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探究学習とは?意味や進め方、地域課題につながる具体例をわかりやすく解説

2026 5/29
リジェネラティブツーリズム
SDGs サステナブルツーリズム 持続可能な観光 探究学習
2026-6-10
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探究学習とは、自分で問いを見つけ、調べ、考え、答えを形にしていく学びです。「普通の勉強と何が違うの?」「調べ学習と同じでは?」と感じる方もいるでしょう。探究学習では、先生が正解を教えるだけでなく、子ども自身が課題に向き合う過程を大切にします。

本記事では、探究学習の意味や必要とされる理由、探究学習を進める具体的なステップ、具体的なテーマ例をわかりやすく解説します。

目次

探究学習とは?

探究学習とは、生徒が自分で問いや課題を見つけ、その解決に向けて学びを進める学習活動です。文部科学省は「探究」を、「実社会や実生活の中から問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現する学習活動」と定義しています。[1]

従来の授業では、先生が教えた内容を覚え、決められた答えを出す場面が多くありました。一方、探究学習は「なぜだろう」「どうすればよいだろう」と考えることから始まります。

たとえば、「地域のごみを減らすにはどうすればよいか」という問いを立てた場合、原因を調べ、地域の人に話を聞き、解決策を考えます。最後に、自分たちなりの提案としてまとめる流れです。

探究学習で重視されるのは、正解を早く出すことではありません。問いを立て、情報を比べ、自分の考えを深める過程そのものが大切なのです。

探究学習が必要とされる理由とは?

探究学習が必要とされる理由は、社会の変化が速くなり、あらゆる課題が複雑化していることがあります。

現代の社会では環境問題、人口減少、防災、働き方など、答えが一つに決まらない課題が多くあります。デジタル技術の発展により、情報はすぐに手に入るようになりましたが、その情報が正しいのか、自分の課題にどう使えるのかは、自分で考えなければなりません。

探究学習では、問題を見つける力、情報を集める力、考えを整理する力、他者に伝える力を育てられます。探究学習は、単に知識を覚えるだけでなく、その知識を使って考える力を鍛えるため、近年注目を集めています。

探究学習の4つのステップ

探究学習は、主に以下の4つのステップで進めます。[2]

  1. 課題の設定
  2. 情報の収集
  3. 整理・分析
  4. まとめ・表現

ただし、探究学習はこの流れを一度たどって終わるものではありません。情報を集める中で問いを見直したり、発表後に新しい課題が見つかったりすることもあります。

そのため、4つのステップを繰り返しながら、少しずつ考えを深めていく学びともいえます。

1. 課題の設定

探究学習で最初に行うのは、課題の設定です。自分の興味や身近な疑問から、「なぜ」「どうすれば」という問いを作ります。

たとえば、「学校の食品ロスを減らすにはどうすればよいか」「地域の観光をもっと知ってもらうには何が必要か」などです。広すぎるテーマは、調べやすい問いに絞ると進めやすくなります。

2. 情報の収集

次に、課題を考えるための情報を集めます。本やインターネットだけでなく、アンケートやインタビュー、現地調査なども方法の一つです。

大切なのは、情報を多く集めることだけではありません。誰が出した情報なのか、いつの情報なのかを確認し、信頼できるものを選びましょう。

3. 整理・分析

集めた情報は、そのまままとめるだけでは不十分です。共通点や違いを比べたり、原因と結果を考えたりして分析します。

分析した内容はアンケート結果を表にする、意見を分類する、グラフにするなどの方法で整理し、自分の考えとしてまとめましょう。

4. まとめ・表現

最後に、調べたことや考えたことをまとめ、発表します。プレゼンテーションやレポート、ポスターなど、表現の形はさまざまです。

また発表して終わりではなく、聞いた人の意見をもとに振り返ることも大切です。そこから新しい問いが生まれれば、探究学習はさらに深まります。

「探究学習」と「調べ学習」の違い

探究学習と調べ学習の違いは、自分で問いを立て、考察まで深めるかどうかです。

調べ学習は、決められたテーマについて情報を集め、まとめる活動が中心です。

一方、探究学習では、情報を集めたあとに「なぜそうなるのか」「自分はどう考えるのか」「どのような解決策があるのか」まで考えます。つまり、調べた内容をもとに、自分なりの答えを作る学びです。

項目調べ学習探究学習
目的情報を調べてまとめる問いを立てて考えを深める
進め方調査とまとめが中心課題設定から表現まで行う
重視する点知識の整理考察・表現・問い直し
答え既存の情報に近い自分なりの答えを導く

たとえば、「学校でどれだけの食品ロスが発生しているか」を調査するだけなら調べ学習に近い内容です。そこから「学校で食品ロスを減らすには何ができるか」と問いを立て、原因や対策を考えると探究学習になります。

小学校・中学校・高校における探究学習の具体例

探究学習は、小学校・中学校・高校で少しずつ内容が変わります。学年が上がるほど、身近な疑問から地域課題、社会課題、進路や専門分野に関わるテーマへと広がりやすくなります。

小学校・中学校・高校それぞれの探究学習テーマ例を紹介するので、参考にしてください。

小学校の例

小学校では、身近な生活や地域から問いを立てる探究学習が向いています。たとえば「学校のまわりにはどのような自然があり、私たちの生活とどのようにつながっているのか」「給食の食べ残しを減らすために、私たちにできる工夫は何だろうか」といった問いです。

小学校の「総合的な学習の時間」では、国語や社会、理科などの教科で学んだ知識を活かし、教科を越えた課題に取り組む「横断的な学び」が求められています。

しかし、いきなり教科を越えた複雑なテーマを扱おうとすると、子どもたちはどこから手をつけていいか迷ってしまいます。だからこそ、まずは学校生活や地域の中にある身近な疑問を入り口にすることが大切です。

