探究学習のテーマを決めるとき、「面白いテーマにしたいけれど、何を選べばよいかわからない」と悩む方は多いでしょう。
探究学習では「変わったテーマを選ぶこと」よりも、生徒自身が関心を持ち、自分の考えを深められることが大切です。自分が「なぜだろう」と思えることを、調べたり比べたりしながら考えられるテーマの方が、学びを深められる面白いテーマになります。
本記事では、探究学習のテーマを面白くする考え方や、問いの作り方、テーマ決めを支援する際のポイントをわかりやすく解説します。
探究学習における「面白いテーマ」とは何か

探究学習で面白いテーマを作るには、「珍しさ」よりも「深めやすさ」を意識することが大切です。
一見珍しいテーマでも、調べる方法がなかったり、自分の考えを入れにくかったりすると内容が深まらず、面白い探究学習にはなりにくいです。反対に、よくあるテーマでも、自分なりの疑問や視点があれば、十分に面白い探究学習になります。
たとえば「睡眠」は、多くの人が思いつくテーマです。しかし、「睡眠時間は授業中や部活動中の集中力にどう関係するのか」と問いの形にすると、実際の学校生活と結びついた探究テーマになります。
「人とかぶらないテーマを選ばないと」と考えすぎる必要はありません。大切なのは、テーマそのものよりも、どのような角度でテーマに取り組むかです。[1]

探究学習のテーマを面白くする5つの視点

探究学習のテーマは、最初から特別なものでなくてもかまいません。身近な話題でも、「なぜそうなるのか」「自分たちの生活とどう関係するのか」と視点を加えることで、深く考えたくなるテーマに変わります。
ここでは、普通のテーマを面白い探究テーマに変える5つの視点を紹介します。
1. 身近な疑問から考える
面白い探究学習のテーマは、学生の身近な疑問から考えると見つけやすくなります。毎日の生活の中で「なぜ?」と感じることは、自身の興味を刺激するためです。
たとえば、睡眠、スマホ、SNS、部活、勉強、友人関係などは、学生にとって身近なテーマです。その際「スマホの使いすぎの問題点」ではなく、「スマホの使用時間は勉強時間にどのような影響を与えるのか」など、より学生に関係する内容までテーマをしぼると、学習が深まります。
身近なテーマは、体験と結びつけやすいのが強みです。自分の生活に関係があるからこそ、最後まで関心を持って取り組みやすくなります。
2. 「なぜ?」を深掘りする
探究学習のテーマを面白くするには、「なぜ?」をくり返して深掘りすることが大切です。
たとえば、SNSをテーマにする場合、「SNSの利用時間は自己肯定感に影響するのか」と考えるだけでは、やや一般的な問いになりやすいです。そこからさらに「なぜSNSを見ると人と比べてしまうのか」「なぜSNSの使い方によって気分が変わるのか」と深掘りすると、気持ちの変化や人間関係にも目を向けられ、より深い探究学習につながります。
3. 自分ごとに置き換える
大きな社会問題は、そのままだと自分から遠く感じることがあります。そのようなときは、自分の生活や学校に置き換えると、面白いテーマに変えられます。
たとえば「食品ロス」はよく知られたテーマです。これを面白いテーマにするために、「学校生活の中で食品ロスを減らすにはどうすればよいか」と考えてみましょう。
自分ごとに置き換えると、生徒にアンケートを取ったり、給食の食べ残しの量を調べたりと、調査の方法も考えやすくなります。実際の学校生活から得た情報をもとに考えることで、一般的な知識をまとめるだけでなく、「自分たちの学校ではどうなのか」という視点が加えられた面白い探究学習につながります。
4. 比較して考える
探究学習のテーマは、何かと何かを比べると面白くなります。比較すると、一つのテーマを見ているだけでは気づきにくい違いや、その背景にある理由が見えてくるためです。
たとえば、恋愛をテーマにする場合、「学生の恋愛の特徴とは」だけでは範囲が広く、何を調べるのかがあいまいになりがちです。そこで、「親世代と今の学生では、恋愛観にどのような違いがあるのか」と比べて考えると、テーマに深みが出ます。
たとえば、親世代では、直接会って話すことや電話での連絡が多かったのに対し、今の学生はLINEやSNSで関係を深めることも少なくありません。この違いに注目すると、「連絡手段が変わると、恋愛の進み方や相手との距離感も変わるのか」という新しい問いが生まれます。
このように比較することで、ただ恋愛について調べるだけでは見えなかった、価値観や行動の違いに気づけるようになり、探究学習としての面白さが深まります。
5. 解決策まで考える
面白い探究学習にするためには、「課題解決のためにどうすればよいか」まで考えることも大切です。解決策まで考えて発表に取り入れると、聞き手にも興味を持ってもらいやすくなるためです。
たとえば、「学校生活の中で発生するプラスチックごみを減らすには」というテーマなら、以下のような解決策が考えられます。
- マイボトルの利用を広げるためにクラスや部活動単位で声かけをする
- 分別ルールをわかりやすく掲示する
- 購買や文化祭で使い捨てプラスチック製品を減らす方法を提案する
さらに、実際にそうした解決策を試した結果も発表に組み込むと、より深い探究学習になります。
探究学習のテーマを面白くするときの注意点

