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スポーツツーリズムとは?観光×スポーツで地域を活かす新潮流

2025 10/03
リジェネラティブツーリズム
ウェルビーイング スポーツ 持続可能な観光
2025-10-22025-10-3
スポーツツーリズムとは?観光×スポーツで地域を活かす新潮流

近年、スポーツを「観る・する・支える」ことを通じて地域の魅力を再発見し、観光と結びつける「スポーツツーリズム」が注目を集めています。

スポーツは観光客を呼び込むだけでなく、人と人をつなぎ、地域に誇りや一体感を育む力も持っています。観光だけでなく、地域や参加者との交流を生み出すことができるのが、スポーツツーリズムの大きな魅力です。

そのスポーツツーリズムはどのように定義され、政策に位置づけられているのでしょうか。

この記事では、スポーツツーリズムの形態や事例、政策の動き、そして実務者が押さえておきたいポイントを整理しました。

目次

1. スポーツツーリズムの4つの形態

スポーツツーリズムとひと口に言っても、その形はさまざまです。

国際的な研究では「観戦型イベント」「参加型イベント」「アクティブスポーツ」「ヘリテージ(遺産)」の4つに分類され、それぞれ異なる旅行者層や地域資源と結びついています。

大規模な国際大会から日常的なスポーツ体験、歴史や文化を感じる旅まで、多彩なスタイルが存在します。

以下に、4つの形態と事例を紹介します。

観戦型イベント(Event Sport Tourism – Spectator)

観戦型イベント(Event Sport Tourism – Spectator)

オリンピックやワールドカップのようなメガイベントから、プロリーグの試合観戦まで「観ること」を目的とするツーリズム。

観光と組み合わせることで都市ブランドの向上や経済効果が期待されます。

事例

  • 1992年バルセロナ五輪では都市イメージ刷新に成功し、宿泊者数が10年間で約2倍に増加。ビジネス目的より休暇目的が増えました。
  • 毎年夏に開催される自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」。沿道や開催地では宿泊や飲食の需要が高まり、短期的な経済効果に加え、地域ブランドや観光イメージの向上にもつながっています。
  • 東京2020オリンピック・パラリンピックでも、巨額の経済波及効果とともに、ホストタウン制度を通じて全国各地に交流や観光需要が広がりました。

参加型イベント(Event Sport Tourism – Participant)

参加型イベント(Event Sport Tourism – Participant)

マラソンやトライアスロン、サイクリング、スキー大会など、旅行者自身が競技やイベントに「参加する」ことを目的とするツーリズム。

体験型要素が強く、滞在や消費が伴いやすいのが特徴です。

事例

  • 日本人ランナーに人気のホノルルマラソンは、海外旅行を動機づける典型例です。
  • 日本国内でも東京マラソンや大阪マラソンが観光需要を押し上げ、大会後の観光・買い物・温泉利用が消費拡大につながっています。

アクティブスポーツ(Active Sport Tourism)

アクティブスポーツ(Active Sport Tourism)

競技会ではなく、旅行者がレクリエーションとして「スポーツをする」ことを目的とするツーリズム。

トレイルランや登山、サーフィン、スキー、ラフティングなどが該当します。

事例

  • 徳島県の吉野川ラフティングは、大会開催に加え、日常的な体験として観光資源に定着しました。
  • 北海道のニセコ地域では、ウィンタースポーツを目的に訪れる観光客のリピート率向上に大きく寄与しています。
  • スウェーデン発祥の「プロギング」は、ジョギングしながらごみを拾うユニークなフィットネス活動です。現在では世界40カ国以上に広がり、参加者同士の交流の場としても注目されています。

ヘリテージ(Heritage Sport Tourism)

ヘリテージ(Heritage Sport Tourism)

歴史や文化に根ざしたスポーツやその遺産に触れるツーリズム。

競技場や殿堂、伝統武道など「文化遺産」としてのスポーツに関連した観光が含まれます。

事例

  • 柔道・空手・相撲といった武道ツーリズム。外国人旅行者が体験を求めるだけでなく、伝統や「真正性」をどう伝えるかが課題とされています。
  • 甲子園球場や国立競技場のスタジアムツアー、オリンピック施設の見学もヘリテージ型に分類されます。

2. なぜ今スポーツツーリズムか

スポーツツーリズムは、単に観戦や参加を目的にした旅行にとどまらず、自然や伝統文化と組み合わせることで地域の魅力を高める新しい観光のかたちです。

その注目の背景を、世界的な潮流、日本の政策と市場、そして地方創生との親和性から見ていきます。

世界的な潮流と市場規模

Expedia Groupは2025年4月スポーツツーリズムに関する分析結果を発表しました。[1] 特に重要なポイントは以下の4点です。

  • 世界の観光支出の約10%をスポーツツーリズムが占め、2032年には約196兆円規模に拡大するとの予測があります。
  • 若年層の旅行者では特に人気が高く、16〜34歳の56%がスポーツ観戦やイベントを目的に海外旅行する意向を持っています。
  • 女子スポーツ観戦の人気や、多様な競技・体験型イベントへの関心拡大も顕著です。
  • 観戦旅行者の多くが開催地だけでなく周辺地域にも滞在し、“周遊型の旅行”を生み出しています。

日本におけるスポーツツーリズム

日本では、政策的な後押しとともに市場の広がりが加速してきました。特に東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に、スポーツと観光を結びつける取り組みが全国に拡大し、地域経済や国際交流にも波及しています。

