に重点を置いています。具体的には、食品生産者と観光事業者、観光地、地域住民、旅行者との間に、より強固なつながりを築くことを目指しています。
特に、地域産品の活用、持続可能なフードシステムの構築、誰もが参加できるインクルーシブな観光の推進、そして農村地域の振興に注力し、付加価値の高い新たな観光体験の創出を目指します。
両組織による協力の範囲は広く、美食観光のトレンド分析、国内外の成功事例の共有、観光業界を担う人材の育成や研修、美食観光ネットワークの構築、さらには食品生産者と観光関係者の連携強化などが含まれます。
UN Tourismのズラブ・ポロリカシヴィリ事務総長は、今回の提携について次のように述べています。「責任あるインクルーシブな観光が、あらゆる地域社会を支える上で果たす重要な役割を認識しています。スローフードの活動は、国連観光機関の理念と完全に一致しており、このパートナーシップが、地域社会と観光地の利益のために、誰一人として取り残さない持続可能な美食観光の発展を促進する上で、重要な役割を果たすと確信しています」
スローフード事務局長のパオロ・ディ・クローチェ氏も、期待を込めて次のように語りました。「観光は、持続可能な地域食料システムを強化する強力な原動力となり得ます。スローフードトラベル・プログラムは、持続可能な食の観光イニシアチブとして、農村コミュニティを支援し、地域の食文化遺産を称賛する、没入型かつ本物の旅行体験を創出することを目指しています。私たちの価値観に沿って、世界中の農家や生産者と交流し、豊かでありながら見過ごされがちな食の生物多様性を体験する、唯一無二の機会を提供します」
地域社会と食文化の豊かな未来を育む協力
このパートナーシップは、持続可能な地域および地方の発展、地域食料システムの強化、料理の伝統の継承、女性、若者、そして地域社会全体のエンパワーメント、さらに健康的な食生活の推進に向けて、両業界が力を合わせる大きな可能性を秘めた重要な一歩です。観光と食の融合が、地域社会にどのような変化をもたらすのか、今後の展開に注目も集まります。
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