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個別包装削減が求められる理由|環境・経営・顧客の変化に対応するために

2025 10/02
リジェネラティブツーリズム
企業事例 持続可能な観光 気候変動 環境
2025-10-9
個別包装削減が求められる理由|環境・経営・顧客の変化に対応するために

2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促進法」をご存知でしょうか?

プラスチック資源循環促進法は、特定プラスチック使用製品の使用削減や提供方法の工夫などを事業者に求める法律です。

宿泊や飲食業では、クシや歯ブラシなどのアメニティが特定プラスチック使用製品に該当するため、個別包装の削減や提供方法の工夫といったさまざまな対応が求められています。

本記事では、プラスチック資源循環促進法の概要や宿泊や飲食業に求められる対応などについて詳しく解説します。

目次

なぜ今、宿泊施設・飲食店で「個別包装」の見直しが求められているのか?

近年、小売や宿泊、飲食業では個別包装の見直しが求められています。その理由は、法規制の強化と利用者の意識変化という二つの大きな背景があるからです。

2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促進法」により、国内でもプラスチック製品の使用抑制、回収・リサイクルの推進が法的に求められるようになりました。[1]

飲食店や宿泊事業者が排出するプラスチックごみの大部分は、歯ブラシやシャンプーなどのアメニティや、売店と飲食のプラスチックカトラリーが占めているため、個別包装を見直すことでプラスチックごみを減らす動きが高まっています。

加えて、飲食・宿泊施設利用者の意識もここ数年で大きく変化し、従来の個別包装アメニティの便利さよりも、持続可能性を重視する傾向が強まっている状況です。

こうした法的側面と顧客ニーズの二つの要因により、近年では小売や宿泊、飲食業全体で個別包装の見直しが不可欠な取り組みとなっています。

プラスチック資源循環促進法とは?

プラスチック資源循環促進法は、深刻化するプラスチックごみ問題に対応するために施行された法律です。

以降では、本法律の概要や具体的な対象品目、対象事業者について解説します。

プラスチック資源循環促進法の概要と目的

プラスチック資源循環促進法は、プラスチックごみの削減と資源としての有効利用を目指すための法律です。

従来の廃棄物処理中心の対策から転換し、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3Rに、リニューアブル(Renewable)を加えた「3R+Renewable」を基本原則としています。[2]

  • リデュース(Reduce):削減
  • リユース(Reuse):再利用
  • リサイクル(Recycle):再生利用
  • リニューアブル(Renewable):再生可能資源への切り替え

本法律で対象となる事業者(特定プラスチック使用製品提供事業者)には、対象となる製品(特定プラスチック使用製品)やその提供方法についての工夫が努力義務として課されています。

対象となる12品目と特定プラスチック使用製品事業者一覧

本法律では、対象となる特定プラスチック使用製品12品目と、それを扱う対象業種が定められています。

宿泊業でとくに対応が必要となるのは、アメニティで使われている、ヘアブラシ、クシ、カミソリ、シャワーキャップ、歯ブラシの5品目です。

主要な業種と対象品目は、以下の表を参考にしてください。

対象製品対象業種
フォーク、スプーン、テーブルナイフ、マドラー、飲料用ストロー各種商品小売業(無店舗のものを含む。)
飲食料品小売業(野菜・果実小売業、食肉小売業、鮮魚小売業及び酒小売業を除き、無店舗のものを含む。)
宿泊業飲食店持ち帰り・配達飲食サービス業
ヘアブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ、歯ブラシ宿泊業
衣類用ハンガー、衣類用カバー各種商品小売業(無店舗のものを含む)洗濯業

また、前年度に提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上である事業者は「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」に該当し、取り組みが著しく不十分な場合に勧告・公表・命令などが行われる可能性があります。[3]

宿泊施設に求められる「プラスチック資源循環促進法」への対応

宿泊施設は、主にアメニティで使われる5品目(ヘアブラシ、クシ、カミソリ、シャワーキャップ、歯ブラシ)で対応が求められています。

以降では、具体的な対応方法についてわかりやすく解説します。

提供方法の工夫

提供方法については、以下の4つの取り組みが求められています。[3]

