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食品のカーボンフットプリントとは?削減に取り組む企業を紹介

2024 9/05
環境(水、森林、海洋、エネルギー資源) 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
企業事例 温室効果ガス
2021-11-222024-9-5
【欧州企業・事例】フード産業によるカーボンフットプリントの取り組み

気候変動による危機が叫ばれ始めてから長い年月が経ちますが、改善するどころか、温室効果ガスの排出が増加しているなど、危機は増大しています。事実、異常気象による大雨や洪水による被害、山火事の発生件数は増加しており、ニュースで目にした方も多いのではないでしょうか。

この記事では、気候変動の緩和に向けて先進的な取り組みを行っているフード産業の3つの企業と、これから食べ物を選ぶときに指標となる「食のカーボンフットプリント」について解説します。

目次

「カーボンフットプリント」とは?

「カーボンフットプリント」は「フットプリント」といわれることもあり、直訳すると「炭素の足跡」という意味になります。企業が商品の原材料の調達から流通、廃棄またはリサイクルにいたるまでの活動でどれだけの温室効果ガスを排出したかをCO2に換算して把握することで、2007年にイギリスで始まった取り組みです。

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食における企業のCO2削減戦略

カーボンフットプリントを進めることで、企業に以下のような効果が得られます。

  1. 消費者への透明性の向上
    • 企業が自らの温室効果ガス排出量を公開することで、消費者は環境に配慮した購入選択が可能になります。この透明性は、消費者が企業の環境保護への取り組みを理解し、支持することを促します。

  2. サプライチェーンの最適化
    • 企業はサプライチェーン全体でCO2排出を削済することを目指します。これには、原材料の調達から製品の最終的な配送に至るまでの各段階での排出量削減が含まれます。効率的な物流、再生可能エネルギーの利用増加、持続可能な原材料の使用が鍵となります。

  3. カーボンオフセットの推進
    • CO2排出量の正確な計測は、企業が自らの排出量を正確に把握し、必要に応じてカーボンクレジットを購入することでその影響を相殺するカーボンオフセット市場の成長を支えます。カーボンオフセットは、炭素排出量が避けられない活動を行う企業が環境への責任を果たす一助となります。

これらの戦略を通じて、企業は環境への影響を減らし、持続可能な運営を目指すことができます。それにより、企業の社会的責任を果たすと共に、消費者の信頼を得ることが可能となります。

国際的な食品カーボンフットプリントに向けた動き

英国においては、政府と民間企業が協力して、商品に関する新たな表示実験が始まっています。この実験では、コカコーラやテスコなど著名な20社が参加し、合計75の商品についてそのCO2排出量を表示する試みが行われています。これは、消費者がより環境意識的な選択を行えるよう支援することを目的としています。

一方、ヨーロッパ連合(EU)では、CO2排出量の計算方法に関する新しい規格の策定が進行中です。この規格は、企業がどのようにして自社の製品やサービスに関連する温室効果ガスの排出量を正確に計測し、報告するかという基準を設けることを目指しています。

食品カーボンフットプリントの計算サイト

カーボンフットプリントを意識し始めると、多くの疑問が心に浮かぶことでしょう。「牛肉と鶏肉では、環境への影響にどのような違いがあるのだろうか?」や「ワインとビールでは、どちらがより環境に優しいのか?」など、食生活の選択肢についての疑問は尽きません。

このような疑問に答えるために、カーボンフットプリントを計算するウェブサイトの利用を推奨します。これらのサイトは、様々な製品や活動が環境に与える影響を数値化し、具体的なデータを提供してくれます。使用者は、これらの情報を基に、自身の日常生活の中で実現可能な持続可能な行動を選択できます。

Climate change food calculator

Climate change food calculator

オックスフォード大学の研究者たちによる研究を基に、BBCが提供する「Climate change food calculator」は、食品とその消費頻度を入力することで、それが環境に与える影響を計算できるウェブサービスです。

FOODPRINT CALCULATOR

foodprint calculator

FOODPRINT CALCULATORは、アメリカの非営利団体Zero Foodprint(ZFP)が提供するウェブサービスで、ユーザーが食材を追加することでそのカーボンフットプリントを計算します。

このツールは、牛肉の部位や購入量、運送方法まで入力することで、料理に使用される各食材の正確な環境影響を詳細に算出します。環境に配慮しながら料理を作りたいと考えている方に最適なリソースであり、細かなデータを求める方にとって非常に有用です。

詳細なカーボンフットプリントの計算が可能なので、細部にわたる環境影響を理解したい方は、このサイトを活用してみると良いでしょう。

一見、環境を考慮した生活は厳しい食事制限を伴うように思えるかもしれませんが、実際にはさまざまな方法が存在します。重要なのは、無理なく続けられる方法を見つけることです。環境に配慮した生活を始めたいと考えているなら、まずは自分に適したクライマタリアン(気候を考慮した生活スタイル)の実践方法を探してみるのが良いでしょう。具体的にどのような行動が可能か、自分の生活に何が取り入れやすいかを見極め、小さな一歩から始めてみましょう。

食品カーボンフットプリントに関する簡単なガイド

ここまで便利なカーボンフットプリント計算サイトをいくつか紹介しましたが、毎回食品選びの際にサイトをチェックするのは手間がかかります。そこで、カーボンフットプリントが直接確認できない場合に役立つ、ショッピング時の簡単なヒントを提供します。

①食品の環境負荷スコアを記憶する

食品の二酸化炭素排出量
出典:【図解】食品の二酸化炭素排出量

「スーパーマーケットでの買い物時に温室効果ガス排出量を把握するための基本的な知識を身につけることは非常に有効です。数字が大きいほど、その食品の炭素足跡が大きいことを示しています。

