MENU
  • リジェネラティブツーリズムについて
  • カテゴリー別
    • リジェネラティブツーリズム
    • 社会
    • 環境
    • 経済
  • イベント
  • 用語集
  • 企業、自治体、DMO、観光事業者の皆様へ
  • メルマガ登録
  • English
お問合せ
リジェネ旅
  • イベント
  • 事業者の皆様へ
  • メルマガ登録
  • English
リジェネ旅
  • イベント
  • 事業者の皆様へ
  • メルマガ登録
  • English

オーバーツーリズムはいつから始まった?歴史的変遷と深刻化した原因を解説

2026 6/10
リジェネラティブツーリズム
オーバーツーリズム サステナブルツーリズム 持続可能な観光
2026-6-23
  1. ホーム
  2. リジェネラティブツーリズム
  3. オーバーツーリズムはいつから始まった?歴史的変遷と深刻化した原因を解説

近年、ニュースやSNSで毎日のように耳にする「オーバーツーリズム」。京都のバス混雑や鎌倉のマナー問題などが注目されていますが、「一体いつから始まったのだろう?」と思う方も多いのではないでしょうか。

オーバーツーリズムという言葉自体は最近のものですが、その根底にある課題は日本の観光の歴史と深く結びついています。経済最優先の「大量観光」の時代を経て、いま観光のあり方は大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。

本記事では、言葉の起源や日本で深刻化した時期だけでなく、観光産業の変遷から「持続可能な観光」が重視される理由まで、歴史を紐解きながら分かりやすく解説します。

目次

オーバーツーリズムはいつから始まった?

メディアで見かけない日はない「オーバーツーリズム」。この現象は一体いつから始まったのでしょうか。言葉の起源と、日本国内で問題が表面化した時期を解説します。

「オーバーツーリズム」という言葉の誕生は2016年

「オーバーツーリズム(Overtourism)」という概念が世界で初めて提唱されたのは2016年です。米国の旅行業界向けデジタルメディア「Skift(スキフト)」社が造語として使用し、世界中に広まりました。[1]

それまでも「観光客が多すぎる」という個別の悲鳴はありましたが、2016年を境に「地域社会の受け入れ限界を超え、住民生活や自然環境に悪影響を及ぼしている状態」を示す世界共通のキーワードとして定義されました。[2]

日本で問題が急速に表面化したのは2015年〜2016年頃

世界での言葉の誕生とほぼ同じくして、日本でも2015年〜2016年頃にオーバーツーリズムの問題が表面化し始めました。[3][4] 政府のインバウンド推進政策により、訪日外国人観光客数が急増したタイミングと一致しています。

  • 2013年: 訪日外国人観光客数が1,000万人を突破[5]
  • 2015年: 訪日外国人観光客数が1,900万人を突破[6]
  • 2016年: 訪日外国人観光客数が2,400万人を突破[7]

ビザ緩和や免税制度の拡充、円安などを追い風に観光客が急増。交通機関や宿泊施設などの受け入れ態勢が追いつかないまま、京都や鎌倉などの有名観光地に人が集中し、地域住民との摩擦が頻繁に報道されるようになりました。

言葉の誕生前から続いていた1970年代からの観光公害の歴史

オーバーツーリズムは近年発生した新しい問題と思われがちですが、根底にある課題は数十年も前から続いています。かつての日本では「観光公害」と呼ばれていました。その起源は、今から50年以上前の1970年代にまでさかのぼります。[8]

  • 世界的な大量輸送時代の到来: 国際航空運賃の低価格化とジャンボジェット機の登場
  • 観光地の大型化: 高度経済成長にともなう急速なリゾート開発

これらによる大量観光の結果、当時は「自然環境の破壊」や「ごみ問題」「景観の画一化」などが社会問題になりました。現代のオーバーツーリズムは突発的なものではなく、1970年代から地続きの「観光の負の側面」が、格安航空の普及やSNSの発展などにより拡大したものと言えます。

あわせて読みたい
オーバーツーリズムとは?原因や課題、具体的な対策について解説 近年、世界的な観光需要の回復に伴い「オーバーツーリズム」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか? オーバーツーリズムとは、観光地に許容量を超…

団体旅行からSNS時代へ|観光のカタチが変わる中で見えてきた課題

日本の観光の課題は、時代とともに旅行スタイル(観光のカタチ)が移り変わる中で、段階を経て現在の姿へとつながっています。これまでの歩みを3つの時代に分けて見ていきましょう。

