ロイヤル・カリビアン・クルーズ、最高のバケーション体験は持続可能なカタチで

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世界をリードするクルーズ会社、ロイヤル・カリビアン・グループは、「最高のバケーション体験を責任ある方法で提供する」という理念のもと、持続可能性を事業の中核に据えています。同社のアプローチは、「SEA the Future(未来を見つめる)」という戦略的枠組みに集約され、「地球環境の保護」「地域社会の活性化」「イノベーションの加速」の3本柱で展開されています。
この戦略は、単に環境を保護するにとどまらず、社会全体にポジティブな影響をもたらし、持続可能な観光産業の未来を創造することを目指しています。
地球環境の保護
ロイヤル・カリビアン・グループは、クルーズ産業における環境負荷の軽減に積極的に取り組んでいます。その活動は、エネルギー効率の向上、水資源の管理、廃棄物対策、そして海洋保護など、多岐にわたります。
温室効果ガス削減と「Destination Net Zero」
同社のサステナビリティ戦略において、最も重要な課題の一つが気候変動への対応、特に温室効果ガス(GHG)排出量の削減です。ロイヤル・カリビアン・グループは、2050年までに排出量を実質ゼロにするという野心的な目標「Destination Net Zero」を掲げています。
この目標の達成に向けて、2035年までにネットゼロ排出のクルーズ船を導入する計画が進行中です。その第一弾として、液化天然ガス(LNG)を動力とし、燃料電池技術を搭載した次世代船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」などが開発されています。
● 燃料の多様化と代替燃料の導入
LNG(液化天然ガス)やバイオ燃料の使用拡大により、従来の重油からの脱却を図っています。今後はグリーンメタノールや水素など、さらなるゼロエミッション燃料の活用も視野に入れています。また、燃料電池システムを一部船舶で試験導入し、運航中のGHG排出を抑制する技術革新を進めています。
● エネルギー効率の向上
船体設計の最適化、空調や推進システムの省エネ化などにより、エネルギー消費量の削減を図っています。また、AIを活用した航路最適化や運航効率向上により、燃料消費の削減と運航の脱炭素化を同時に実現。その他、LED照明、再利用可能な冷却システムの導入など、船内の細部にわたる省エネ施策も実施中です。
● 陸上施設のグリーン化
プライベートアイランド「ココケイ」では、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を進めています。また港湾においては、陸上電源(shore power)接続の導入を進め、停泊中のエンジン稼働による排出を削減。その他、オフィスやクルーズターミナルもLEED認証取得を目指し、サプライチェーン全体での脱炭素化を図っています。
水資源管理と廃棄物ゼロ化への挑戦

持続可能な水利用と廃棄物管理は、海洋環境保護において不可欠な要素です。ロイヤル・カリビアン・グループは、船内で使用される水の処理技術を継続的に改善し、海洋への排出が環境に与える影響を最小限に抑えることに取り組んでいます。具体的には、以下のような活動を行っています:
- 高度な水処理システムの導入
全艦隊の約90%の船に、陸上の自治体レベルと同等かそれ以上の処理能力を持つアドバンスド・ウェイスト・ウォーター・ピュリフィケーション・システム(AWPシステム)を搭載。これにより、排水の再利用や安全な海洋放出が可能になっています。 - 海水淡水化による自給自足
クルーズ船で使用される水の約90%を船内で海水淡水化処理により賄っており、陸上の水資源への依存を大幅に低減しています。 - 固形廃棄物の削減とリサイクル
船内で発生する廃棄物の分別・再利用を徹底し、焼却や埋立処分に頼らず、リサイクル率の向上に努めています。食品廃棄物の堆肥化や、使い捨てプラスチック製品の段階的廃止なども推進中です。 - 「ゼロ・ディスチャージ(無排出)」ポリシー
特定の海域では、いかなる廃棄物も排出しない「ゼロ・ディスチャージ」方針を採用しており、環境負荷の極小化を図っています。
海洋保護とパートナーシップ
ロイヤル・カリビアン・グループは、海洋生態系の長期的な健全性を守るため、外部機関との協力も積極的に行っています。2016年以来、WWFと戦略的パートナーシップを結び、海洋保護に関する野心的な目標を設定しています。この提携は2022年に更新され、GHG排出量、海洋への影響、サプライチェーン、食品廃棄物、寄港地の管理、海洋保全といった分野で新たな5年間の目標が設定されました。WWFの世界的な海洋保護活動への資金提供も継続しており、お客様への海洋保護に関する意識啓発活動も共同で実施しています。
マイアミ大学のOceanScopeプログラムとの連携を継続し、船舶が海洋科学研究のプラットフォームとして機能するよう貢献しています。船舶から収集されるデータは、海洋環境への理解を深め、保護活動に役立てられています。
地域社会の活性化

ロイヤル・カリビアン・グループは、寄港地の地域社会に対して文化的・経済的に良い影響をもたらすことを重視しています。地域の雇用創出や、地元サプライヤーからの調達拡大を通じて、地域経済の活性化に貢献しています。たとえば、八代クルーズフェスティバルのようなイベントを主催し、地元の工芸品や農産物の販売、文化体験の機会を提供することで、地域とのつながりを深めています。
また、訪問先の文化や伝統を尊重し、その保護を支援する活動にも積極的に取り組んでいます。地元のアーティストやパフォーマーとの協働を通じて、地域文化の魅力をクルーズ客に発信しています。
さらに、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)の認証を受けたツアーオペレーターとの連携を強化しています。2023年末時点で、同社が提供するツアーの39%がGSTC認証を取得しており、2026年までに60%まで拡大することを目指しています。これにより、環境への配慮と地域社会への貢献を両立する責任ある観光を推進しています。
加えて、若い世代が海洋環境や持続可能性について学ぶ機会を提供し、次世代の人材育成にも力を入れています。
イノベーションの加速

持続可能な未来を実現するためには、継続的なイノベーションが不可欠であるとロイヤル・カリビアン・グループは考えています。
持続可能な未来を見据えた「SEA the Future」戦略のもと、クルーズ産業におけるイノベーションを加速させています。次世代船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」では、LNG(液化天然ガス)を主燃料とし、余熱回収や陸上電源接続にも対応。AIを活用した航路最適化や、船底の摩擦を軽減する気泡技術も導入しています。また、廃棄物をガス化・発電に再利用するシステムや、食品ロス削減アプリ「WOW」などを通じて、ゼロウェイストを目指す取り組みも進行中です。船内外のエネルギー効率向上に加え、マイアミのイノベーション・ラボで設計段階から技術革新を取り入れています。さらに、海洋観測システム「OceanScope」によって気候研究への貢献も行っており、科学と観光の融合を実現。快適性の面では、スマート船室やRFID決済など、最新技術を駆使した顧客体験も強化しています。
未来へのコミットメント
ロイヤル・カリビアン・グループの持続可能性への取り組みは、単なる企業の責任を果たすだけでなく、地球規模の課題に対する積極的な解決策の提案であり、クルーズ業界全体の変革を牽引するものです。
環境負荷を最小限に抑え、地域社会に貢献し、そして革新的な技術を導入することで、ロイヤル・カリビアン・グループは、持続可能な観光の未来を創造し、次世代へと美しい海洋環境と豊かな地域社会を引き継ぐための挑戦を続けています。これは、経済的な成功と環境的・社会的責任が両立するビジネスモデルを追求する、クルーズ業界のパイオニアとしての強い決意の表れと言えるでしょう。