2020年に発表された「ポスト東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のスポーツツーリズム政策」をもとに、その変遷を整理しました。[2]

  • 2010年観光庁「ニューツーリズム」、2011年「スポーツツーリズム推進基本方針」、2012年JSTA設立と政策的な後押しが続き、2015年スポーツ庁設立で地域経済との結びつきが強化されました。
  • 2017年「第2期スポーツ基本計画」では、訪日外国人スポーツ旅行者250万人、関連消費3,800億円という数値目標が設定されました。
  • 東京2020大会は巨額の経済効果をもたらしただけでなく、ホストタウン制度を通じて地域に交流人口と観光需要を生み出しました。
  • スキーや登山、サイクリングなどのアウトドアスポーツや、柔道・空手・相撲といった武道ツーリズムも重点分野となり、地方の資源と直結しています。

さらに、文部科学省の「スポーツ振興基本計画」では、スポーツを通じて住民が交流や達成感を共有することが、地域の一体感や活力を生み、社会の再生につながると明記されています。

つまりスポーツツーリズムは、観光政策だけでなく、地域政策とも直結するテーマなのです。

地方創生との親和性

スポーツツーリズムは単なる観光振興にとどまらず、人口減少に悩む地域にとって「交流人口」を拡大する有効な手段として位置づけられています。国の地方創生政策と連動し、自治体が独自に仕組みをつくり始めた例も増えています。

2023年3月に発表された「地方創生に向けたスポーツツーリズムの推進状況: スポーツコミッションによる交流人口増加策に着手した矢板市の事例」を参考に、地方創生におけるスポーツツーリズムの可能性をまとめました。[3]

  • 2014年以降の「地方創生」政策とも連動し、交流人口拡大の手段としてスポーツツーリズムが重視されています。
  • 栃木県矢板市は2016年に「創生総合戦略」を策定し、交流人口200万人、スポーツ交流人口20万人を目標に掲げました。2018年には「矢板スポーツコミッション」を立ち上げ、合宿・大会の誘致や報奨金制度、特産品提供を通じて地域消費拡大を図っています。
  • 国の交付金に依存する体制から、地域住民や事業者を巻き込んだ持続可能な仕組みづくりが今後の課題です。

3. スポーツツーリズム企画のポイント

スポーツツーリズムは、地域に眠る資源を“新しい観光のかたち”として引き出すチャンスです。宿泊業や旅行会社にとっても、他にはないオリジナル商品を企画できる絶好の分野といえます。

ここでは、実務者が企画を考える際に押さえておきたい視点を整理しました。

スポーツツーリズム企画のメリット

  • 新たな顧客層獲得:スポーツ好き、外国人、健康志向の旅行者、アウトドア好きなど、通常の観光とは異なる層を呼び込める。
  • 滞在日数・消費額の増加:スポーツイベントや大会参加に伴い、複数泊+飲食・体験などの消費拡大が期待できる。
  • 地方の稼働率アップ:オフシーズンや閑散期に開催することで宿泊施設の稼働を底上げできる。
  • 地域ブランディング・交流人口拡大:地域の「顔」や「物語」を発信する機会となり、特産品や農業などへの波及効果も期待できる。

これらのメリットを知ると「自分の地域でも試してみたい」と思えてきませんか? では、どんな視点で企画を考えればよいのでしょうか。具体的な着眼点を紹介します。

企画の着眼点

  • 地域資源の発掘と掛け合わせ:スポーツ施設がなくても、自然環境や文化資源を生かせば「○○スポーツツーリズム」が可能。例:山=トレイルラン、海=マリンスポーツ。
  • 顧客層に応じた商品設計:スポーツツーリズムの4形態のいずれかを選び、国内客かインバウンドかに応じてパッケージや価格を調整。
  • 情報発信とマーケティング:多言語対応やSNS・口コミを活用し、イベント日程と宿泊・観光をセットで見せる工夫が鍵。
  • 受け入れ体制の整備:交通アクセス、施設、宿の質、安全・保険など。特にインバウンドでは多言語案内や決済環境が差になる。
  • コスト・収益の見通し:イベント開催コストや人件費と、宿泊・飲食・物販などによる収益を比較検討。
  • 持続可能性とリスク管理:オフシーズン問題、環境負荷、地域住民との摩擦、コロナ禍のような外的リスクに備える。

まとめ

スポーツツーリズムは「大規模イベント」だけのものではありません。観光需要を生み出すと同時に、スポーツを通じて地域の人々が一体感を醸成し、新たな価値への意識変容を促す力を持っています。地域の日常的な資源をスポーツと結びつけることで、小さな企画でも魅力あるツーリズムが生まれるのです。市場は拡大傾向にあり、政策的な後押しも受け、意欲的な旅行者層も存在しています。

実務者にとって重要なのは、自分の地域の強み(自然、伝統、施設など)を棚卸し、「観戦」「参加」「アクティブ」「ヘリテージ」のいずれか、または複合型で企画すること。情報発信と受け入れ体制を整え、小さく始めて経験を積むことが、持続的なスポーツツーリズムの第一歩となるでしょう。

参考文献

[1]Expedia Group

[2]ポスト東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のスポーツ ツーリズム政策

[3]地方創生に向けたスポーツツーリズムの推進状況: スポーツコミッションによる交流人口増加策に着手した矢板市の事例




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