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日本ジオパーク認定とは?世界ジオパークとの違いや取得方法、成功事例をわかりやすく解説

2025 3/27
サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム 気候変動 認証
2025-4-7
日本ジオパーク認定とは?世界ジオパークとの違いや取得方法、成功事例をわかりやすく解説

「日本ジオパーク」と聞くと、伊豆半島の美しい海岸線や阿蘇の雄大なカルデラ、糸魚川の貴重な地質など、観光資源としての地質遺産をイメージする方も多いかもしれません。

しかし、実際に自分たちの地域がジオパークの認定を目指せるのか、具体的に何を準備すればよいのか、疑問に感じる方もいるでしょう。

本記事では、日本ジオパークとユネスコ世界ジオパークの基本的な違いや申請の流れを解説。成功事例を通じて、地質遺産を活用しながら地域経済の活性化と環境保全を両立するヒントを紹介します。

地元の魅力を再発見し、持続可能なまちづくりへの第一歩を踏み出すきっかけにしてみませんか。具体的な事例から、ジオパークが地域活性化にもたらす効果への理解を深めていただければ幸いです。

目次

ジオパークとは

ジオパークとは、地球科学的に重要な地質遺産を含む一定の地域です。ジオパークには、日本ジオパーク委員会が認定する「日本ジオパーク」と、ユネスコが認定する「ユネスコ世界ジオパーク」があります。[1]

ジオパークでは、単なる地質や地形の保護にとどまらず、その価値を教育や持続可能な開発につなげる総合的な取り組みが行われています。地球の成り立ちや大地の活動を学ぶことで、自然と人間の関係性を理解し、地球資源の持続的な利用や気候変動への適応、自然災害の防災・減災といった現代社会が抱える課題を考える機会となります。

また、地域住民が主体となり、地域の自然や文化遺産と連携し、ジオツーリズムなどを通じて地域を活性化させることもジオパークの重要な特徴です。

2025年3月現在、日本には日本ジオパーク委員会が認定した日本ジオパークが48地域あり、そのうち10地域がユネスコ世界ジオパークにも認定されています。

ユネスコが認定するユネスコ世界ジオパークは、48か国に213地域あります。日本の10地域も含まれています。

ユネスコ世界ジオパークと日本ジオパークの違い

ユネスコ世界ジオパークと日本ジオパークは、地質遺産の保全と活用を目的とする点は共通していますが、以下のような違いがあります。[2]

項目ユネスコ世界ジオパーク日本ジオパーク
認定主体ユネスコ(UNESCO)執行委員会日本ジオパーク委員会
国際的な位置付けユネスコの正式事業日本ジオパーク委員会が認定する国内版ジオパーク
認定基準国際的な地質学的意義が求められ、保護・教育・研究・持続可能な開発が統合された運営体制が必要ユネスコ世界ジオパーク基準を参考に審査・推薦される
申請要件(日本からの場合)日本ジオパーク委員会の国内推薦が必要・日本ジオパークネットワーク準会員として加盟していること
・地質
・地形遺産の存在、組織体制の確立
・関連活動を1年以上行っていること

日本ジオパークは、国内でのジオパーク活動の基盤を築き、将来的なユネスコ世界ジオパーク認定を目指す重要なステップです。日本ジオパークがユネスコ世界ジオパークに申請するには、日本ジオパーク委員会の推薦を受けなければなりません。

日本ジオパーク委員会は、日本におけるユネスコ世界ジオパーク事業の登録審査業務に関して権限のある機関として、日本ユネスコ国内委員会から認証を受けています。

観光産業に携わる事業者にとっては、地域の特性や目的に応じて、どちらのジオパークに関わるかを検討する必要があります。

日本ジオパーク認定の取得方法 

日本ジオパーク認定は、日本ジオパーク委員会がユネスコ世界ジオパークの基準に沿って、国内における地質遺産の保全と持続可能な活用を推進するために実施するものです。[3]

この認定を受けることで、地域が有する地球科学的に重要な遺産を活用し、教育や観光、地域振興につながる第一歩となります。企業や地域自治体にとっても、地域の魅力を高め、新たな事業展開や連携を生み出す機会となるでしょう。