身近なところからスタートすれば、子どもたち自身が課題を見つけやすくなり、その後の活動にも主体性が生まれます。

中学校の例

中学校では、身近な課題から社会とのつながりを考える探究へ発展する傾向があります。たとえば、地域の防災、高齢者が暮らしやすいまちづくり、食品ロス、SNSと人間関係などです。

小学校よりも、情報を比較したり、アンケート結果を分析したりする活動が増えます。[4]

高校の例

高校では、「総合的な探究の時間」や課題研究として、より深いテーマに取り組みます。自己の在り方や生き方と結びつけながら、課題の発見と解決に向けて考える点が特徴です。[5]

具体的には、以下のようなテーマがあげられます。

  • 地域観光の活性化
  • 若者の投票率
  • 睡眠時間と学習効率の関係性
  • 環境にやさしい商品が選ばれる理由

進路や将来学びたい分野と結びつけると、より深い探究学習になります。

探究学習のテーマを決めるときのポイント

探究学習のテーマは、身近な疑問から考えると決めやすくなります。最初から大きな社会課題を選ぶと、調べる範囲が広がりすぎて迷いやすいためです。

たとえば、「環境問題」だけでは広すぎます。そこから「学校でペットボトルごみを減らすにはどうすればよいか」と絞ると、調べる内容が明確になります。

広すぎるテーマ探究しやすい問い
環境問題学校の食品ロスを減らすにはどうすればよいか
観光地域の魅力を若い世代に伝えるには何が必要か
SNSSNSは中高生の人間関係にどのような影響を与えるか
防災地域の防災意識を高めるには何ができるか

また以下の3つも、テーマ選びで大切なポイントです。

  • 自分が知りたいと思えるか
  • 調べる方法があるか
  • 考察につなげられるか

興味だけでなく、調査や発表まで見通せるテーマにすると、探究学習を進めやすくなります。

探究学習を進めるときの注意点

探究学習は他の教科に比べて自由度が高い一方で、進め方にはいくつかの注意点があります。学びを深めるためには、単なる情報収集で終わらせず自分の意見につなげる工夫と、サポートする大人が答えを教えすぎずに伴走する姿勢の2点が重要になります。

情報を集めるだけで終わらせない

探究学習では、情報を集めるだけで終わらせないことが大切です。インターネットで調べた内容をまとめるだけでは、調べ学習と変わらず、探究学習の効果が低くなります。

文部科学省の資料でも、探究のプロセスにおいて「整理・分析」「まとめ・表現」への取り組みが十分でないことが課題として指摘されており、探究を通じた資質・能力の向上をより一層意識することが求められています。

情報収集はゴールではなく、考えを深めるための材料です。自分の意見や提案につなげることで、意味のある探究学習になります。

教師や大人は答えを教えすぎない

探究学習では、教師や大人の関わり方も重要です。子どもが悩んでいると、つい答えを教えたくなるかもしれません。しかし、答えを先に示すと、自分で考える機会が減ってしまいます。

大人ができるのは、答えを出すことではなく、考えるきっかけを作ることです。「なぜそう思ったの?」「他の見方はある?」「どう調べたらわかりそう?」と問いかけると、子ども自身が考えやすくなります。

答えを急がず、問いを深める時間を支えることが学びにつながると意識しましょう。

探究学習に関するよくある質問(FAQ)

探究学習については、始まる学年やテーマの決め方、大人の関わり方に悩む方も多いでしょう。ここでは、保護者や生徒が気になりやすい疑問点に回答します。

探究学習は何年生から始まりますか?

探究学習は小学校3年生から段階的に始まり、学年が上がるにつれてテーマや考察の深さが広がっていく学びです。

小学校3年生から「総合的な学習の時間」が始まり、身近な生活や地域をテーマに、調べたり考えたりする活動が行われます。

中学校では「総合的な学習の時間」として地域課題や社会課題へ学びが広がり、高校では「総合的な探究の時間」としてより深い課題研究に取り組みます。

探究学習のテーマが決まらないときはどうすればよいですか?

テーマが決まらないときは、自分の生活に近い疑問から考えるのがおすすめです。学校生活、地域、食、環境、SNS、防災、進路などは、問いを作りやすい分野です。

「なぜ気になるのか」「誰が困っているのか」「自分で調べられるか」を考えると、テーマを絞りやすくなります。最初から完璧なテーマにしようとせず、調べながら少しずつ整えていきましょう。

探究学習で保護者や教師ができるサポートはありますか?

保護者や教師は、子どもが自分で考えられるように支えることが大切です。答えを教えるよりも、問いを深める声かけが役立ちます。

たとえば、「どうしてそう思ったの?」「ほかに調べる方法はある?」「誰に聞けばわかりそう?」などと聞いてみましょう。声かけに対して子どもが自分の考えを言葉にすることで、学びが整理されます。

探究学習とは何かを理解し、主体的な学びにつなげよう

探究学習とは、生徒が自ら問いを立て、情報を集め、整理・分析し、自分なりの答えをまとめて表現する学習です。

知識を覚えるだけでなく、正解のない課題に向き合い、考えを深める点に特徴があります。小学校・中学校・高校で内容は変わりますが、どの段階でも大切なのは「自分で考えること」です。

本記事で学んだ内容を参考に、探究学習をより主体的な学びへとつなげましょう。

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参考文献
[1] 文部科学省「総合的な学習(探究)の時間」

[2] 文部科学省「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(中学校編)」PDF

[3] 文部科学省 「 小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説総合的な学習の時間編」PDF

[4] 文部科学省「中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 総合的な学習の時間編 」PDF

[5] 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編」PDF

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