探究学習のテーマを面白くしたいときは、奇抜さだけをねらいすぎないことが大切です。変わったテーマは目を引きますが、リアルな調査につなげにくいテーマだと、内容が深まりにくくなります。
たとえば、「宇宙移住は本当に実現するのか」「人間の寿命はどこまで延ばせるのか」といったテーマは、興味を持たれやすいでしょう。しかし、学生が身近な人に話を聞いたり、学校生活の中でデータを集めたりするのは簡単ではありません。
インターネット上の情報をまとめるだけになると、自分たちの生活や実感に基づいた考察につながりにくくなります。探究学習では、情報を集めるだけでなく、集めた情報を整理し、自分なりに考えることが大切です。
そのため、テーマを決めるときは、「自分で調べられるか」「考察できるか」「発表で伝えやすいか」を確認しましょう。リアルな調査につながるテーマほど、探究学習としての面白さも深まりやすくなります。
面白い探究学習テーマが決まらないときに考えること

面白い探究学習のテーマが決まらないときは、いきなり完璧なテーマを探そうとする必要はありません。最初は漠然とした疑問でも、自分なりの視点を取り入れて深めていけば、面白い探究テーマになります。
大切なのは、「正解のテーマ」を探すことではありません。自分が気になり、調べる意味を感じられるテーマを見つけることです。
好きなことより「気になること」や「悩み」から選ぶ
テーマを考えるとき、「好きなことがない」と悩む人もいるでしょう。その場合は、好きなことよりも、気になることや悩みから選ぶのがおすすめです。
たとえば、「朝起きるのがつらい」「勉強に集中できない」といった悩みも、「なぜ朝起きるのがつらいのか」「集中できる環境には何が必要なのか」と考えると、テーマの方向性が見えてきます。
好きなことがはっきりしていなくても、日常の中で少し引っかかることを書き出してみましょう。そこから、自分らしい探究テーマが見つかることがあります。
発表で聞き手が興味を持つか考える
探究学習では、最後に発表する機会があることも多いです。そのため、聞き手が「自分にも関係がある」と感じられるかを考えると、面白いと思ってもらえるテーマになります。
たとえば、睡眠、スマホ、SNS、勉強、友人関係などは、多くの学生が関心を持ちやすいテーマです。身近な内容なので、発表を聞く側も自分の生活と比べながら聞けます。
ただし、聞き手の興味だけに合わせる必要はありません。自分が調べたいことと、聞き手が知りたいことが重なる部分を探すことが大切です。
テーマが決まらないときは、「このテーマを聞いた人は何を知りたいだろう」と考えてみましょう。その視点を入れると、発表につながる面白いテーマに近づきます。
探究学習のテーマ設計に悩んだら外部の専門家に相談を

探究学習のテーマ設計では、生徒の関心を実社会や地域課題と結びつけることが大切です。しかし、問いの立て方や調査方法、発表までの流れを学校だけで設計するのは簡単ではありません。
探究学習のテーマ設計にお悩みの場合は、外部の専門家に相談するのも一つの方法です。リジェネ旅では、リアルな学びにつながるプログラムの企画から、旅行・移動の手配、当日の案内、事後の振り返りまでサポートしています。
探究学習のテーマ設計に悩んでいる方は、ぜひ一度リジェネ旅にご相談ください。
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探究学習のテーマは視点を変えると面白くなる
探究学習のテーマを面白くするために、特別な知識や珍しい題材を選ぶ必要はありません。身近な話題でも、視点を変えれば面白い探究テーマになります。
大切なのは、「なぜ?」と深掘りすること、自分ごととして考えること、ほかの事例と比べること、解決策まで考えてみることです。こうした視点を加えると、よくあるテーマにも自分らしさが生まれます。
「探究学習の面白いテーマが思いつかない」と迷ったときは、まず身近な疑問を書き出してみましょう。その疑問を問いの形に変えることで、面白いテーマに近づきます。
面白い探究学習のテーマに関するよくある質問
探究学習のテーマを考える際、「途中で変更してもよいのか」「アンケートやインタビューは必要なのか」といった疑問を持つ方もいるでしょう。ここでは、テーマの決め方や調査方法に関するよくある質問にお答えします。
探究学習のテーマは途中で変更してもよいですか?
調査を進める中で新たな疑問が生まれた場合は、テーマを見直しても問題ありません。文部科学省も、探究を繰り返す中で、最初の問いや課題が問い直され、質や精度が高まることを示しています。[2]
アンケートやインタビューは必ず行う必要がありますか?
必須ではありません。テーマに応じて、文献調査、観察、実験、事例の比較などから適した方法を選びましょう。複数の調査方法を組み合わせると、異なる角度から考察できます。
探究学習のテーマは一人で決める必要がありますか?
一人で決める必要はありません。先生や友人、家族、外部の専門家などに相談すると、自分では気づかなかった視点が見つかることがあります。
ただし、最後は自分が関心を持って取り組めるテーマを選ぶことが大切です。
参考文献
