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観光地におけるサステナビリティの最新の取組事例、GSTC2024

2024 11/27
サステナブルツーリズム
CO2削減 GSTC サステナブルツーリズム 持続可能な観光 気候変動
2024-11-202024-11-27
観光地のサステナビリティの最新の取組事例 GSTC2024

GSTC2024で光ったシンガポールのプレゼンス。世界のサステナビリティツーリズムのリーダーの一国になるという意識が強く、それを達成するための目標設定と戦略、ロードマップが非常に明確です。これを実現する事で、シンガポールの観光業は経済的な大きな恩恵とブランド力などの無形価値を手に入れることが出来ると信じています。

今、世の中で語られているサステナビリティは、20世紀の時に語られていた地球環境や地域コミュニティに対する配慮とは異なります。

21世紀で求められているサステナビリティは公的機関や経済界の後押しを得た事で、力強く、そして、広範囲で深いです。少し昔の知識や感覚でサステナビリティを捉えてしまうと、大きな間違いを起こすことになります。観光で経済を活性化させたい国や自治体、事業者は、GSTC基準を学ぶことから始めましょう。

本記事では、GSTC2024の開催地にてGSTC基準を導入したシンガポール・セントーサ島やカンファレンスでの取り組みを紹介します。

目次

カーボンオフセッティングで旅行者の意識向上に貢献

シンガポール航空による自主的なカーボンオフセットサービス
シンガポール航空による自主的なカーボンオフセットサービス

GSTC2024では、カンファレンスの参加者に対して、シンガポールまでの移動に利用した飛行機によって排出された、自主的なカーボンオフセットが推奨されました。シンガポール航空が提供するカーボンオフセットサービスで、シンガポール航空の利用者以外も利用できます。

シンガポール航空のカーボンオフセッティングサービスについてはこちら:Singapore Airlines

実際に私が利用した航路を計算してみました。

成田空港⇆シンガポール・チャンギ空港 エコノミー席の往復利用

排出されるCO2は、827.96KGです。

この排出量をオフセットするには、シンガポールドル10.76ドル(約1235円)の費用がかかります。

GSTC2024カンファレンス内にデスクがあり、その場で、クレジットカード等でカーボンオフセットの決済ができます。

MRTやバスなどで使えるEZ-Linkカード(SuicaやPasmoのシンガポール版)

GSTC2024では、カーボンオフセットを実施した参加者に対して、インセンティブとして、MRTやバスなどで使えるEZ-Linkカード(SuicaやPasmoのシンガポール版)をプレゼントしていました。

デザインは、ウルトラマンがシンガポールのローカル屋台に遊びに来て、楽しんでいるもので、多様性とローカル性が表現されているデザインを選んだとGSTC2024の事務局の方が教えてくれました。

シンガポール航空が扱うボランタリークレジット創出案件の紹介
シンガポール航空が扱うボランタリークレジット創出案件の紹介

カーボンオフセットを行うボランタリーカーボンクレジットの創出案件についても紹介がありました。インドネシアの熱帯雨林保全やインドの再生エネルギー普及、ネパールのクックストーブ普及などによって創出されたボランタリーカーボンクレジットを活用し、決済ごとに償却されるようです。

市場では、吸収系のボランタリーカーボンクレジットに注目が集まっていますが、シンガポール航空のカーボンオフセットプログラムでは、発展途上国で創出された、回避・削減系のボランタリーカーボンクレジットも含まれています。自主的なカーボンオフセットを促すプログラムのため、環境的な価値だけでなく、カーボンオフセットを行う消費者の意識醸成にも貢献します。

自主的なカーボンオフセットの利用者はまだ多くないそうです。しかし、サステナビリティを推進する国や自治体、事業者は、消費者の意識醸成のためにも、カーボンオフセッティングを行える機会提供を、簡単な手続きで行えるようにすることが大切です。

フードダイバーシティの推進

フードダイバーシティの推進

多民族国家であるシンガポールは、フードダイバーシティ(食の多様性)も進んでいます。GSTC2024で提供される料理は、ヴィーガンやプラントミートを中心に構成されていました。日本でもヴィーガンやプラントミートを選べる選択肢が増えてきましたが、まだ多くはありません。

しかし、食料システムによる地球環境負荷を考慮し、牛肉や豚肉、チキンなどの使用を控えて、植物ベースの食事に切り替える動きが多くなっています。

 GSTC2024のカンファレンスやパーティで提供されたヴィーガン料理やプラントミートを使用した料理は、どれも美味しく、プラントミートは非常に味がしっかりしていました。提供されたスイーツのほとんどは、ヴィーガン仕様でした。ホテルやレストランのシェフのヴィーガン料理やプラントミートを活用した知識やノウハウは豊富で、スキルも非常に高いのだと思います。

