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レシートの電子化が森林伐採と生物を救う|環境へのメリットは?

2024 9/25
環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)
SDGs リサイクル 気候変動 環境問題
2022-3-82024-9-25
紙レシートの電子化が森林伐採を救う

買い物をする際に発行されるレシートですが、ほとんどの人は金額を確認すれば捨ててしまうのではないでしょうか?必要ないと断った場合も、不要レシートとして誰にも見られずゴミとなっています。しかし、捨てられたレシートは作成する過程で森林が伐採され、多くの水を使用し、さらにゴミになることで焼却時に二酸化炭素を排出しています。とっても勿体無いと思いませんか?私たちは再度「レシートは本当に紙である必要があるのか」一度立ち止まって考えてみる必要があるかもしれません。

目次

電子レシートとは

電子レシート

電子レシートは、紙のレシートを電子化することで、店舗での紙レシート配布を不要にするペーパーレスのサービスです。会計時にレシートをスマートフォンにデータとして送信する仕組みであり、政府が推進するキャッシュレス施策の一環として注目されています。経済産業省が実証実験を行ったことから、さらに注目が集まっています。

次に電子レシートの仕組みや使い方、経済産業省の実験結果や導入事例について解説します。

電子レシートの仕組み

電子レシートは、従来の紙レシートを電子化し、スマートフォンを通じて発行するシステムです。消費者はスマホにアプリをダウンロードし、会計時にレジでアプリを読み込んでもらうことで、レシート情報がスマホに送信されます。

個人の購買データの活用

電子レシートが目指すのは、個人を中心とした購買データの活用です。電子レシートにより個人の購買履歴が蓄積されることで、家計管理が簡単になり、企業は個人の許可を得た上で、そのデータを活用できます。これにより、正確な消費者の理解や商品開発が進むと期待されています。

電子レシートの使い方

電子レシートの導入は簡単で、以下の4つのステップで利用できます。

  1. アプリのダウンロードと会員登録
  2. レジでバーコードを提示
  3. 支払いの完了
  4. スマホアプリでレシートの確認・管理

アプリをダウンロードし、買い物時にバーコードを提示するだけで、レシートがスマホに保存され、いつでも確認できるようになります。さらに、家計管理や他サービスへのデータ提供も可能です。

レシートによる環境負荷

イギリス - 1年間のレシート生産における環境負荷
引用:イギリス – 1年間のレシート生産における環境負荷

イギリスを例に取り、それぞれの環境負荷や問題点について見ていきます。

原料の木材に関して

イギリスでは、1年間で112億以上のレシートを発行しており、毎年約20万本もの木を伐採。2万8000トンの二酸化炭素を排出しています。木は光合成を行うだけでなく、大気のほこりや花粉を吸着することで自然環境を安定させるなど、さまざまな役割を担っています。これらの木を伐採せずに残すことで、年間4,000トンの地球温暖化の緩和につながります。

水資源に関して

イギリスだけで年間おおよそ16億リットルが使用されていると推測されており、これは150万人が1年間に十分に飲むことのできる水量に相当します。つまり、私たちはレシートを捨てると同時に、大切な水資源も無駄にしてしまっていることになります。

廃棄の問題

レシートは「感熱紙」という熱が伝わると黒く印字される特殊なインクが表面に塗られているため、リサイクルすることができません。

しかし、中にはそれを知らずにレシートをトイレットペーパーなどにリサイクルしてしまう企業が存在します。それらのトイレットペーパーが流されることでBPAによる水質汚染が起きています。このBPAについては次の項目でご紹介しています。

化学薬品の使用

レシートの表面はビスフェノールA(BPA)またはビスフェノールS(BPS)と呼ばれる化学物質で加工されています。イギリスでは、年間120トンを超えるBPAが使用されていると推定されています。これらは体内に吸収されることで、生殖機能障害や二型糖尿病、甲状腺疾患などをおよぼす危険性があると指摘されており、私たち人類だけでなく生き物にとっても深刻な問題となっています。

スマートレシート導入事例

これらの問題を受け、電子レシートの発行を行う企業や、決まった時間内にレシートが必要というボタンを押さないと発行されないシステムの導入など、レシートのペーパーレス化が進んでいます。

お隣韓国と国内の導入事例についてご紹介します。

韓国の導入事例

韓国では、紙のレシートではなく電子レシートを受け取ることで100ウォン(およそ10円)返金される仕組みが構築されています。これまで返品手続きや購入証明は紙のレシートでしか認められませんでしたが、法律の変更により電子レシートでも認められるようになりました。しかし、なかなか消費者の行動には繋がらなかったため、キャッシュバックという取り組みを導入したそうです。

国内での導入事例

国内では昨年2021年の12月から、コンビニのミニストップが全店舗に電子レシートシステム「スマートレシート」を導入しています。ミニストップアプリ、またはスマートレシートアプリをダウンロードして利用する必要がありますが、13ヶ月分のレシートが確認できるだけでなく、自動的に9種類の品目に振り分けられるので買い物の傾向を把握することも可能です。

