探究学習のテーマを考えるとき、「どうやって決めればよいのかわからない」と悩む方は少なくありません。身近な疑問はあっても、授業や発表につながる問いにするのは簡単ではありません。
探究学習のテーマ選びでは、「なぜ気になるのか」「どのように調べられるのか」を考えることが大切です。
本記事では、探究学習のテーマ一覧を分野別に紹介します。日常生活からSDGs、地域、グローバル、心理学、AIまで、テーマ選びのヒントとして活用してください。
探究学習のテーマ一覧を見るときのポイント

探究学習のテーマ一覧を見るときは、気になるテーマをそのまま選ぶのではなく、自分たちの学校や地域に合わせて問いに変えることが大切です。
テーマを選ぶときは、次の3つを意識しましょう。
- 生徒が興味を持てる内容か
- 学校や地域で調べられるか
- 発表やレポートで考察しやすいか
たとえば「食品ロス」はよくあるテーマですが、そのままだと抽象的で学習には不向きです。「学校の給食で食べ残しを減らすにはどうすればよいか」としぼると、アンケートや観察につなげやすくなります
探究学習のテーマ一覧【身近・面白いテーマ】

身近なテーマは、生徒が自分ごととして考えやすい分野です。日常の中にある疑問を出発点にすると、無理なく学習につなげられます。
日常生活から考える探究テーマ例
生活に関するテーマは、毎日の行動を観察しやすい点が特徴です。睡眠や食事、スマホの使い方などは、多くの生徒に関係するため、アンケートを取りやすいというメリットもあります。
たとえば、以下のようなテーマが考えられます。
- 睡眠時間と授業中の集中力には関係があるのか
- 朝食を食べる習慣は学校生活に影響するのか
- スマホの使用時間は生活リズムにどう関係するのか
睡眠をテーマにする場合でも、「なぜ睡眠時間が重要なのか」ではなく、「何時間寝ると集中しやすいのか」「寝る前のスマホ使用は眠りに影響するのか」のように問いを具体化すると、探究テーマとして考えやすくなります。
学校生活から考える探究テーマ例
学校生活は、探究学習に取り入れやすい題材です。教室環境や校内のルール、休み時間の過ごし方など、生徒が実感を持って考えられるテーマが多くあります。
学校生活を出発点にすると、次のようなテーマが見つかります。
- 集中しやすい教室環境にはどのような特徴があるのか
- 学校行事はクラスの関係づくりに役立っているのか
- 生徒が意見を出しやすい学校にするには何が必要か
学校をテーマにすると、先生や生徒への聞き取りがしやすくなります。ただし、不満を集めるだけで終わらせないことが大切です。よりよい環境にするには何ができるかまで考えると、より実践的な探究になります。
流行・推し活・エンタメに関する探究テーマ例
面白い探究テーマを探すなら、生徒がふだん楽しんでいるものにも目を向けてみましょう。流行や推し活、ショート動画なども、問いの立て方によっては以下のような探究学習のテーマになります。
- 推し活は日々のモチベーションにどう影響するのか
- ショート動画は情報の受け取り方をどう変えているのか
- 高校生が「面白い」と感じる広告にはどのような特徴があるのか
エンタメ系のテーマは、学習には不向きと考えられることもあります。しかし、消費行動や情報発信、心理の変化と結びつけると、学生が社会の動きに興味を持つきっかけとなります。
探究学習のテーマ一覧【社会課題・SDGs】

社会課題やSDGsは、探究学習と相性のよい分野です。大きな課題も、学校や地域の生活にしぼると、生徒が考えやすいテーマになります。
SDGs・環境問題に関する探究テーマ例
SDGsや環境問題は、一見すると難しく取り組みにくいテーマですが、身近な環境と結びつけると学生でも取り組みやすいテーマに落とし込むことができます。
たとえば食品ロスやプラスチックごみは、学校生活の中でも観察しやすく、解決策まで考えやすいテーマです。他にも、以下のようなテーマが考えられます。
- 学校でマイボトルの利用を広げるためにどのような工夫ができるか
- 通学時のCO2排出を減らすにはどうすればよいか
- 学校で使う電気を減らすためにどのような工夫ができるか
テーマを考えるときは、いきなり大きな社会課題として捉えるのではなく、問いを具体化することが大切です。たとえば食品ロスなら、「学校で給食の食べ残しを減らすにはどうすればよいか」「家庭で食品を無駄にしないためには何ができるか」のように、場所や場面をしぼると考えやすくなります。
さらに、「なぜ残るのか」「好き嫌い以外に理由はあるのか」と原因を掘り下げることで、学習が深まります。
福祉・防災・多様性に関する探究テーマ例
身近な地域や学校の中にも、福祉や防災、多様性の観点で見直すと多くの課題があります。そこから問いを深めれば以下のような探究テーマが考えられます。
- 高齢者や小さな子どもが使いやすい公共施設にするには、どのような工夫が必要か
- 災害時に学生が地域でできる役割は何か
- 国籍や文化の違いにかかわらず、学校で安心して過ごすには何が必要か
学習の際はただ一般的な情報をまとめるだけでなく、実際に施設を観察したり、地域の防災情報を調べたりして、探究学習の内容をより深めましょう。
探究学習のテーマ一覧【地域・グローバル】