1960〜1980年代|経済性重視のマスツーリズム時代

高度経済成長からバブル期にかけては、大型バスで一斉に移動する「団体旅行」が主流でした。これが「マスツーリズム(大量観光)」の時代です。[9]

当時は「観光客の数(量)」と経済効果が最優先され、大型ホテルや観光施設が次々と建設されて地域経済を潤しました。しかしその一方で、どこも似た景色になる「地域文化の画一化」や「自然破壊」が大きな課題となりました。

1990〜2000年代|環境に目を向けたオルタナティブ・ツーリズムの始動

1990年代に入ると、バブル崩壊や環境意識の高まりから、「大量消費型の観光」への反省が生まれ始めます。[10]

そこで、地域の自然や文化を守りながら楽しむ「エコツーリズム」や、農山漁村に滞在する「グリーン・ツーリズム」といった新しい観光(オルタナティブ・ツーリズム)が登場しました。

2007年には「エコツーリズム推進法」も成立しましたが、当時はまだ関心の高い一部の層にしか認知されていませんでした。[11]

2010年代〜現在|ネット社会が引き起こした新たなマス化とコロナ禍後の爆発

2010年代以降、格安航空会社の登場やビザ緩和で訪日外国人観光客が急増する中、最大の転換点となったのが「スマートフォンとSNS」の普及です。[12]

かつては旅行会社のツアーに沿って定番ルートを動いていたのに対し、現代では個人観光客がSNSの情報を頼りに、特定のスポットに集まるようになりました。

旅行会社によるコントロールが効かないため、特定の場所だけが急激に混雑する制御不能な状態となり、オーバーツーリズムへ発展。コロナ禍を経てインバウンド需要も回復した現在、この問題はさらに深刻化しています。[13]

オーバーツーリズムが問題視された3つの国内事例

観光客の急増にともない、住民生活や地域環境に具体的な影響が出ている代表的な国内事例を3つ紹介します。

京都府京都市|生活交通の麻痺と観光マナー問題

京都では、公共交通機関の混雑とマナー違反が深刻です。特に市民の足である「市バス」は、大きな荷物を持つ観光客で満員となり、住民が乗れない事態が続いています。こうした交通混雑への対策として、市は観光客向けの「観光特急バス」を運行するなど、観光客と市民利用の分散を進めています。[14]

オーバーツーリズム対策として京都市が運行する観光特急バス
画像出典:京都市交通局

一方で、観光マナーをめぐる課題も深刻です。ごみのポイ捨てや、祇園周辺での芸妓・舞妓へのつきまとい行為、無断撮影などが問題視されており、地域住民の生活環境や文化的尊厳への影響が懸念されています。[15]

あわせて読みたい
【2026年最新】京都で深刻化するオーバーツーリズム問題の現状 | 原因や混雑回避のためにできること 京都では現在、観光客数がコロナ禍前を上回り「観光公害」とも呼ばれるオーバーツーリズムが深刻な社会問題となっています。 とくに清水寺や祇園、嵐山といった人気エリ…

神奈川県鎌倉市|江ノ電の混雑と特定スポットへの集中

鎌倉では、特定の路線やスポットへの観光客の集中が課題です。生活路線である「江ノ島電鉄(江ノ電)」は、観光シーズンになると乗車待ちの列が駅外まで続き、住民の利用が難しくなっています。

また、人気アニメの聖地である「鎌倉高校前駅」近くの踏切には多くのファンが殺到し、車道や線路内への立ち入りが安全上の問題となっています。[16]

あわせて読みたい
鎌倉で深刻化するオーバーツーリズム。混雑と地域課題を解決する持続可能な観光とは? 古都・鎌倉は、首都圏からのアクセスの良さと豊かな歴史文化に恵まれ、多くの観光客が訪れる人気観光地です。しかし近年は観光客の急増により「オーバーツーリズム」が…

北海道ニセコ町|国際的リゾート開発と地価・物価の急騰

京都や鎌倉のような混雑とは異なり、リゾート地特有の課題を抱えているのが北海道のニセコ町です。

ニセコは世界屈指の雪質を誇り、海外の富裕層やスキーヤーから絶大な人気を集めています。こうした観光客を誘致するために外資系高級ホテルなどの建設が進んだ結果、地域全体の地価や物価が急騰する「ニセコ価格(ニセコインフレ)」が発生しました。

現在は、飲食店が海外水準の価格になり住民が利用しづらくなるケースや、深刻な人手不足、開発による自然環境への負荷など、新しい形の課題に直面しています。[17]

