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環境に優しいだけじゃない、旅行者も得するドイツの列車旅

2026 2/02
リジェネラティブツーリズム
ドイツ 列車 各国の事例 持続可能な観光 気候変動
2026-2-4

ドイツの長距離列車は、100%再生可能エネルギー由来の電力で走行していることを知っているでしょうか?ヨーロッパ最大級の鉄道事業者であるドイツ鉄道(Deutsche Bahn 以下、DB)が運行する長距離列車のICE、IC、ECは、風力や水力といった再生可能エネルギー源から調達されたエコ電力100%で運行されており、この取り組みは2018年から実施されています。

使用される再生可能電力は、第三者試験認証機関「TÜV SÜD(テュフズード)」による年次認証を受けており、DBはドイツ国内で最も多くの再生可能エネルギーを消費する企業の一つとなっています。また、単なるエネルギー転換にとどまらず、車や飛行機による移動に代わる手段として、環境負荷の少ない列車の旅を後押しする動きが進んでいます。

列車を利用して長距離移動するとどのような環境保護に繋がるのでしょうか?また、旅行者はどんなベネフィットが得られるのでしょうか?

ヨーロッパ最大級のドイツ鉄道が目指すカーボンニュートラル

ドイツ政府は2040年までのカーボンニュートラル達成を掲げ、2030年までにCO2₂排出量を2006年比で50%削減、2038年までに使用電力を完全に再生可能エネルギーへ切り替える計画を進めています。その中でも、DBの取り組みは中核を担う重要な動きの一つです。

DBは、1994年に東西ドイツの国鉄が合併して誕生し、国内に33,000kmの広大な路線網を持ち、高速列車のICE、地域鉄道、貨物輸送まで幅広く展開しています。ドイツ国内だけでなく、近隣諸国へも国際列車として運行しているため、飛行機を利用しなくても国外へ移動することが可能です。

また、新型車両の導入において、環境に配慮した革新的技術を積極的に採用しています。ドイツの鉄道事業会社シーメンス・モビリティが開発した旅客用電車「ミレオ(Mireo)」は、約30年の使用後も車両の大部分がリサイクル可能です。また、制動時に生じるエネルギーを牽引電流網へ戻す回生ブレーキや、省エネ性能に優れた最新パワーエレクトロニクスを搭載しています。旧型車両についても、LED照明の導入や断熱性能の改善により、気候に配慮した運行への転換が進められています。

こうした取り組みは車両や運行にとどまらず、駅舎や整備施設、管理部門の建物など鉄道インフラ全体へと広がっています。2014年にノルトライン=ヴェストファーレン州ケルペン=ホーレム駅で始まったこの動きは、現在ではベルリン、ミュンヘン、ケルンなど主要15駅を含む33駅が再生可能エネルギー供給へ移行しています。

これらの駅では、暖房・給湯・照明に必要なエネルギーを敷地内の地熱システムや太陽光発電で賄い、エネルギーの自給自足を実現しています。需要が高まる時間帯には公共電力網から追加のグリーン電力を購入し、発電量が上回った場合は余剰電力を送電します。さらに、緑化屋根による自然冷却や雨水回収、大型窓や天窓による自然採光によりエネルギー消費を抑制します。

水素を電気に変えて走る未来の列車「コラディア・アイリント」

フランスの車両メーカー「アルストム(Alstom)」は、水素列車「コラディア・アイリント(Coradia iLint)」を開発しました。これは、水素燃料電池によって走行用の電力を生み出す、世界初の水素駆動の旅客列車です。運行中に二酸化炭素を排出せず、排出されるのは水だけという特徴を持っています。

「コラディア・リント」は、2016年にベルリンで開催された世界最大規模の鉄道技術・輸送システム専門展示会「InnoTrans」にて初めて発表され、2018年9月には、ニーダーザクセン州の路線で世界初の商用運行を開始しました。

チケット購入時に割引やポイントが得られるBahnCard

ドイツ政府やDBのような大手鉄道会社が、カーボンニュートラルに積極的に取り組んでいることを利用者がどの程度認識しているでしょうか。環境意識の高い人が多いドイツにおいても、旅行や移動手段として列車を選んでもらうためには環境配慮だけでなく、誰にとっても分かりやすい実利的なメリットが重要です。

DBが提供する割引制度「BahnCard(バーンカード)」は、列車チケット購入時にカードの種類に応じた割引を受けられる仕組みで、頻繁に鉄道を利用する人にとって大きなメリットとなっています。

  • BahnCard 25
    長距離列車のフレックス運賃および割引運賃が25%割引
  • BahnCard 50
    フレックス運賃が50%割引、または割引運賃が25%割引
  • BahnCard 100
    ドイツ全土の列車や多くの公共交通機関が1年間乗り放題(Deutschlandticketも無料発行)

BahnCardは原則1年間有効で、利用開始日は自分で指定できます。また、3か月間有効のお試し用「Probe BahnCard」も用意されています。さらに、26歳以下向けの「My BahnCard 25/50」や、65歳以上向けの「Senioren BahnCard 25/50」など、年齢別に価格を抑えたカードもあり、1等車用・2等車用で料金が異なります。

