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持続可能を超えて再生へ|Gondwana Ecotoursのリジェネラティブツーリズムの可能性

2025 10/29
リジェネラティブツーリズム
サステナブルツーリズム 企業事例 持続可能な観光
2025-11-10
画像出典:Gondwana Ecotours

観光をビジネスとして持続可能にしていくには、どのような仕組みが必要なのでしょうか。環境への負荷や地域住民との関係など多くの課題に直面する中、Gondwana Ecotours(ゴンドワナ・エコツアーズ)は、環境負荷をなくす(カーボンニュートラル)ことや少人数ツアー、地域との連携を通じて「責任ある旅」を実現しています。

本記事では、Gondwana Ecotoursの取り組みを通して、観光産業の課題と解決策、そして今後の事業づくりに活かせるヒントをご紹介します。

目次

Gondwana Ecotours(ゴンドワナ・エコツアーズ)とは?

画像出典:Gondwana Ecotours

Gondwana Ecotoursは、持続可能な旅と世界各地の大自然や文化を組み合わせた、小規模グループ対象のツアーを展開する旅行会社です。[1]アメリカ・ニューオーリンズに本社を置き、アラスカ州ホーマーを拠点として事業を運営しています。

創業者のジャレッド・スターンバーグは、青年期より世界各地でボランティア活動と旅を重ね、環境や地域社会への貢献は旅の本質だと考えるようになりました。会社名は、地球の大陸が一つだった時代の「ゴンドワナ大陸」に由来し、異なる地域や文化をつなぎ直すという想いが込められています。

Gondwana Ecotoursには、現地ガイドや運営メンバーが揃い、世界各地の自然と文化を体験するツアーを提供。環境負荷・地域社会への還元に徹底的にこだわり、持続可能な旅の価値観を実践し続けています。

Gondwana Ecotours設立の背景

観光産業は成長を続ける一方で、さまざまな課題に直面しています。Gondwana Ecotoursの創業者であるジャレッド・スターンバーグは、世界各地を旅するなかで、観光が地域社会に及ぼす深刻な影響を目の当たりにしました。大量の観光客による環境破壊や地域コミュニティへの負荷は、業界全体が向き合うべき重要な問題となっています。

一方で、旅を通じて社会や自然に良い影響を与えたいという人々のニーズも年々高まっています。こうした背景の中、観光産業には「環境への配慮」だけでなく、「訪れた場所をより良くしていく」という視点――リジェネラティブツーリズム(再生型観光)への転換が求められるようになりました。

Gondwana Ecotoursは、その理念を実践に移し、単なるエコツーリズム(自然環境への配慮を重視した観光)を超えて「環境再生型の旅」を提供する先駆的な存在として、業界に新しい基準を提示しています。

従来の観光産業が抱える課題

観光地の受け入れ能力を超える訪問者数の増加により、従来の観光産業は以下のような課題を抱えています。

【環境破壊】
オーバーツーリズムにより、土壌浸食や汚染、自然生息地の破壊が進んでいます。特に、熱帯雨林やサンゴ礁など、デリケートな生態系への影響が深刻です。

【インフラへの過大な負担】
大量の観光客によって、水不足、廃棄物処理能力の限界、交通渋滞といった問題が発生しています。

【地域住民への影響】
観光開発による物価上昇や立ち退きが起こり、地域コミュニティの文化やアイデンティティが失われることがあります。

こうした課題は、持続可能な観光モデルへの転換が急務であることを示しています。
訪れる場所の魅力を守りながら、観光を継続していくための新しいアプローチが求められているのです。

持続可能な旅行への社会的ニーズの高まり

持続可能な旅行への社会的関心は急速に高まっており、訪問先をより良い状態にすることを目指す「リジェネラティブツーリズム」という新しい概念も注目されています。この考え方は、単に環境への害を最小限に抑えるだけでなく、訪問先の生態系や地域コミュニティを積極的に改善することを目指しています。

Booking.comの2023年の調査では、2/3の旅行者が訪問先をより良い状態で残したいと考えていることが明らかになりました。[2]

リジェネラティブツーリズムの主な柱は以下の3つです。

【自然環境の回復】
自然の回復や生き物の多様性を守ること

【地域住民の関与】
地域住民が積極的に関わり、意思決定に参加できる仕組みを作ること

【文化の尊重】
地域の文化を大切にしながら、その魅力を深めていくこと

この考え方は、旅行を通じて訪れる場所を「より良くする」という観光の新しいあり方を示しています。観光客も旅を楽しみながら、地球や地域社会に良い影響を与えることができるのです。

Gondwana Ecotoursの特徴

画像出典:Gondwana Ecotours

Gondwana Ecotoursは、環境負荷の軽減と地域社会への貢献を両立するサステナブルツーリズムの先進企業です。全てのツアーはカーボンニュートラル*を達成しており、地域コミュニティとの連携も重視しています。観光収入が直接現地経済や自然保護活動に還元される仕組みを確立し、少人数制ツアーによる質の高い体験を提供。地域NGOへの支援も年間を通じて継続しています。

※カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収・除去量を同じにすることで、全体としての排出量をゼロにする考え方。どうしても出てしまう温室効果ガスを、植林などによって吸収することで埋め合わせ、全体としてゼロにすること。

