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MICE(マイス)ホテルとは?一般的なホテルとの違いや経営メリット、活用事例、誘致成功のポイントを解説

2026 8/07
経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
MICE サステナブルツーリズム 企業事例 各地の事例 持続可能な観光
2026-8-11
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ホテル経営者向けに、MICE(マイス)ホテルと一般的なホテルとの違いやMICE需要を取り込むメリット、国内外の活用事例、誘致を成功させるポイントを解説します。

ホテル業界では、コロナ禍を経て 宿泊需要の回復が進む一方で、競争激化への対応が課題となっています。こうした中、新たな収益源として注目されているのがMICE(マイス)需要です。

MICE(マイス)とは、企業会議や報奨旅行、国際会議、展示会などのビジネスイベントの総称で、参加者による宿泊や飲食、会場利用など幅広い消費が期待できます。とくに宿泊機能と会議・宴会機能を兼ね備えているホテルは、MICEの受け皿として重要な役割を担っています。

本記事では、MICEホテルの特徴やMICE需要を取り込むメリット、国内外の活用事例、誘致を成功させるポイントについて、ホテル経営者向けに分かりやすく解説します。

目次

MICE(マイス)ホテルとは

MICEとは、ビジネスイベントである会議、報奨旅行、国際会議、展示会の4つの頭文字の総称です。[1]

  • Meeting:企業等の会議
  • Incentive Travel:企業等の行う報奨・研修旅行
  • Convention:国際機関・団体、学会等が行う国際会議
  • Exhibition/Event:展示会・見本市・イベント

MICEホテルとは、これら4種類のイベント開催に対応するために、宿泊や会議、宴会などを一体で提供する機能を備えたホテルを指します。

地域経済への高い波

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一般的なホテルやコンベンション施設との違い

MICEホテルは、一般的なホテルの機能に加えて、会議や展示会にも対応できる施設・運営体制を備えている点が特徴です。[3] 大規模な国際会議や展示会に対応する施設だけでなく、中小規模の会議や研修、セミナーなどを開催できるホテルもMICEホテルに含まれます。

項目一般的なホテルMICEホテルコンベンション施設
主な目的宿泊宿泊+MICE開催MICE開催
宿泊機能○◎△
会議室小規模中心小~大規模小~大規模
展示会対応△○◎
宴会・懇親会○◎△
ワンストップ運営△◎△

ホテル経営でMICE需要を取り込むメリット

MICE需要を取り込むことは、ホテル経営にとって、以下のようなメリットがあります。

  • 客室稼働率の向上につながる
  • 宿泊以外の収益機会を創出できる
  • 地域との連携強化やブランド価値向上につながる

MICEは、ホテルにとって重要な経営戦略の一つとして注目されています。

MICEはホテルにとって重要な経営戦略の一つとして注目されています。[4] [5]

客室稼働率の向上につながる

MICE需要を取り込む大きなメリットの一つが、客室稼働率の向上です。企業研修や会議、学会などは平日に開催されることが多く、観光需要が落ち込みやすい曜日や時期の集客につながります。

また、MICEの主催者は開催日程を早期に決定し予約する傾向があるため、ホテル側も客室販売計画を立てやすくなります。需要の波を平準化し、安定した収益を確保しやすくなるのは大きな利点です。

宿泊以外の収益機会を創出できる

MICEは宿泊売上だけでなく、さまざまな収益機会を生み出します。参加者による会議室や宴会場の利用料に加え、ランチや懇親会などの飲食需要も期待できるでしょう。これらの需要は、館内施設の利用拡大につながり、ホテル全体の売上向上にも寄与します。館内で多様なサービスを提供できるホテルほど、MICE需要による経済効果を最大化しやすくなります。

また、法人利用は価格だけでなく利便性やサービス品質も重視されるため、過度な価格競争に巻き込まれにくい点も特徴です。単価向上を目指すホテルにとって、MICEは有力な市場といえます。