あわせて読みたい
北海道オーバーツーリズムの現状と対策|美瑛・ニセコ・小樽の深刻化する問題と先進的解決策 2024年、北海道の延べ宿泊者数は4,462万人泊と過去最多を更新しました。特に、訪日外国人は1,031万人泊と前年同期比で大幅に増加。コロナ前の水準を大きく上回る回復を…

なぜ今「持続可能な観光」が求められているのか

これまでの観光は、いかに多くの人を集め、経済効果を生むかという「数と量」が重視されてきました。しかし、過度な集客は住民の暮らしや自然環境を脅かし、結果的に観光地の魅力そのものを奪ってしまいます。

そこで近年は、世界中で「地域住民の生活」「自然や文化の保全」「観光客の満足度」のバランスを取る新しい観光スタイルへの転換が求められています。

「客数の多さ」から「地域との共生」を重視する観光へのシフト

これまでの観光は「数や量」と経済効果を主な指標にしていました。しかし、数を追うあまり住民生活や自然・文化が傷ついては、観光地そのものの魅力が失われます。

そこで現在は、次の「3つのバランス」を取り、地域と観光が未来へ長く共生していく関係づくりが重視されています。[18]

  • 地域住民の生活の質: 地元の人々が安心して快適に暮らせること
  • 自然・文化の保全: 貴重な自然や歴史を守り、次の世代へ受け継ぐこと
  • 観光客の満足度: 混雑に悩まされず、質の高い旅行体験を楽しめること

世界と日本で進む持続可能な観光の新たな評価基準

この取り組みを形にするため、世界基準の指標(GSTC) や、観光庁が策定した「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」といった明確な評価基準が活用されています。[19]

これにより、現在の観光地経営(地方自治体やDMOなど)は、感覚的な対策ではなく、データに基づいて具体的な施策を実行することがスタンダードになりました。

地域の受け入れキャパシティを科学的に管理する取り組みが、いま全国で進んでいます。

オーバーツーリズムはいつから始まったのか。過去から学ぶこれからの観光

「オーバーツーリズム」という言葉は2016年頃から広まりましたが、その背景にある観光集中の問題は以前から存在していました。日本でも2015年頃から訪日客の急増により、さまざまな問題が発生しています。

この問題は突発的なものではなく、1970年代からの「観光公害」の歴史に、旅行形態の変化やテクノロジーの発達という現代の変化が重なって起きたものです。

これからの観光は、単に経済的利益を求めるのではなく、地域住民・自然環境・観光体験の質のすべてが調和する「持続可能な観光」へのシフトが必要です。観光地側の混雑対策だけでなく、観光客も地域の生活や文化への敬意や責任を持ち、暮らしと観光が心地よく両立する未来をつくっていきましょう。

参考文献

[1]It Is Time to Ditch the Phrase ‘Overtourism’

[2]Measuring Overtourism: A Necessary Tool for Landscape Planning

[3]RIETI – Inbound Tourism Boom and Beyond: Travelers exploring everyday life in Japan

[4]Japan Sees 24.04 Million Inbound Visitors in 2016, Marking Record High for Third Year Running and Significant 2.4-fold Growth over Three Years

[5]2013年 過去最高の1036万4千人!!-日本政府観光局

[6]今年の訪日客、1900万人突破 19日時点

[7]【主張】訪日客2400万人 リピーター増やす工夫を(1/2ページ) – 産経ニュース

[8]【川端祐一郎】オーバーツーリズム(観光公害)論に不足している視点――資本主義と民主主義の対立 | 表現者クライテリオン

[9]マスツーリズムとは・観光用語集 – JTB総合研究所

[10]Changing Ski Tourism in Japan: From Mass Tourism to Ecotourism? Masaaki KUREHA

[11]エコツーリズム推進法

[12]最近よく聞く「オーバーツーリズム」とは?日本国内の対策事例や解決方法を分かりやすく解説| NTT docomo Business Watch

[13]コロナ後のオーバーツーリズムと 新しい地域観光かたち

[14]京都市交通局:春の観光シーズンにおける市バスの混雑対策の実施

[15]京都を愉しむ、新しいたしなみ。 京都まちけっと

[16]鎌倉高校前踏切 平日も警備員配置 スラムダンク「聖地」混雑で

[17]ニセコで、人生の新たな彩りを NISEKO reinvigorates your passion for life. – ニセコ観光圏整備計画 –

[18]日本版持続可能な観光ガイドライン

[19]GSTC Standards | GSTC

リジェネラティブツーリズム
オーバーツーリズム サステナブルツーリズム 持続可能な観光
目次