地域やグローバルに関するテーマは、自分たちの暮らしを広い視点で見直すきっかけになります。地域の課題を調べたり、日本と海外の違いを比べたりすることで、身近な出来事と社会の動きを結びつけて考えやすくなります。
地域課題・地域活性化に関する探究テーマ例
地域課題は、生徒が暮らす町や学校の周辺から考えられる分野です。
地域を起点にすると、次のようなテーマが考えられます。
- 地域の空き店舗を活用するにはどのような方法があるのか
- 若者が地域イベントに参加しやすくなる方法はないか
- 地域の伝統文化を次の世代に伝えるには何が必要か
地域探究では、資料を読むだけでなく、現地を見ることが大切です。商店街を歩く、イベントの様子を見る、地域の人に話を聞くなど、実際に見たり聞いたりした情報をもとに学習を進めると発表にも説得力が出ます。
国際・グローバル探究のテーマ例
グローバル探究は、海外の問題を調べるだけではありません。日本と海外を比べたり、地域に暮らす外国人との関わりを考えたりすることも含まれます。
国際的な視点を入れるなら、次のようなテーマがあります。
- 日本と海外の学校生活にはどのような違いがあるのか
- 多文化共生を学校で進めるには何が必要か
- 訪日外国人観光客に地域の魅力を伝えるにはどうすればよいか
国際問題を広く扱うと、調査が難しくなることがあります。その場合は、「学校」「地域」「観光案内」など身近な場面にしぼりましょう。世界と自分たちの暮らしをつなげる視点が、グローバル探究の土台になります。
探究学習のテーマ一覧【心理学・恋愛・人間関係】

心理学や人間関係は、関心をもつ生徒が多い分野です。調査した内容を、自己理解や実際のコミュニケーションにつなげると、より深い探究学習になります。
心理学・自己理解に関する探究テーマ例
心理学に関するテーマは、自分の気持ちや友人関係、やる気、不安など、中学生が日常的に感じる悩みと結びつけて考えやすい分野です。思春期ならではの心の変化や、人との関わり方に目を向けると、自己理解を深める探究テーマにつなげられます。
具体的には、以下のようなテーマが考えられます。
- 自己肯定感が高い人にはどのような特徴があるのか
- 褒められ方によってやる気は変わるのか
- 人前で発表するときの緊張をやわらげるには、どのような方法があるのか
心理学に関するテーマを扱う場合は、調査の方法に注意が必要です。たとえばアンケートを取る場合は、個人が特定されたり、答える人がつらくなったりする聞き方は避けましょう。
恋愛・コミュニケーションに関する探究テーマ例
恋愛やコミュニケーションをテーマにする際は、興味本位で終わらせないことが大切です。価値観の変化や人との関わり方に目を向けると、探究学習にふさわしいテーマになります。
たとえば、次のようなテーマが考えられます。
- クラスや部活でのコミュニケーションを活性化させるにはどうすればよいか
- 相手と意見が異なるとき、良好な関係を保つにはどうすればよいか
- 恋愛に対する価値観は世代によってどのように異なるのか
恋愛や人間関係は、身近だからこそ扱い方に配慮が必要です。個人の経験を深く聞きすぎず、考え方の傾向やコミュニケーションの工夫に目を向けましょう。
探究学習のテーマ一覧【科学・AI・テクノロジー】

