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食品ロスの現状と解決策|循環型社会を実現するためにできること

2024 8/27
社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
フードロス 循環型社会
2024-8-29
フードロス

食品を廃棄することは、原材料を生産するために使用された土地や水、工場での労力や資材など生産過程をすべて無駄にすることになります。一方で一部の発展途上国を中心に食糧不足の課題が叫ばれる中、世界の食糧供給はバランスを欠いている状況です。

本記事では、食品(フード)ロスの現状を詳しく解説し、その原因と影響を探り、循環型社会を実現するための具体的な解決策を提案します。

目次

食品ロスとは

食品ロスとは、食用に供されるべき食品が廃棄されることを指します。これは食料の生産、流通、小売、消費の各バリューチェーンの段階で発生します。食品ロスの総量は、世界で生産される食品の約3分の1に達していると言われています。

なぜ食品ロスに対処する必要があるのか

食品ロスは、環境負荷を高めるだけでなく、経済的損失を招き、社会的不平等を悪化させるだけでなく、持続可能な食料システムに対して大きな負荷をかけます。人類が持続可能な社会を実現するためには人類のエネルギー源である食料システムの最適化が必要です。最適化のための重要項目の1つが食品ロス問題の解決です。

世界の食料不足問題

国際連合食糧農業機関(FAO)によれば、世界には栄養不足の人口が、アジアやアフリカを中心に世界人口の9人に1人の割合で存在します。一方で世界で生産される食品の約3分の1が廃棄されており、食べられずに捨てられた食料は世界の20億人分に及びます。この食品ロスは年間13億トンを超え、経済的損失は約1兆ドルに達します。

国内の食品ロスの実態

食品ロスの内訳(発生源別)

日本では年間約523万トン(令和3年度)の食品が廃棄されたと推計されています。このうち家庭から出る食品ロスは約244万トン、事業者から出るものは約279万トンです。特に家庭からの食品ロスは全体の約半分を占めており、消費者の行動が大きく影響しています。日本人1人当たりの食品ロスは1年で約42kg、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てている計算になります。

食品ロスの原因

サプライチェーン

農業生産の過剰や収穫後の適切な保存方法の欠如が、食品ロスの主な原因です。特に、気象条件の変動や市場の需要予測の誤りにより収穫量が過剰となり、消費しきれずに食品ロスとなるケースが多いようです。

特に流通、小売、消費者の段階において、以下の3つの課題が挙げられます。

流通段階|輸送中の破損や保存期限切れ

食品の輸送中に発生する破損や保存期限切れによる廃棄が問題です。冷蔵設備の不備や輸送中の温度管理の失敗が挙げられます。

小売段階|過剰在庫や売れ残り

需要予測の不正確さや販売戦略の不備が、小売段階での食品ロスを引き起こします。消費者の需要に応じた適切な在庫管理ができない場合、期限切れの食品が廃棄されることが多いです。

消費者段階|買い過ぎや料理の残り物

消費者の買い過ぎや料理の残り物が、家庭での食品ロスを増加させます。家庭での食品管理の不備や消費期限の誤解による廃棄が多く見られます。

食品ロスの影響

食品ロスは、環境、経済、社会に大きなネガティブインパクトを与えます。まず、食品の廃棄は資源の無駄遣いに直結し、廃棄処理の過程で大量の温室効果ガス(GHG)が排出されます。またメタンガスにも注意が必要です。メタンガスは、二酸化炭素に次ぎ、地球温暖化に及ぼす影響が大きい温室効果ガスです。IPCCの第5次報告書によると、地球温暖化への寄与は同じ量の二酸化炭素の28倍になります。食料システムにおけるメタンガスの発生は、水田、家畜、埋め立て、化石燃料の燃焼などが挙げられます。

さらに、食品ロスは経済的にも大きな損失を生み、廃棄物処理や食品生産にかかる無駄なコストが経済全体に悪影響を与えます。

社会的な面では、食品ロスが食品不安や飢餓問題を悪化させています。食品ロス削減を目指す取り組みを行うことで、必要としている人々に食品を供給出来るかもしれません。

循環型社会と食品ロス

循環型社会

循環型社会とは、資源の有効利用と廃棄物の最小化を目指す社会のことを指します。世界では、廃棄物が出ることを前提とした「リニア型」から廃棄物が出ないように資源を循環させる持続可能な「サーキュラー(循環)型」の社会への移行が進んでいます。

資源の再利用と廃棄物の最小化

循環型社会の実現を目指すことで、食品ロスを削減することができます。例えば、どうしても廃棄せざるを得ない食品廃棄物をたい肥として再利用し、そのたい肥を使って野菜を栽培する取り組みが行われています。