地域との連携強化やブランド価値向上につながる

MICE誘致には、コンベンションビューローや自治体、観光事業者との連携が欠かせません。その過程で地域とのネットワークが広がり、新たなビジネス機会が生まれる可能性もあります。

また、大規模な国際会議や企業イベントの開催実績は、ホテルの信頼性や知名度を高める要素になります。地域を代表するホテルとして認知されれば、MICE以外の需要獲得にも好影響を与えられるでしょう。

国内外ホテルのMICE(マイス)活用事例

画像出典:マリーナベイ・サンズ

MICEは単なる宿泊需要の獲得手段ではなく、ホテルの競争力を高める経営戦略としても活用されています。国内外では、会議や学会、展示会などの受け入れを強化することでブランド価値を高め、安定した収益基盤を築いているホテルも少なくありません。ここでは、MICEを中核事業の一つとして位置付け、ホテル経営の強化につなげている代表的な事例を紹介します。

神戸ポートピアホテル|MICEを軸にホテル競争力を高める

神戸ポートピアホテルは、MICEを活用してホテルブランドを確立した代表的な事例です。[6] 開業当初から「コンベンションホテル」をコンセプトに掲げ、約1,500人を収容できるポートピアホールをはじめとする会議・宴会施設を整備してきました。

また、神戸医療産業都市構想と連携し、医学系の国際会議や学術大会の誘致を積極的に推進しています。さらに、神戸コンベンションコンソーシアムにも参画し、地域一体となったMICE誘致活動を展開しています。

神戸ポートピアホテルはMICEをホテルの中核事業として位置付けることで競争優位性を築き、神戸を代表するコンベンションホテルとしての地位を確立している点が特徴です。

マリーナベイ・サンズ(シンガポール)|MICEを収益の柱に育てる

マリーナベイ・サンズは、MICEをホテル経営の重要な収益源として活用している代表的な事例です。同施設はホテルに加え、大規模な展示場や会議施設を備え、国際会議や展示会、企業イベントなど、多様なMICE需要に応えるための受け入れ体制を整えています。宿泊だけでなくレストランや商業施設、エンターテインメント施設を併設することで、参加者の館内消費を促進しています。[7] 

また「サンズ・エキスポ&コンベンションセンター」はシンガポール初の完全オフセット型MICE会場としても有名です。[8] 近年は、 国際会議の主催者や企業が会場を選ぶ際にサステナビリティを重視する傾向にあります。こうした需要に応えることでMICE誘致における競争力を高めています。[9]

さらに近年は周辺ホテルや観光施設とも連携し、エリア全体でMICE参加者を受け入れる「Bay Precinct Strategy」を推進。マリーナベイ・サンズは滞在中の体験価値を高めることで消費額の向上を図っています。MICEを客室販売だけに依存しない収益モデルの柱に育てている点が特徴です。

マリオット・インターナショナル|MICE特化サービスでリピート需要を獲得

マリオット・インターナショナルは、世界規模のネットワークと会員基盤を活用し、継続的なMICE需要の獲得に成功している事例です。同社は「Marriott Bonvoy Events」を展開し、会議やイベントの会場検索から予約、運営支援までを一元的に提供しています。[10] [11] デジタルツールによる運営効率化やサステナブルMICEへの対応も強化しており、イベント主催者の多様なニーズに応えています。[12]

さらには、イベント主催者向けのロイヤルティプログラムを導入し、会員によって1イベントに対して最大105,000ポイントを獲得できる仕組みで、リピート利用を促進しています。

マリオットは、単に会場を提供するのではなく「イベント成功を支援するパートナー」として価値を提供している点が特徴です。MICEを単発の受注で終わらせず、継続的な法人顧客との関係構築につなげている好例といえるでしょう。