科学・AI・データに関するテーマは、観察や実験、記録を通して考えを深めやすい分野です。リアルなデータをもとに考察することで、独創性のある探究学習になります。
科学・実験に関する探究テーマ例
科学や実験に関するテーマは、「なぜそうなるのか」を実験や観察を通して自分で確かめながら考えられる分野です。身近な植物、食べ物、教室環境などを使えば、大がかりな設備がなくても取り組める場合があります。
実験や観察につなげるなら、次のようなテーマがあります。
- 気温や湿度は集中力にどのような影響を与えるのか
- 紙とデジタルでは記憶の残りやすさに違いがあるのか
- 照明の明るさや色は、学習中の集中しやすさに関係するのか
実験結果が予想と異なった場合も、その理由を考えることで探究を深められます。また実験を行う際は、安全に進められるかを確認したうえで行いましょう。
AI・テクノロジーに関する探究テーマ例
AIやテクノロジーは、これからの学びや働き方と関係の深いテーマです。
具体的には、次のような問いが考えられます。
- 生成AIを使うと学習効率は上がるのか
- AIの回答を正しく使うには何に注意すればよいか
- デジタル教材は学習意欲にどのような影響を与えるのか
AIをテーマにするときは、「便利だった」で終わらせないことが大切です。どのように使うと学びに役立つのかや、人が考える部分とAIに任せられる部分を分けて考えると、これからの学習や働き方について深く考えるきっかけになります。
探究学習のテーマが決まらないときは外部の専門家に相談するのもおすすめ

探究学習のテーマ設計を、学校だけで完結させるのは難しい場合があります。とくに地域課題や社会課題を扱うとなれば、「問いの立て方」はもちろん、具体的な調査方法から発表までの流れ全体を設計しなければなりません。
日々の業務に追われる先生方が、これらを全て一から準備するのは大きな負担となるでしょう。そのようなときは、外部の専門家に相談するのも有効な選択肢です。
リジェネ旅では、生徒の「リアルな学び」につながるプログラムの企画から、旅行・移動の手配、当日の現地案内、そして事後の振り返りまで、探究学習をトータルでサポートしています。
探究学習の設計にお悩みの際は、ぜひ一度リジェネ旅にご相談ください。
「リジェネラティブ(再生)」や「サステナブル(持続可能)」な視点は、これからの社会を担う子どもたちの学びに不可欠な要素です。
リジェネ旅では、単なる見学や修学旅行にとどまらず、地域のリアルな課題解決を通じて生徒たちの「自ら問いを立てる力」を育む、実践的な探究学習プログラムを提供しています。
持続可能な未来を創る次世代の育成に向けて、ともに第一歩を踏み出してみませんか?
プログラム内容の確認やご相談は、以下よりお問い合わせいただけます。
探究学習のテーマ一覧を参考に自分らしい問いを見つけよう
探究学習のテーマは、日常生活から社会課題、心理学、テクノロジーまで幅広い分野から考えられます。探究学習のテーマ一覧を見ることで、何から考えればよいのか迷っている人も、興味に近い切り口を見つけやすくなるでしょう。
ただし、テーマ例をそのまま使うだけでは、調べ学習で終わってしまうことがあります。大切なのは、「なぜ」「どうすれば」「どのような違いがあるのか」と問いに変えることです。
先生や保護者が支える場合も、最初から正解を示す必要はありません。生徒の小さな疑問を受け止め、調べやすい形に整えていくことが大切です。
一覧をきっかけに、自分たちの学校や地域に合った問いを見つけられれば、探究学習はより実感のある学びになります。
探究学習のテーマ一覧に関するよくある質問
探究学習のテーマを決めたあとも、問いの具体化や調査方法、校外活動の進め方などで悩むこともあるでしょう。調査を始める前に、情報の集め方や安全面などを確認しておくことが大切です。よくある疑問をもとに、探究学習を進めるポイントを解説します。
探究学習のテーマはどのくらい具体的にすればよいですか?
テーマは、調べる対象や場所、期間、方法がイメージできる程度まで具体化しましょう。たとえば「地域活性化について」ではなく、「中学生が地域のイベントに参加しやすくするには何が必要か」とすると、調査の対象が明確になります。
アンケートやインタビューを行うときの注意点はありますか?
アンケートやインタビューでは、調査の目的を説明し、回答する人の同意を得てから実施してください。氏名や連絡先など、必要のない個人情報は集めないようにしましょう。
また、相手が答えたくない質問には無理に回答を求めず、録音や撮影をする場合は事前に許可を取りましょう。
校外で調査するときはどのような準備が必要ですか?
校外で調査するときは、訪問先への連絡や許可を済ませ、日程、移動方法、調査内容を整理しておきましょう。事故や体調不良に備え、先生や保護者と緊急時の連絡方法を確認することも大切です。
また、質問事項や記録方法を事前に決めておくと、限られた時間を有効に使えます。