 また、国際的なメニューだけでなく、シンガポール独自の料理の提供も多かったです。GSTCは、ローカルの独自の食文化も重要だと訴えています。日本でも土地のものを味わって楽しむという文化があるように、その土地ならではの料理を積極的に提供しています。

朝も昼も夜も遊べる!観光客が集中する時間帯の緩和

  セントーサ島は、昼間と夜で旅行者が楽しめるコンテンツが変わります。自然が豊かなため、昼間はゆっくりとビーチで過ごしたり、サイクリングをしたり、ジョギングを楽しめます。

もちろん、屋内のアクティビティも豊富で、セントーサ島には、子供向けの職業体験を提供するキッザニアや4Dアドベンチャーランド、インドアスカイダイビングのI-FLがあります。

 セントーサ島では夜も楽しめる観光アクティビティも豊富です。

  • 海辺で開催されるマルチメディアショー
  • レーザー、噴水、音楽、花火が融合した壮大な「ウィングス・オブ・タイム (Wings of Time)」
  • ジョンビーチ、シロソビーチ周辺のビーチバー巡り
  • 熱帯雨林内で行われるインターラクティブなライトショー

朝や昼とは違う雰囲気のセントーサ島を楽しむ事ができます。

セントーサ島による重要課題(マテリアリティ)の特定、目標設定、戦略策定の重要さ

 セントーサ島の観光戦略は、シンガポールの主要観光地として多様な体験を提供することで、国内外の観光客を引きつけることに重点を置いています。以下がその主要なポイントです。

多様なアトラクションの提供

ユニバーサル・スタジオ・シンガポールやS.E.A.アクアリウムといった世界的な施設から、美しいビーチやゴルフ場など自然を活かしたアクティビティまで、多様な体験を用意しています。

リゾート体験の強化

ラグジュアリーなリゾートホテルやスパ、高級レストランを通じて、特別な滞在型観光を提供しています。リゾート・ワールド・セントーサはその象徴です。

サステナブルな観光推進

自然保護エリアや持続可能なイベント運営に注力し、環境と調和した観光を目指しています。例えば、電動トラムの導入やエコツーリズムの推進があります。

家族向けとナイトライフの両立

昼は家族連れが楽しめるアクティビティ、夜は大人が楽しむカジノやバー、ショーなど、多世代に対応した観光を展開しています。

統合的なマーケティング

国際的なプロモーションやイベント誘致を通じ、セントーサをシンガポールの象徴的な観光地として発信しています。

これらの戦略により、セントーサ島はエンターテイメントとリラクゼーションを兼ね備えた観光地としての地位を確立しています。

そして、サステナブルな観光推進では、サステナビリティに関わる7つの重要課題と25の目標を設定した2030年マスタープランを策定し、目標の達成に向けて、数々の施策を打ち出しています。

例えば、セントーサ島内に存在する豊かな生態系の保全と再生を目的に、マングローブ林の保護やビーチの侵食対策を実施しています。

また、環境負荷の小さい交通手段の更なる普及を目指して、島内では電動トラムやモノレール、シャトルバスを提供し、化石燃料への依存を最小限に抑えています。そして、可能な限り、観光客に自転車や徒歩での移動を促し、カーボンフットプリントの削減を目指しています。

GSTC2024のフェアウェルパーティは、カンファレンス会場から少し離れたホテルで開催されました。このホテルへの移動を徒歩で促すために、ガイドによるウォーキングツアーを企画し、カンファレンス会場から約40分間歩いて移動を行なった参加者もいます。ただ歩くだけでなく、ガイドが島や施設、生態系などについて解説しながら歩くため、観光しながら移動できて、一石二鳥です。

あとがき

 GSTC2024が開催されたシンガポール・セントーサ島やGSTC2024カンファレンスで発見したサステナビリティの取り組みについて、紹介しました。大掛かりな取り組みだけでなく、ちょっとした工夫や挑戦によって、観光客に対してサステナブルな行動を促すメッセージを送ることができます。

大事な事は、サステナブルな取り組みや行動を強制するのではなく、観光客に対して選択肢を増やすことです。選択肢があることで観光客は思考します。思考を繰り返すことで、サステナブルなあり方に興味を持ち、これまでとは違った選択肢を取るかもしれません。

大切なことは、観光客のマインドセットや行動変容を待つのではなく、自社のあるべき姿を考え、社内で話し合い、ビジネスモデルやバリューチェーンを見直すことです。

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