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ニュージーランド議会の「抗議のハカ」から学ぶ|文化の生きた力と進化・再生

2025 7/14
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社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
サステナブルツーリズム リジェネラティブツーリズム 持続可能な観光 文化
2025-6-242025-7-14
ニュージーランドの国旗

ニュージーランドの基礎を成す重要な文書であり、マオリの権利の根幹でもある「ワイタンギ条約」。

この条約の解釈を再定義しようとする法案に対し、ニュージーランド国会のマオリ議員たちが、議場で抗議の意を示すために伝統の「ハカ」を披露したことが、世界的に報じられました。

この記事では、リジェネラティブ*という視点から、文化や社会との関わりを深く考える上で、このマオリ議員たちによる「抗議のハカ」が持つ意味を紐解いていきます。

※リジェネラティブ:環境や私たちを取り巻く社会のシステムなどに対し、現状維持や負荷の低減に留まらず、その健全性や活力を積極的に再生・向上させ、より良い状態にして未来へつないでいこうとする考え方

■タイトル
Maori MPs Perform Protest Haka 
ニュージーランド議会紛糾 抗議のハカ踊る

■英文
Maori members of New Zealand’s parliament staging a haka to disrupt the vote on a bill that many claim would undermine their rights. The measure is based on an 1840 treaty between the British Crown and Maori chiefs. This bill would limit interpretations of the treaty, and some argue it’s led to discrimination against nonindigenous citizens. Protests are ongoing across the country, but with little support from political parties, the bill is unlikely to become law.(November 15, 2024)

■和文
ニュージーランド国会のマオリの議員たちは、多くの人が彼ら(マオリ)の権利を損なうものになると主張しているある法案の採決を妨害するため、「ハカ」を歌い踊る。この法案は、イギリス政府とマオリの首長たちとの間で1840年に締結された条約に基づくものだ。

今回の法案は(もし可決されれば)その条約の解釈を制限するもので、(逆に)非先住民の方に対する差別につながっていると主張する人もいる。抗議活動は全国で続いているが、政党からほとんど支持を得ておらず、この法案が法律になる可能性は低い。  

(出典: CNN English Express 2025年2月号)

■クイズ
Who staged the haka?

A) Maori chiefs
B) Protesters across New Zealand
C) Nonindigenous citizens
D) Some members of parliament          
                    

正解:D

目次

文化は「生きている」

ニュージーランド国会でマオリ議員たちが披露した「ハカ」。それは、自らの権利の根幹である「ワイタンギ条約」に関わる法案への強い抗議であると同時に、彼らの文化とアイデンティティが現代において持つ力の表明でした。

この出来事が鮮やかに示すのは、文化が単なる過去の遺産なのではなく、今を生きる人々のアイデンティティや権利と不可分に結びつき、社会に働きかける「生きた力」であるという事実です。

歴史と権力関係への理解

歴史と権力関係への理解

今回のハカの背景には、1840年に締結されたワイタンギ条約の解釈を巡る、長く複雑な歴史と、それが現代社会に及ぼす根深い影響が存在します。条約締結の経緯やその後の不平等な権力関係の歴史を知ることが、この出来事の本質を理解する上で重要です。

このような、異なる文化間の関係や力関係を形作ってきた歴史的背景(特に植民地支配や権利を巡る闘争の歴史など)は、世界中の多くの地域に見られます。その土地固有の歴史を学ぶことは、私たちが無意識のうちに相手の尊厳を傷つけることを避け、真に敬意に基づいたコミュニケーションを築くための前提として不可欠でしょう。

さらに、歴史への理解は、私たちが旅行者という立場になった際、倫理的に、その土地の現実に根ざした責任ある選択をするための指針となります。

たとえば、歴史的に不利益を被ってきたコミュニティをエンパワーメントするような事業を意識的に利用するなど、自らの行動を通じてより公平な関係性に貢献することも可能になるのです。

文化は「守る」だけでなく「進化・再生」するもの

文化は「守る」だけでなく「進化・再生」するもの

文化の本質は、単に過去から受け継いだものをそのまま「守る」ことだけにあるのではありません。むしろ、時代に適応し、新たな活力を得て未来へと「進化・再生」していくダイナミズムにこそ、その真価があると言えるでしょう。

文化は固定された静的な遺産ではなく、常に動き、変化し、新たな意味を纏い(まとい)ながら生き続けるプロセスそのものです。国会でのハカも、伝統的な表現が現代社会における強い主張として用いられた、まさに文化の「進化力・再生力」を示す力強い一例です。

リジェネラティブツーリズムは、このような文化の「進化力・再生力」に貢献することを目指します。それは、文化を一方的に消費する対象と見なすのではなく、その文化を担うコミュニティ自身が主体的に未来へ紡いでいく営みを深く尊重し、外部からそっと後押しするような関係性を築くことです。

マオリの議員たちによる「抗議のハカ」は、文化が時に厳しい現実と対峙しながらも、未来に向けて自らを更新し、生き続ける確かな生命力を持っていることを、私たちに示してくれたのではないでしょうか。

最後に

ニュージーランド国会でのハカは、文化が決して静的なものではなく、現代社会と深く結びついた「生きた力」であること、その背景には無視できない「歴史」があること、そして未来に向けて自らを更新していく「進化・再生」の可能性を秘めていることを、私たちに改めて強く示してくれました。

リジェネラティブツーリズムを実践する者として、異文化に触れる際には、目に見える表層だけでなく、その背景にある物語や人々の想いに敬意を払い、自らの訪問がその文化の豊かな未来へと繋がるような、思慮深い関わり方を心がけたいものです。

敬意と共感をもって文化への理解を深める旅は、私たち自身の視野や感性を豊かにし、ひいては多様な文化が尊重され、共生するより良い未来へと繋がっていくのではないでしょうか。

記事提供元:CNN English Express

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