  • 特定プラスチック使用製品の無料提供を廃止し、有償で購入してもらう
  • 消費者が特定プラスチック使用製品を使用しないように、ポイントやサービス特典で誘導する
  • 特定プラスチック使用製品が必要か消費者に確認をする
  • 特定プラスチック使用製品について繰り返しの使用を促す

アメニティが必要かどうかを提供前に確認したり、繰り返しの使用を促したりするのは、コストもかからずすぐに導入できる取り組みなので、まずはこうした点から見直すと良いでしょう。

提供する特定プラスチック使用製品の工夫

提供する特定プラスチック使用製品自体にも工夫が求められています。

具体的には、以下の4つのような取り組みを行いましょう。[3]

  • 使用する特定プラスチック使用製品を薄肉化、または軽量化して消費量を減らす
  • 再生可能資源や再生プラスチックなどで作られた製品を使用する
  • 適切なサイズ・数量の特定プラスチック使用製品を提供する
  • 繰り返しの使用が可能な製品を提供する

たとえば、耐久性の高いアメニティを提供して滞在中は繰り返し使用するよう促したり、滞在日数や人数に応じたアメニティを提供したりする、といった取り組みが考えられます。

プラスチック資源循環促進法に対応する3つのメリット

プラスチック資源循環促進法への対応は、法的義務を果たすだけでなく、宿泊業者にもさまざまなメリットがあります。

以下の3つのメリットについて解説します。

  1. 環境への配慮につながる
  2. コスト最適化につながる
  3. ブランド価値の向上につながる

1.環境への配慮につながる

プラスチック資源循環促進法への対応は、プラスチックごみの削減につながります。

アメニティの提供方法や製品自体を見直すことで、ホテルから排出されるプラスチックごみの量を大幅に削減することが可能です。

そして、プラスチックごみの多くは陸上由来のため、宿泊施設でのプラスチックごみの削減は、最終的に海洋汚染の防止にもつながります。[4]

2.コスト最適化につながる

プラスチック資源循環促進法への対応は、運営コストの最適化にもつながります。

たとえば、アメニティの提供数を減らすことで仕入れコストを削減できます。また、プラスチックごみの量が減れば、ごみ処理費用の削減も期待できるでしょう。

さらに、アメニティの提供機会を減らすことで補充作業が軽減されるため、清掃スタッフの作業効率が向上し、人件費の最適化にもつながります。

3.ブランド価値の向上につながる

プラスチック資源循環促進法への対応は、宿泊業者のブランド価値向上に直結します。

積極的にプラスチックごみの削減に貢献すれば、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点で高い評価を得ることができ、Green Key認証(国際的なサステナブル認証)など、持続可能な施設としての認証取得の可能性も高まります。

また、ここ数年で若い世代や海外からの旅行者は、宿泊施設を選ぶ際に「環境に配慮した施設かどうか」を重視する傾向が強まっているため、こうした旅行者からの支持獲得も期待できるでしょう。

先進事例から学ぶ、個別包装を減らす工夫

全国の宿泊施設では、プラスチック資源循環促進法に対応するために、さまざまな取り組みが行われています。

実際の事例から個別包装を減らす手法を学び、効果的な対策を見つけるヒントにしてください。

詰め替え式アメニティの導入|星野リゾート

星野リゾート
画像出典:星野リゾート

星野リゾートは、シャンプーやボディーソープなどのバスアメニティを個別包装からボトルポンプ式に変更し、大幅なプラスチックごみの削減に成功しました。

この取り組みを国内全施設で行ったことで、年間約62トンのプラスチックごみを削減しています。[5]

詰め替え式アメニティの導入は、個別包装を減らしつつコストも削減できる効果的な手法です。初期投資として専用ボトルの設置は必要ですが、長期的には仕入れコストの削減につながります。

木製・紙製など代替素材の活用|帝国ホテル

株式会社 帝国ホテル
画像出典:株式会社 帝国ホテル

帝国ホテルは、代替素材を活用したプラスチック削減に取り組んでいます。

主なアメニティを竹製、木製、紙製、バイオマス素材へと切り替えることで、プラスチックの使用を削減。ヘアブラシや歯ブラシなどはもちろん、シャンプーなどのアメニティもプラスチックを削減した素材で作られたパッケージを採用しています。[6]