電子レシート導入のメリットとデメリット

電子レシート

企業や消費者が実際に電子レシートを導入することのメリットとデメリットについてそれぞれご紹介します。

メリット

消費者側のメリットとして、以下の二つがあげられます。

ペーパーレス化

買い物のたびに紙のレシートを受け取り、財布がレシートでいっぱいになってしまう経験がある人は多いでしょう。電子レシートを利用すれば、紙のレシートを発行せず、電子データとしてアプリ内に保存されるため、ペーパーレス化が簡単に実現できます。

電子データなので、長期間放置してもレシートがクシャクシャになったり、インクがかすれて読めなくなる心配もありません。

購買記録が残る

紙のレシートは整理や保管が面倒で、紛失することもありますが、電子レシートならすべてスマホ内に保存されるため、紛失のリスクがありません。いつでもどこでも過去の購買記録を確認でき、家計管理もスムーズに行えます。

店舗側のメリットとしては以下の3つがあげられます。

コスト削減

電子レシートを導入することで、紙やインクの費用を削減でき、長期的に見れば大幅なコスト削減が期待できます。また、紙レシートを発行する機械の故障リスクもなくなるため、修理費用も削減可能です。さらに、紙レシートをお客様に渡す手間も省け、費用だけでなく労力面でもメリットがあります。

データの活用

電子レシートのデータは店舗側にも保存され、消費者の購買傾向を分析することで売上アップに活用できます。特定の顧客に向けたセールやキャンペーン情報の発信など、広告の費用対効果も向上させることができます。

レシート広告の効果向上

レシート広告は、レシートの余白を広告スペースとして活用する手法で、現在広く利用されています。しかし、紙のレシートはその場で捨てられてしまうことも多く、消費者に見てもらえないケースが少なくありません。

一方、電子レシートでは、カラフルで目を引くデザインの広告を掲載でき、消費者の注目を集めやすくなります。さらに、購入履歴データを基に消費者の購買傾向に合った広告を表示することができ、紙レシートでは伝えきれない情報量も含めてアプローチが可能です。これにより、マーケティングの視点からも紙レシート以上の広告効果が期待されます。

デメリット

電子レシートのデメリットは以下の4つがあげられます。

日本のPOSレジ市場における寡占化と電子レシート普及の課題

日本のPOSレジ市場は、東芝テック(40%以上のシェア)を中心に、NEC(23.7%)や富士通(13.15%)といった大手3社が市場の80%以上を占めている寡占状態です。特に、東芝テックはセブンイレブンやイオンなどの大手スーパーやコンビニで広く採用されています。

一方、個人商店ではコストの問題から、安価なレジを選ぶケースも多く、電子レシートの導入にはコスト負担が大きいという課題があります。

電子レシートとプライバシーの課題

電子レシートは、購買行動を詳細に把握できる仕組みを強化しており、従来のクレジットカード明細よりも正確なデータを提供します。しかし、その詳細なデータが外部に販売・提供される可能性があるため、個人のプライバシー保護が大きな課題となっています。

現在、経済産業省は東芝テックと博報堂と協力して実証実験を進めており、プライバシー保護機能を強化する試みが進んでいます。ユーザーはアプリ上で提供する情報の範囲を制限できる仕組みが導入され、プライバシーリスクを軽減する対策が取られています。

保管期間の制限

一部のアプリでは、電子レシートの保管期間が制限されており、一定期間を過ぎると閲覧できなくなる場合があります。過去のレシートを参照する必要がある場合は、スクリーンショットやプリントアウトなどで保存しておくことが推奨されます。

インターネット回線の影響

電子レシートの発行にはインターネット環境が不可欠です。そのため、回線の不具合が発生した場合、レシートの発行が遅れたり、できなくなったりして、顧客に待ってもらう必要が生じることがあります。

最後に

近年、企業や公共団体における電子化が進んでいます。電子レシートもその一環として、消費者の購買プロセスの電子化と見なすことができます。電子レシートは、ペーパーレス化や非接触決済を実現し、利便性や安全性を高める仕組みです。多少のコストやリスクが伴う場合でも、電子レシートは新しい生活様式の一つとして、有意義な選択肢と言えるでしょう。

普段あまり気に止めないレシートですが、森林伐採や水資源の利用を通じて環境負荷をかけていること、そして私たちの健康も脅かされるかもしれません。一人一人が発行しているレシートの量は少ないかもしれませんが、1日にコンビニを利用する人の数を想像すると、決して少なくないなと感じるのではないでしょうか。紙である必要があるのか、考える必要があると思いませんか?

そんなことを思いながら、先日LUSHへ行ったところ嬉しい発見をしました。現金で支払った場合に限り、レシートを断ると発行されない機械が全国の店舗で導入されていることを教えていただきました!

これまでのシステムをやめて、電子レシートに変更することに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今は電子マネーを利用する人も増えているので、電子レシートは受け入れられやすいのではないかと感じます。

小さな変化かもしれませんが、多くの企業が変わることで大きな変化をもたらせると信じています!

参照:
Beat The Receipt
“If you receive an e-receipt, 100 won”… Reduce carbon and get your money back
MINISTOP:電子レシートはじめました

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