誰もが楽しめるツアーを支援する|別府バリアフリーツアーセンターの取り組み

国際観光温泉文化都市として知られる別府市には、年間約800~900万人の観光客が訪れています。[1] その中には、高齢者や障がいのある方、小さな子どもを連れた家族、外国人観光客など、多様な人々が含まれています。
別府市ではどんな方でも観光や温泉を楽しんでもらえるように、市民団体と協力してバリアフリー観光の普及に積極的に取り組んでいます。
本記事ではその取り組みと、市民団体「別府バリアフリーツアーセンター」について詳しくご紹介します。
別府のバリアフリー観光への取り組み
少子高齢化が進む現代において、ユニバーサルツーリズムへの関心はますます高まっています。誰もが安心して旅行を楽しめる環境を整えることは、観光客の増加や地域経済の活性化につながるだけでなく、共生社会の実現にも貢献します。別府市では、観光の魅力をより多くの人に届けるため、バリアフリー環境の整備を重要な政策の一つと位置づけています。
その取り組みの一環として、2022年度から「NPO法人自立支援センターおおいた」と連携し、「別府市ユニバーサルツーリズム推進事業」を展開。観光施設や宿泊施設のバリアフリー化を進めるとともに、情報提供の充実やサポート体制の強化に努めています。この事業の中核を担うのが、別府バリアフリーツアーセンターです。
別府バリアフリーツアーセンターについて

「別府バリアフリーツアーセンター」は、NPO法人自立支援センターおおいたが運営する施設で、障がいのある方や高齢者、その家族が安心して別府を訪れ、快適に観光を楽しめるようサポートする役割を担っています。
バリアフリーに関する情報提供や旅の相談、介助サポートの手配など、多岐にわたるサービスを提供し、ユニバーサルツーリズムの推進に貢献しています。
活動内容
別府バリアフリーツアーセンターでは、バリアフリー観光に関する総合的なサポートを行っています。具体的な活動内容としては、以下のようなものがあります。[2]
- バリアフリー対応の宿泊施設や観光スポットの紹介
車いす対応の部屋があるホテルや、段差の少ない飲食店、車いすでの移動が可能な観光地などを紹介し、利用者のニーズに応じた情報提供を行っています。 - 移動サポートの手配
車いす対応のタクシーやリフト付きのレンタカーの手配をサポートし、別府市内をスムーズに移動できるよう支援します。 - 福祉用具の貸し出し
電動車いすや歩行補助具など、観光時に必要な福祉用具の貸し出しを行い、移動の負担を軽減します。 - 観光時の介助サポート
介助が必要な方に向けて、同行ヘルパーの手配を行い、安全で快適な観光をサポートします。 - バリアフリー情報の発信
別府市内の観光施設や飲食店、交通機関のバリアフリー対応状況を調査し、最新の情報を発信しています。これにより、利用者が事前に情報を得て、安心して旅行の計画を立てられるようにしています。
運営サイトについて

別府バリアフリーツアーセンターでは、公式ホームページを通じて、バリアフリー観光に関する情報を発信しています。施設や観光スポットのバリアフリー対応状況、利用可能なサービス、貸し出し用具の詳細などを掲載しており、観光の事前準備に役立ちます。

また、同センターが運営するウェブサイト「ぱらべっぷ」では、別府市内のバリアフリー対応施設や観光ルートに関する情報を詳しく紹介しています。観光客のリアルな声や、実際の利用レポートなども掲載されており、バリアフリー観光を検討している方にとって有益な情報源となっています。
このように、別府バリアフリーツアーセンターは、ユニバーサルツーリズムを推進し、多くの人が安心して別府を楽しめるようサポートしています。
別府にあるバリアフリーホテルのサービス例
別府バリアフリーツアーセンターが提供するバリアフリーサービスの項目を元に、別府にあるバリアフリーホテルで設備やサービスが充実しているホテルを5つご紹介します。
別府温泉 杉乃井ホテル

1944年創業のホテルで、2019年から大規模リニューアルを行っており、「虹館」は1棟目の新しい宿泊棟となります。多目的ホテルや車椅子の貸出、補助犬、オストメイトなどさまざまな障害のある人に対するサービスが充実しています。

2023年1月開業した「宙館(そらかん)」では多目的トイレやオストメイトなどのバリアフリー設備に加えて特別食対応もあり、食事制限のある方も安心して利用することができます。
ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ

2019年8月1日に開業した施設。開放的な客室が全89室あり、息を呑む絶景が広がるインフィニティプール、スパ、露天風呂や温泉施設、3つの会議室・宴会場、クラブインターコンチネンタルを備えています。
バリアフリー設備は多目的トイレ、点字ブロック、車椅子貸出、補助犬、オストメイト、ベビーシート、バリアフリールームなど充実しています。多言語メニューに対応し外国人の方も利用しやすく、家族湯や露天風呂もあるのでみんなで楽しめそうです。
レックスホテル別府

2019年4月にオープンしたホテルです。多目的トイレや点字ブロックの設備、車椅子の貸出の他、ベビーシートやベビーチェアなども完備しているのでどなたでも利用しやすそうです。
また客室は全て海側に面しており、全客室から別府湾の絶景を楽しむ事が出来るホテルです。
灯りの宿 燈月

大分市の精肉卸会社「まるひで」が手がけ、2019年にオープンした温泉ホテルです。新設ホテルならではの充実したバリアフリー環境に加え、精肉のプロが厳選した高級肉をふんだんに使った食事が魅力です。別府ならではの源泉かけ流しの温泉と、美味しい食事の両方を楽しめる贅沢な空間が広がっています。
バリアフリー設備は多目的トイレや点字ブロック、車椅子貸出、オストメイト、バリアフリールームの他、ベビーシートやベビーチェアなども対応し、どんな方も利用しやすくなっています。
グランヴィリオホテル別府湾ー和蔵ー

別府市の北の玄関口に位置し、雄大な別府湾や高崎山を一望できる温泉リゾートホテルです。バリアフリー設備も充実し、多目的トイレや車椅子の貸出、補助犬、オストメイト、バリアフリールームの他、ベビーシートや子供用椅子、多言語メニュー対応など、幅広い利用者さんが楽しめる設備が整っています。
まとめ
別府のバリアフリー観光への取り組みについて詳しくみてきました。市と市民団体が連携し、宿泊施設の情報を積極的に発信することで、利用者も利用しやすくなるだけでなく、宿泊施設側もバリアフリー化に積極的になる側面もあるのではないでしょうか。
バリアフリーツーリズムを推し進めることは、持続可能な観光「サステナブルツーリズム」にもつながります。別府市のような素晴らしい取り組みが全国に広まることを期待します。


参考文献