フィジー政府観光局|自然を傷つけず共に生きる「ロロマ・アワー(Loloma Hour)」を発表

フィジー政府観光局は2025年4月11日、持続可能な観光を推進する新たな取り組みとして「ロロマ・アワー(Loloma Hour)」を発表しました。このプログラムは、旅行者が滞在中に少なくとも1時間を、地域社会や自然環境に貢献する活動に充てることを提案するものです。
この取り組みは、フィジー政府観光局のCEOであるブレント・ヒル氏が「世界初の環境のためのハッピーアワー」と表現しており、観光産業全体で地域社会への還元を目指すキャンペーンとして位置づけられています。
フィジーは観光が主要産業の一つであり、自然環境の保全と地域社会への貢献が持続可能な観光の鍵とされています。ロロマ・アワーは、旅行者に対して単なる観光ではなく、フィジーの自然や文化に触れ、積極的に関与する機会を提供することで、より深い旅行体験を促進しています。
“Loloma”を知ることでより深く、心に残る旅を
「ロロマ(Loloma)」とは、フィジー語で「愛」「思いやり」「優しさ」といった意味を持つ、とても大切な言葉です。単なる感情を表す言葉というよりも、フィジーの人々の生き方や価値観を象徴する、文化的に深い意味を持った概念といえます。
フィジーでは、地域社会とのつながりや自然との調和が日常生活に深く根付いており、「ロロマ」はそれらを支える精神的な土台となっています。この言葉には、他者を思いやる心、親切を惜しまない態度、調和と尊重を大切にする暮らし方が含まれており、家族や村、旅人に対しても広く適用されます。誰かが訪ねてきたときに笑顔で迎えること、困っている人に自然に手を差し伸べること、自然を傷つけずに共に生きること――これらすべてが「ロロマ」の実践です。
今回始まったプログラム「ロロマ・アワー」は、この「ロロマ」の精神を観光のあり方に取り入れようという試みです。訪れる人々にも、この価値観を体験し、共有してもらいたいという願いが込められています。単なる観光ではなく、「訪れた場所を少しでも良くして帰る」「地元の人々や環境に優しく関わる」という姿勢そのものが、ロロマの延長線上にあります。
ロロマ・アワーでは、「野生動物の保護」「地域社会への還元」「サンゴ礁の保護」「海岸線の保護」の4つの分野で、フィジー各地のホテルやリゾートと連携し、計40以上の体験プログラムが提供されています。
具体的な活動には、マングローブの植樹、サンゴ礁の修復、野生動物の保護、伝統文化の体験などが含まれます。環境に優しいサーフリゾートや、持続可能性を重視する宿泊施設が数多く紹介されています。リゾートは太陽光発電や雨水利用、プラスチック削減、有機農園の運営などを通じて、自然と共生する観光を実践しており、従業員に地元住民を採用し、文化交流や地域経済の活性化にも取り組んでいます。
このような取り組みは、世界的にも注目されており、持続可能な観光のモデルケースとして評価されています。旅行者にとっても、旅先での新たな価値を見出すきっかけとなるでしょう。フィジーを訪れる際には、ロロマ・アワーに参加し、自然や地域社会への貢献を通じて、より豊かな旅行体験をしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000137269.html
https://visitfiji.jp/