認定取得を目指すことは、地域社会の一員として、かけがえのない自然と文化を守り、未来へ繋ぐ重要な意義を持っています。

新規申請・認定の流れ

日本ジオパークの新規認定を受けるためには、いくつかの段階を経る必要があります。まず申請可能な地域は、日本ジオパークネットワークの準会員であることです。

さらに、優れた地質・地形遺産を有し、ジオパークを運営するための組織や体制が整っている必要があります。また、地質や地形などに関する保全・研究・教育・普及活動やジオツアーを1年以上行い、申請前年には事前相談会への出席も求められます。

具体的な申請・認定の流れは、通常、4月下旬に申請書を提出して締め切り、書類審査を開始します。

その後、5月下旬頃にプレゼンテーションを経て、日本ジオパーク委員会による一次審査を実施。一次審査通過後、6月から8月にかけて現地調査が行われます。

これらの審査結果をもとに、9月に日本ジオパーク委員会で新規認定地域が決定されます。認定後も継続的に評価が行われ、4年ごとの再認定が必要です。

認定の基準、評価方法

日本ジオパーク委員会の審査では、以下のようなポイントが評価されます。[4]

  • ジオパークの基本理念を十分に理解しているか
  • 地域の地質遺産について「理解」「保全」「価値の発信」を行っているか
  • ジオツーリズムなどを通じて地域資源の活用を目指しているか
  • ジオパーク活動を推進するための組織や体制が整備されているか
  • 地域でこれまで行われてきた研究・保全・教育・ジオツーリズム等の活動が、ジオパーク認定後にさらに発展する可能性があるか
  • 活動がジオパークの理念に適合しているか
  • 地域が経験してきた地殻変動、地震活動、火成活動などに関する知識を活かし、防災・減災活動が十分に行われているか

審査はプレゼンテーションと現地調査を通じて実施されます。特に現地調査は、審査員と地域住民が一緒になって、より良いジオパークを目指して意見交換し、学び合う貴重な場となっています。

新規認定と再認定

日本ジオパーク認定には、新規認定と認定後に行われる再認定があります。新規認定はこれまでジオパークとして認定を受けていない地域が初めて認定を受けるための審査です。

一方、再認定は、新規認定または前回の再認定から4年を経過した日本ジオパークを対象に、活動の継続性や質の向上を評価するための審査です。また、2年前に条件付き再認定となった地域も再認定の対象となります。

再認定審査では、前回指摘された問題点への対応状況、地域が継続的に活動の質や量を充実させてきたか、また持続可能な運営が行われているかなどが重要です。さらに、活動を通じて明らかになった課題に対し、具体的な解決への努力も評価されます。

再認定審査の実施については、場合によっては日本ジオパーク委員会の議決で決定されることもあります。例えば、ユネスコ世界ジオパーク新規認定審査や推薦に関する審査結果が保留状態の場合などが該当します。

ユネスコ世界ジオパーク認定の取得方法

日本の地域がユネスコ世界ジオパークとして認定されるには、まず日本ジオパーク委員会(JGC)の国内推薦を受ける必要があります。

JGCは、日本ユネスコ国内委員会から国内のユネスコ世界ジオパーク事業の登録審査業務を委任された機関です。そのため、ユネスコに直接申請することはできません。

日本ジオパーク委員会にその価値が認められ、推薦された地域だけがユネスコ審査へと進めます。このプロセスは、質の高い国内のジオパークを国際的な舞台へ送り出すために重要な段階といえるでしょう。

国内推薦からユネスコ審査へ

ユネスコ世界ジオパーク認定を目指す地域は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 日本ジオパークネットワークの正会員であること
  • 地質・地形遺産に関する保全・研究・教育・普及活動を行っていること
  • ジオツーリズムを活用した持続可能な地域づくりに十分な実績があること
  • 申請前年に事前相談会に出席していること

さらに、国内推薦審査では以下が評価されます。

  • 日本ジオパークとしての活動実績
  • 世界的な地球科学的価値の有無
  • 保全・活用状況の適切さ
  • ユネスコ世界ジオパークに求められる活動水準を満たしているか

これらの条件をクリアし、日本ジオパーク委員会の審査を経て推薦が決定した地域は、ユネスコへ申請書類を提出し、国際審査へ進みます。

ユネスコによる審査と再認定

ユネスコに推薦されたジオパーク候補地は、ユネスコ世界ジオパーク・カウンシルの審査を受けます。この審査では、地域の地質遺産の国際的な重要性に加え、その保護・教育・持続可能な開発への取り組みがユネスコ基準に適合しているかが厳しく評価されます。