帝国ホテルはこうした取り組みにより、プラスチック使用量を2022年度は70%(11トン)、2024年度は88%(14トン)削減することに成功しました。[7]

アメニティは必要な分のみ提供|リッチモンドホテル

アールエヌティーホテルズ株式会社
画像出典:アールエヌティーホテルズ株式会社

リッチモンドホテルは、アメニティの提供方法を工夫することで、個別包装の削減に取り組んでいます。

リッチモンドホテルではアメニティバーを設置し、宿泊施設利用者が必要なものを必要な分だけ取る方式を採用。これにより、余分なアメニティの提供を減らし、個別包装の削減に成功しました。

また、アメニティバーに使用する器具自体も、従業員が着用しなくなった制服などを材料に作られています。[8]

さらに、リッチモンドホテルでは、繰り返し使用できる竹製のアメニティがセットになったトラブルキットも販売。宿泊施設利用者が積極的に、個別包装の削減に貢献できる機会も提供しています。

小規模な宿泊施設でも可能な個別包装削減への対応方法

小規模な宿泊施設でもアプローチを工夫すれば、個別包装の削減は可能です。

以降の解説を参考に、規模に応じたアプローチを選択しましょう。

仕入先や提供方法を見直す

仕入先や提供方法の見直しは、小規模な宿泊施設でもできる対応方法の一つです。

仕入先の見直しでは、環境に配慮した製品を扱う業者への切り替えを検討しましょう。

竹製や木製アメニティを提供する業者など、プラスチック削減に対応した仕入先を選択することで、製品自体の環境負荷を軽減できます。

提供方法の工夫はアメニティバーの設置が代表的です。フロントやロビーにアメニティを陳列し、必要なものだけを宿泊施設利用者が選択する方式により、不要なアメニティの提供を防げます。

部分的にアメニティを変更する

小規模な宿泊施設の場合、全てのアメニティを一度に変更するのはコストの面で難しいでしょう。そのため、部分的にアメニティを変更するなど、段階的なアプローチが効果的です。

まずは、高頻度に使われるシャンプー、コンディショナー、ボディソープから見直すのがおすすめです。個別包装での提供をやめ、詰め替え式のアメニティにすることで、プラスチック使用量を大幅に削減できます。

また、歯ブラシやカミソリなどの使い捨て製品はフロントでの提供に切り替え、宿泊者からの要望があった場合のみ提供するのも効果的です。

段階的な変更により、宿泊施設利用者の反応を確認しながら無理のない範囲で個別包装の削減が進められます。

施設利用者への配慮を欠かさない

施設利用者の中には、個別包装アメニティの廃止を不満に感じる方もいるでしょう。施設利用者の満足度を落とさず、個別包装の削減を進めるためには施設利用者への配慮を欠かさないことが重要です。

たとえば、予約時にアメニティの要・不要を選択できるようにしたり、フロントで「必要でしたらお声がけください」といった案内をしたり、施設利用者が選択できる仕組みを設けると効果的です。

さらに館内の清掃や対応に、より一層力を入れるなど、アメニティ以外の面でサービスの品質を高めることで、利用者の満足度低下を防ぎながら個別包装の削減に取り組めます。

「小さな包装を見直すこと」が未来の経営をつくる

個別包装はこれまで便利さの象徴でしたが、これからは環境に配慮した「責任ある選択」が評価される時代です。

小さな包装を見直すことは環境保護だけでなく、ブランド価値向上、顧客体験の質向上、コスト削減にもつながる総合的な取り組みといえます。

今日からできる一歩を踏み出し、明日の信頼につながる飲食店・宿泊施設経営を実現しましょう。

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参考文献

[1]プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)の普及啓発ページ|環境省

[2]プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律|環境省

[3]特定プラスチック使用製品の使用の合理化|環境省

[4] 海洋プラスチック問題は海洋汚染の要因にも きれいな海と生態系を守る!「プラスチック・スマート」キャンペーン|政府広報オンライン

[5]脱プラ – いつまでもゴミを 出しつづけないために | 星野リゾート

[6]客室備品・アメニティ|帝国ホテル

[7]帝国ホテル 東京:サステナブルなホテルを目指して|帝国ホテル

[8]リッチモンドホテル SDGsプロジェクト|リッチモンドホテルズグループ【公式】




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