特に知っておくべきは、ラム肉や牛肉、豚肉などの肉類が環境に与える影響が大きいこと、そしてレンズ豆やトマトなどの植物性食品は比較的影響が少ないことです。

一般的には肉類が温室効果ガスを多く排出すると思われがちですが、実際にはサーモンが鶏肉よりも多くの二酸化炭素を排出しています。これは、飲食店で選択を迫られた時に、サーモンではなくマグロを選ぶほうが環境に優しい選択となるかもしれません。

また、乳製品においても、チーズは牛肉に匹敵する排出量があるのに対して、ヨーグルトはその六分の一にとどまります。このような情報は日常の買い物に役立てることができます。

②カーボンフットプリント・マークを確認する

カーボンフットプリント・マークを確認する
出典:カーボンフットプリント|環境省

「カーボンフットプリント・マーク」は、商品のCO2排出量が表示されており、環境への配慮がある企業を示す重要な指標です。

このマークがある商品を選ぶことは、消費者が手軽に環境に優しい選択をするための一助となります。次回のショッピングでは、このマークを積極的に探してみましょう。それによって、より持続可能な消費行動をサポートすることができます。

この「カーボンフットプリント」は飲食業界においても取り組みが進められていて、パッケージにどれくらい地球の資源を消費したかを表示する企業も出てきました。海外の3つの企業をご紹介しましょう。

飲食業界におけるカーボンフットプリントは進んでいるのか?

日本ではまだ一般的とはいえない「フットプリント」ですが、世界の飲食業界の中には積極的な取り組みを進める企業も少なくありません。

ご紹介するのは3つの企業です。1つめは、カーボンフットプリントに応じて価格を変えるスーパーをオープンした食品ブランド。2つめは、パッケージへのカーボンフットプリントの表示に取り組んでいる食品メーカー。3つめは、全メニューにカーボンフットプリントの表示を導入しているレストランチェーンです。

スーパーマーケットで食料品を買ったり、飲食店で料理を注文したりすることによって、自分がどれだけ地球に環境負荷をかけているかがわかるというこの斬新な取り組みを詳しくみていきましょう。

Felix(スウェーデン)

FELIX
引用:FELIX

スウェーデンの大手食品ブランド「Felix(フェリックス)」では、カーボンフットプリントに応じて独自の価格を設定し、パッケージに表示して数値目標化するという興味深い取り組みが始まっています。

「Felix」がオープンさせ「気候ストア」と名付けられた店舗では、独自の通貨が使われています。その単位は「CO2e」。温室効果ガスの排出量をCO2に換算したときに用いられる単位「CO2e」が、店内でのみ使用できる通貨にも使われているのです。

パリ協定で定められた2030年目標の1つ、個人の1週間における最大消費量を18.9 kg CO2e以内に抑えようというターゲットに基づき、この「気候ストア」では1週間の買い物を「18.9 kg CO2e」の予算内でやりくりするように求められています。

これまで自分の行動が地球にどれだけ負荷をかけているか具体的にわからなかった私たちにとって、数値がはっきりと示されているのは今までにない事例です。これから広がっていくことが期待されます。

QUORN FOODS(イギリス)

quorn
引用:QUORN FOODS

「QUORN FOODS(クォーンフーズ)」はイギリス発祥の食品メーカーで、アメリカやヨーロッパ、アジアで広く展開していて、代替ミートなどヴィーガン向けの商品で有名です。また、製造時の二酸化炭素を削減したり、パッケージの80%以上をリサイクルしたりするなど、環境負荷に配慮した取り組みを積極的に進めるとともに、使用する水の削減にも取り組んでいる企業です。

そんな「QUORN FOODS」で2020年から始められたのが、売り上げ上位30品目のパッケージにカーボンフットプリントを表示すること。この取り組みによって、消費者はより環境にやさしい商品を選択することが可能になりました。また「QUORN FOODS」は、自社の取り組みが刺激となって他の食品メーカーにもカーボンラベル表示が普及していくことを期待しているとしています。

カーボンフットプリントの表示は、これから世界的なスタンダードになっていき、私たちが商品を選ぶときの選択肢となっていくでしょう。

JUST SALAD(アメリカ)

justsalad
引用:JUST SALAD

アメリカの「JUST SALAD(ジャスト・サラダ)」は、近年のアメリカ人の健康志向の高まりによって、アメリカ内外におよそ40の店舗をかまえる人気のサラダレストランチェーンに成長しました。

「JUST SALAD」は2020年9月から新しい取り組みを始めました。それは、全メニューにカーボンフットプリントを表示すること。消費カロリーや栄養成分をメニューに表示して消費者に提示することはもはや当たり前のことになっていますが、カーボンフットプリントを料理のメニューに表示するというのはまだまだ珍しいことです。

「JUST SALAD」は「EAT WITH PURPOSE=目的を持って食べる」を理念のひとつとしています。地球環境に配慮するとともに、健康的な食事をすることも持続可能な社会のために重要なことであるとしています。

「JUST SALAD」のメニューのように、消費カロリーの隣にカーボンフットプリントも表示されて、これからは私たちがどの料理を食べるかを選ぶときの重要な要素になっていくことでしょう。

まとめ

本記事で取り上げた企業に共通するのは、自社が温室効果ガスの排出を削減して地球環境に貢献するだけでなく、カーボンフットプリントを見える化し、消費者に選択肢を示していることです。また、先駆者となって他の企業への波及効果を期待しているところも同様です。実際にカーボンフットプリントを消費者に示す企業も増えてきています。

まだ日本ではほとんど見かけない、飲食業界におけるカーボンフットプリント。これから日本でもカーボンフットプリントの表示が一般的になっていくのか、そうなったとき持続可能な社会のために私たちが行動を起こすきっかけとなるのか、その意識が問われることになっているかもしれません。

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