ユネスコ世界ジオパークに認定された後も、その状況は永続的ではありません。4年ごとにユネスコによる再認定審査が行われます。再認定審査の前年には、日本ジオパーク委員会の審査事前確認があり、翌年のユネスコ審査に向けての助言を受けます。[5]

ユネスコの再認定結果を受けて、日本ジオパークとしての再認定も判断されます。このように、ユネスコ世界ジオパークには認定後も継続的な努力と質の維持が必要とされるのです。

日本ジオパーク認定を受ける3つのメリット

日本ジオパークの認定を受けることは、地域にさまざまな恩恵をもたらします。地域の宝である地質遺産を活用した取り組みにより、地域ブランドの向上や環境保全の推進や新たな教育・研究機会の創出が期待され、地域社会の持続的な発展に大きく貢献します。

1.地域のブランド価値向上と経済の活性化 

日本ジオパークとして認定されると、地域の国内外での認知度が高まり、観光客の増加に繋がります。ジオパークの認定は地域の独自性や魅力を高めるブランドとなり、観光客は他では味わえない地質や景観を求めて訪れるでしょう。

その結果、宿泊施設や飲食店、土産物店などの地域事業者の利用客が増え、新たな雇用機会も生まれます。観光振興による経済活性化は、ジオパーク認定の重要なメリットです。

2.環境保全の促進 

ジオパーク活動では、地質遺産や特徴的な地形、景観の保全が重要な目的となっています。認定の過程やその後の活動を通じて、地域住民や関係者の自然環境に対する理解が深まり、持続可能な保全活動が進められるようになります。

また、環境保全への意識の高まりにより、不適切な開発を抑制し、地域全体の自然環境の質の向上にも繋がるでしょう。

3.教育・研究機会の拡大

日本ジオパーク認定の取得は、地域が教育や研究の場としての価値を高める機会となります。地質学的価値のある遺産が公式に認められることで、教育機関や研究者の関心を集め、地域の自然環境や歴史に関する学習・研究が活発になります。

地域住民にとっても身近な自然を通じて地球科学を学ぶ機会が増え、地域への愛着や誇りが育まれるでしょう。さらに、ジオパークを活用した自然観察会や講演会などが開催され、地域全体の学習意欲向上に貢献します。

日本ジオパーク認定の事例

日本国内には、その地質学的重要な価値と、それを活かした活発な地域活動が認められ、日本ジオパーク委員会から認定を受けた地域が数多く存在します。

これらのジオパークは、地球の息吹を身近に感じられる貴重な場所であり、地域住民の誇りを育み、持続可能な地域づくりに貢献しています。

また、現在ジオパーク認定を目指し、熱心な取り組みを進めている地域もご紹介します。

十勝岳ジオパーク

十勝岳ジオパーク

北海道の中央に位置する十勝岳ジオパークは「丘と火山が織りなす彩り」をテーマとしています。約300万年にも及ぶ火山活動によって形成された雄大な十勝岳連峰は、現在も活発な活動を続けており、溶岩流や火砕流、泥流といった噴火の痕跡を数多く目にできます。[6]

これらの火山活動がもたらした火山灰や軽石は、美瑛や富良野の波状丘陵という独特の景観を創出しました。この地域では、火山と共生してきた人々の営みや、過去の火山災害からの復興の歴史も学べます。

例えば、1926年の噴火による泥流(でいりゅう)災害と復興を描いた小説『泥流地帯』は、地域の歴史を現代に伝える重要な手がかりとなっています。火山が生み出した自然美と、それに向き合ってきた人々の歴史が織りなす物語は、訪れる人々に深い感動を与えるでしょう。

霧島ジオパーク

霧島ジオパーク

霧島ジオパークは、宮崎県と鹿児島県にまたがり、多様な火山や火口湖群が作り出す壮大な景観から「火山の博物館」とも称されています。[7]

池めぐり遊歩道が整備されており、四季ごとに変化する火口湖の美しい風景を楽しむことができます。韓国岳からは霧島連山や南九州の火山フロントを一望でき、登山が手軽に可能。

また、映画のロケ地としても知られる新燃岳の噴火活動は、火山のダイナミズムを感じさせてくれます。神話の舞台である高千穂峰では、ミヤマキリシマの花を見ることができ、登山も人気です。