循環型社会を実現している事例

コープこうべの環境の取り組み
出典:食品ロス削減|資源循環型のくらし|コープこうべの環境の取り組み (coop-kobe.net)

エコファーム(三木市)では、コープこうべの59店舗から食品残さなど(野菜・肉の加工くずや、とうふやパンなどの期限切れ商品)を回収・たい肥化し、そのたい肥を使って栽培した野菜を再び店舗や宅配で供給する資源循環に取り組んでいます。

スウェーデンのリサイクル政策やフランスの食品ロス禁止法などの成功事例も注目されています。スウェーデンでは、食品廃棄物の99%がリサイクルまたはエネルギーとして再利用され、フランスでは、小売業者が売れ残った食品を寄付することを義務付ける法律が施行されています。

食品ロス削減のための具体的な解決策

ここからは、食品ロス削減のための具体的な解決策をみていきましょう。

生産・流通段階の対策

まず、生産・流通段階においては、AIとビッグデータの活用が重要です。これにより、需要予測の精度を高め、過剰生産を防ぐことができます。例えば、気象データや消費者行動データを分析することで、適切な生産量を予測できます。

また、ブロックチェーン技術を導入することで、サプライチェーン全体の透明性を向上させ、食品のトレーサビリティを確保することが可能です。これにより、品質管理が容易になり、流通過程での損失を最小限に抑えることができます。

効率的な流通システムの導入も効果的です。最新の冷蔵・冷凍技術を活用することで、食品の鮮度を保ちながら長距離輸送が可能となります。また、複数の企業が協力して配送を行う共同配送を促進することで、物流コストを削減し、効率を高め、結果として食品ロスを減少させることが期待されます。

小売段階の対策

次に、小売段階での対策としては、販売戦略の改善が挙げられます。POSシステムを活用したリアルタイム在庫管理により、売れ残りや過剰在庫を防ぎ、在庫の適正管理を実現することで、無駄な廃棄を削減できます。また、ダイナミックプライシングの導入により、賞味期限が近い商品の価格をリアルタイムで調整し、販売促進を図ることができます。特定の時間帯に価格を引き下げることで、売れ残りを減らすことが可能です。

さらに、フードバンクの活用も有効です。賞味期限が近いけれどまだ食べられる食品や、返品された商品、店舗の販売期限切れ食品をフードバンクや地域のこども食堂に提供することで、食品ロスの削減と同時に、地域の居場所づくりや貧困問題の解決に寄与することができます。フードバンクと小売業者、食品メーカーが連携し、効率的な食品寄付システムを構築することも重要です。

消費者段階の対策

消費者段階での食品ロス削減対策として、まず消費者が食品ロスについての理解を深めることが重要です。食品ロス削減の重要性を伝えるキャンペーンなどに参加し、意識を高めることが求められます。また、家庭で余った食品をフードバンクに提供する「フードドライブ」を活用することで、食品ロスを効果的に減少させることができます。

また、買い物をする際は必要な量だけを購入し、計画的に消費することによって不要な廃棄を減らすことができます。食品の鮮度を保つために適切な保存方法を学ぶことも大切です。余った食材を活用した料理を作ることも、食品ロス削減に役立ちます。

フードシェアリングアプリ「TABETE(タベテ)」の活用も効果的です。これは、レストランや飲食店で余った食品を、食べたいユーザーとマッチングさせるサービスで、ユーザーはアプリを通じて食品を購入し、指定時間に店舗で受け取ることができます。

TABETE - 食品ロスを削減するフードシェアリングサービス
出典:TABETE – 食品ロスを削減するフードシェアリングサービス

このように、生産・流通段階、小売段階、消費者段階の各バリューチェーンのフェーズで具体的な対策を講じることで、食品ロスの削減が実現できるのです。

最後に

政府、企業、個人が協力し、効果的な対策を講じることで、食品ロスの削減は可能です。食品ロス削減に向けた取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップです。

農林水産省が掲げる、2030年での事業系・家庭系の食品ロス半減目標は極めて高い目標です。現状の対応策の単純な積み上げでは実現できません。AI・ICT活用とサプライチェーンにおける情報共有による需要予測の精度向上、賞味期限延長・表示大括り化、発注から納品までのリードタイム延長などによる返品・過剰在庫の削減など、様々な取り組みが欠かせません。

食品ロス削減は、私たち消費者一人ひとりの行動にもかかわっています。まずは家庭での食品管理、消費行動の見直しから始めてみませんか。

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