カーボンニュートラルへの徹底的なコミットメント

Gondwana Ecotoursは、全てのツアーを100%カーボンニュートラルで運営しています。設立初期から徹底したカーボンオフセット*を実施し、2021年以降は参加者のフライト分まで含め、検証可能な形でCO2排出量をゼロにする仕組みを確立しました。これによって、地球環境への影響を最小限に抑える旅行が可能。Gondwana Ecotoursは、環境配慮の精神が企業活動に根づいています。

※カーボンオフセット:自らの活動によって排出されたCO2などの温室効果ガスのうち、削減が難しい分を、他の地域での排出削減や吸収によって相殺(オフセット)する仕組み。

地域コミュニティとの深いパートナーシップ

Gondwana Ecotoursは、現地コミュニティと以下のような長期的な協力関係を築いています。

【雇用創出】
地域住民に新たな働く場と収入機会を生み出す

【経済還元】
旅行者が支払うツアー料金は、地域経済に直接還元

このような取り組みによって、Gondwana Ecotoursは持続可能な観光モデルとして高い評価を受けています。

小グループツアーによる質の高い体験

Gondwana Ecotoursは、少人数制のツアー運営にもこだわっています。各ツアーの参加者数を最大8~20名程度に制限することで、手厚いガイドサポートと安全・安心な環境の提供しています。小規模グループならではの細やかな体験が魅力となり、旅行者一人ひとりの満足度や学びの深さを重視しているのが特徴です。

地域NGOへの継続的な支援

Gondwana Ecotoursは、ツアー収益の一部を訪問地域のNGO(非営利団体)へ寄付しています。自然保護や野生生物保護の活動を継続的にサポートすることで、観光産業が直接的に地域コミュニティや自然環境の改善に貢献しています。参加者は旅を通して社会的意義や持続可能な未来について考えるきっかけも得られるでしょう。

Gondwana Ecotoursのツアー例

Gondwana Ecotoursは、地球の多様な自然や地域文化を体験できるサステナブルツアーを展開しています。各ツアーは少人数制で、深い地域密着と環境配慮が特徴です。多彩なエコアドベンチャーを通じ、絶滅危惧種や壮麗な景観に触れながら、新たな気付きを得られる機会を提供しています。

オーロラ観察アドベンチャー

画像出典:Gondwana Ecotours

最も人気の高いツアーの一つが、アラスカ州フェアバンクスでの「Northern Lights Adventure」です。このツアーでは、オーロラ観察を中心として、犬ぞり体験やトナカイとの触れ合い、温泉入浴、カーリング体験など、アラスカの文化と自然を総合的に体験できます。

参加者は地元の家族経営ロッジに宿泊し、専門のオーロラガイドが最適な観察条件を判断して夜間の観察ツアーを実施。このツアーは、自然現象の観察だけでなく、アラスカの生活文化への深い理解を促進する教育的価値の高いプログラムとして評価されています。

グリズリーベア観察ツアー

画像出典:Gondwana Ecotours

「Glaciers & Grizzlies Adventure」では、小型飛行機に乗り、人里離れたアラスカの国立公園へ移動します。このツアーでは、広大な自然の中でグリズリーベアの食事・遊び・親子のふれ合いなど、野生そのままの行動を安全な距離でじっくり観察が可能。

参加者は熟練のネイチャーガイドによる案内のもと、ベアウォッチングだけでなく、動物の生態やその保護の必要性も学びます。野生動物と人間の共存や生態系のバランス保持の大切さを体験を通じて理解できるツアーです。

ルワンダでのゴリラトレッキング

画像出典:Gondwana Ecotours

ルワンダの「Gorillas, Chimps & National Parks Adventure」は、絶滅危惧種のマウンテンゴリラとの遭遇を中心とした5日間または10日間のツアーです。参加者はボルケーノ国立公園で、人類に慣れたゴリラの家族を間近で観察し、その体験を通じて野生動物保護の重要性を学びます。

このツアーには、ゴールデンモンキー観察やチンパンジートレッキング、キガリでの料理教室、キブ湖でのカヤック体験などが含まれ、ルワンダの自然と文化を包括的に体験できます。

タンザニアでのサファリ体験

画像出典:Gondwana Ecotours

セレンゲティ国立公園では、毎年数百万頭のヌーやシマウマが大草原を横断するグレート・ミグレーションを間近で観察することが可能です。朝夕のゲームドライブでは、ゾウやライオン、チーターなどが水辺に集まる様子を静かに見守ることができます。

経験豊富な現地ガイドが生態系の成り立ちを解説し、撮影ポイントや安全な観察方法を案内。宿泊は公園内ロッジやテントキャンプを利用し、夜空に満天の星を仰ぎながら環境保全の取り組みを学ぶ場ともなります。エコツーリズムの収益は地域保全活動や住民支援に還元され、参加者は自然保護と地域振興を両立させた旅を体験できます。

まとめ

Gondwana Ecotoursは、カーボンニュートラルの徹底や小規模ツアーによる質の高い体験、地域と連携した仕組みづくりなど、観光産業が直面する課題に対して具体的な解決策を示しています。環境への配慮や地域への還元がますます重視される今、Gondwana Ecotoursの取り組みは持続可能な観光の実践例として大いに参考になります。自社のサービスや企画にも、こうした「責任ある旅」の要素を取り入れたいと考えている事業者にとって、同社の取り組みは大きなヒントとなるでしょう。

参考文献

[1]Gondwana Ecotours 公式ホームページ

[2]Booking.com|How we travel: a look at sustainable travel habits




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