ホテルがMICE(マイス)誘致を成功させるポイント

MICE市場で成果を上げるためには、会議室や宴会場などの設備を整えるだけでは不十分です。近年は、開催地としての魅力や運営体制、サステナビリティへの対応なども重視されています。また、ホテル単独で大型案件を獲得することは難しく、地域との連携や自社の強みを活かした戦略づくりが欠かせません。ここでは、ホテルがMICE誘致を成功させるために押さえておきたいポイントを紹介します。

地域のコンベンションビューローやDMOと連携する

MICE誘致では、コンベンションビューローやDMO(観光地域づくり法人)との連携が重要です。これらの団体は主催者への情報提供や開催支援を行っており、ホテルにとっては有力な営業チャネルとなります。また、自治体の補助金や支援制度の活用につながる場合もあります。

地域全体で受け入れ体制を整えることで、大規模な会議や国際イベントにも対応しやすくなり、誘致の成功率向上も期待できるでしょう。

施設規模や立地に合ったMICE戦略を立てる

MICEには企業会議、報奨旅行、国際会議、展示会などさまざまな種類があり、求められる設備やサービスも異なります。

そのため、すべての案件を狙うのではなく、自社の強みを活かせる分野に注力することが重要です。たとえば、都市部のホテルは会議や学会との相性が良く、リゾートホテルは報奨旅行や企業研修に適しています。

施設規模や立地に応じた戦略を立てることで、効率的な誘致活動が可能になります。

地域資源を活用した体験プログラムを提供する

近年のMICEでは、会議や研修だけでなく、開催地ならではの体験価値も重視されています。たとえば、地元食材を活用した特別メニューや文化体験、自然を活かしたアクティビティなどを提供することで、参加者の満足度向上につながります。

他地域との差別化を図り、開催地として選ばれる理由をつくることが重要です。

サステナビリティへの取り組みを強化する

環境や社会への配慮は、近年のMICE開催地選定において重要な評価項目です。とくに国際会議では、主催者がサステナビリティ方針を重視する傾向が強まっています。ホテルにおいても、フードロス削減や脱プラスチックの推進、地産地消、省エネルギー化などの取り組みが求められます。持続可能な運営体制を整えることは、社会的責任を果たすだけでなく、MICE誘致における競争力の向上にもつながるでしょう。

MICE(マイス)ホテルは宿泊以外の収益を伸ばす経営戦略になる

MICEは、ホテルにとって単なる団体宿泊の獲得施策ではありません。会議室や宴会場の利用料、飲食サービス、ケータリング、館内施設の利用など、宿泊以外の収益機会を生み出せる経営戦略です。企業会議や国際会議は平日や閑散期に開催されることが多く、客室稼働率の向上や収益の平準化にもつながります。

さらに、MICEの開催実績はホテルのブランド価値向上や地域とのネットワーク強化にも寄与します。今後、ホテル間の競争が激化する中で、MICEは収益源の多様化と競争力向上を実現する有力な手段の一つとなるでしょう。自社の強みや立地特性を活かしながらMICE需要を取り込むことが、持続的な成長への第一歩となります。

参考文献

[1]MICEとは | MICEとは | 自治体・MICE関係者向け | 日本政府観光局(JNTO)MICEの誘致・開催支援

[2]MICEとは | MICE の推進 | インバウンド回復戦略 | 観光政策・制度 | 観光庁

[3]https://www.siteminder.com/r/mice-hotel/

[4]ホテル経営に効くMICE(マイス)とは?メリットと取り組みの方法を解説 – 株式会社リロホテルソリューションズ

[5]MICEとは何か? – MICE TIMES ONLINE

[6]コンベンション型ホテルのMICE戦略 – MICE・地方観光人材の育成プログラム〜持続的な発展を目指して | 関西学院大学専門職大学院 経営戦略研究科

[7]MBSの国際ビジネスイベント

[8]Sands Expo and Convention Centre – Visit Singapore Official

[9]MICEの持続可能性対策

[10]Marriott Bonvoy Events | Northstar Meetings Group

[11]Marriott Bonvoy Events

[12]Sustainable Meetings | Plan Green Events | Marriott Bonvoy

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