さらに、BahnBonusというポイント制度も導入しています。チケットやBahnCardの購入、車内レストランの利用などでポイントが貯まり、1,000ポイント以上で無料乗車券をはじめとするさまざまな特典と交換が可能です。

他にも、2023年5月からドイツ全土の公共交通機関で利用可能な月額制チケット「Deutschlandticket」を導入しました。急行列車のRE (Regional-Express)を含むバス、トラム、地下鉄、Sバーン、などで利用でき、乗り放題です。

2025年1月から料金が月額49ユーロから58ユーロに改定され、さらに、2026年1月には月額63ユーロに改定されます。長距離列車のIC、EC、ICEなどには利用できないため、旅行ではなく、日常的に使う定期券のような存在と言えます。

ヨーロッパでも珍しい本格的な食堂車が連結

高速列車ICEには、Bordrestaurant(食堂車)、またはBordbistro(ビストロ車)が連結されています。Bordrestaurantはテーブル席があり、着席して食事ができる通常のレストランと同じように車内スタッフがサービスを行います。メニューは肉や魚などの温かいメニュー、ベジタリアンやヴィーガン対応のメニュー、ワイン、ビールといったアルコールも充実しています。

Bordbistroは、立食テーブルのみとなっており、カウンターで注文し、自分の席に持ち帰って食べれるか立食用のハイテーブルを利用することが出来ます。サンドイッチ、スープ、カレーなどの軽食が中心となっており、アルコール類も提供しています。

Bordrestaurant、Bordbistroともに食品の50%以上が、ベジタリアンまたは植物由来のメニューとなっています。例えば、代替肉製品、ベジタリアンスナック、オーガニックのオーツ麦ベースのポリッジなどを導入し、牛乳の代替としてオーツドリンクを提供しています。季節限定メニューにおいては、可能な限り100%オーガニック食材を使用し、コーヒー、紅茶、ホットチョコレートにおいては、100%フェアトレード製品のみを提供しています。

テーブル席に座り、窓の景色を見ながら温かい食事やアルコールを嗜むことができると同時に、持続可能なフードメニューを選択することによって、環境に優しい旅路が実現するのです。

デジタル化が進む一方で深刻化する列車の大幅な遅延やキャンセル


ドイツでは、DBに限らず、Sバーン、Uバーン、バス、トラムなど複数の交通機関を、ひとつのアプリやウェブサイトで検索、予約、決済できる仕組みが整っています。乗り換えの際に切符を買い直す必要もほとんどなく、デジタル化による利便性は日本より進んでいると言えるでしょう。

一方で、列車の大幅な遅延や運休、ストライキ、長期工事が頻発し、観光客のみならず、国民からも批判の声が多く上がっています。最大の要因は、鉄道インフラの老朽化です。修繕が必要な鉄道橋が多く、信号機や信号ボックスの故障、ポイント破損が相次ぎ、安全確保のため各地で速度制限が設けられ、安定した運行が難しくなっています。さらに、ドイツの鉄道網では貨物列車と旅客列車が同じ線路を共有しており、これも定時運行を妨げる要因の一つとなっています。

こうした状況を打開するため、DBは2024年から大規模改革プロジェクト「Neues Netz für Deutschland」を開始しました。2030年までに、旅客と貨物輸送の中核となる40の主要路線、総延長4,000km以上を全面改修する計画です。従来の部分補修を続けながらの運行とは異なり、主要路線を一定期間完全に閉鎖し、集中的に工事を行うという大きな方針転換が取られています。すでにフランクフルト〜マンハイム間では工事が始まっています。

しかし、この大規模改修には批判も多く、特にフランクフルト〜マンハイム間の約5か月に及ぶ完全運休は影響が大きく、代替ルートの輸送力不足により、物流企業や一般利用者から不満の声が上がっています。

あわせて、デジタル信号システムETCSの導入も進められており、列車位置のリアルタイム把握による効率的な運行管理が期待されています。DBは2027年までに約860億ユーロを投資し、2025年までに長距離列車の定時運行率を80%まで引き上げることを目標に掲げましたが、異常気象の影響も重なり、遅延状況は悪化しました。DBの発表によると、今年上半期に大幅な遅延なく到着した長距離列車は62.7%にとどまり、前年同期から約6%低下しました。

最後に

飛行機より列車の旅が好きな筆者自身もICEを何度も利用したことがあります。キャンセルに遭ったことはないですが、遅延やプラットホームの変更、何かしらのトラブルで途中停車など、何の問題も起きず、時間通りに運行したことの方が圧倒的に少ないのが現状です。

しかし、広々とした座席で快適に過ごせ、安定したインターネット環境も整っているため、長時間の移動でもストレスを感じません。車窓から流れる風景を眺めながら移動でき、運が良ければ息をのむほど美しい朝日や夕焼けに出会えることもあります。列車を選ぶことは環境への配慮にとどまらず、移動そのものを楽しみ、記憶に残る体験を得られるという確かなメリットがあります




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