地域では、ジオツーリズムを通じてこれらの地質遺産を活用し、自然環境の保全や地球科学教育、そして地域活性化に積極的に取り組んでいます。

ジオパークを目指す地域

日本ジオパークネットワークには、現在48の日本ジオパークが認定されています。それに加え、将来的な認定を目指して活動を進めている地域も存在します。これらの地域は日本ジオパークネットワークの準会員として加盟し、優れた地質遺産を有するとともに、ジオパーク運営に向けた組織体制の整備や、保全・研究・教育・普及活動、ジオツアーなどに取り組んでいます。

2025年3月現在、日本ジオパークを目指している準会員地域は以下の7地域です。

  • 古関東深海盆
  • 飛騨山脈
  • 那須烏山
  • 大雪山カムイミンタラ
  • 喜界島
  • せとうち讃岐
  • やまなし上野原

これらの地域では、それぞれの個性豊かな地質遺産を活かし、地域住民・行政・研究者が連携しながら、持続可能な地域社会の実現に向けて活動を進めています。

今後の審査を経て、新たな日本ジオパークとして認定されることが期待されます。

ユネスコ世界ジオパーク認定の国内事例 

日本国内には、世界的にも地質学的価値が高く評価され、ユネスコによって正式に認定された「世界ジオパーク」が10地域存在しています。

これらの地域では、地質遺産を保護するだけではなく、その価値を活かした教育的な取り組み、地域経済の活性化や持続可能な発展につながる様々な活動を推進しており、全国のモデルケースとして注目されています。

山陰海岸ジオパーク

山陰海岸ジオパーク
画像出典:山陰海岸ジオパーク推進協議会

山陰海岸ジオパークは、京都府・兵庫県・鳥取県の3府県にわたって広がる地域で、約2500万年前に起きた日本海の形成以降、現在まで続く多彩な地質現象を観察できる点が特徴です。リアス式海岸や砂丘地形、火山地帯など多様な地形が織りなす景観美が評価され、国定公園や国立公園としても指定されています。[8]

この地域の特性を活かし、新鮮な海産物や温泉を中心にした観光、さらに遊覧船ツアーやシュノーケリングを通した体験型の学習活動などが展開されています。また、地質や地形が地域の文化や暮らしにどのように関係しているかを学べる機会が豊富にあります。

地域住民が中心となって、地元食材を活用した食育活動、伝統文化の継承活動も推進されており、自然環境を守りつつ地域経済の発展を両立させる、持続可能な地域づくりの優れた先進事例といえるでしょう。

特に、地球磁場の逆転を示す証拠が発見されたと言われる玄武洞など、科学的にも重要な場所を活用した学術的情報の発信活動にも力を入れています。

なお、山陰海岸ジオパークは2022年の前回審査において、玄武洞公園近くの民間施設に併設された土産物店で鉱物や化石が販売されていたことが発覚。このことがジオパークの理念に反すると判断され、2年間の条件付き再認定(イエローカード)となりました。

その流れを受けて、2024年9月にはユネスコによる再認定の現地審査が行われ、その後、再認定されました。

伊豆半島ジオパーク

伊豆半島ジオパーク

伊豆半島ジオパークは、本州で唯一フィリピン海プレート上に位置するという特異な地質的成り立ちを持つ地域です。

およそ2000万年前に海底火山群として誕生したこの半島がプレートの動きによって本州に衝突し、現在のような地形になったというダイナミックなプロセスを、山岳地帯や海岸地形から直に体験できます。[9]

美しい景色や豊富な温泉、多彩な海岸線は、多くの観光客を惹きつけていますが、同時に地殻変動や火山活動による恵みと災害の両面を知るための教育的なスポットともなっています。カヤックや遊覧船による景観鑑賞、トレッキング、ダイビングなどのアクティビティを通じ、地質の面白さを楽しみながら体感するジオツーリズムが盛んです。

また、この地域の独特な地質がもたらした歴史や文化を学ぶことができ、石丁場跡の見学を通して自然と人の営みとの関係性について理解を深められます。

自治体や観光事業者、研究機関、地域住民が一体となって地質遺産の保護と地域ブランド力の強化を目指す取り組みは、地域振興の好事例として全国的に知られています。

阿蘇ユネスコジオパーク

阿蘇ユネスコジオパーク

阿蘇ユネスコジオパークの最大の特徴は、世界的にも珍しい巨大なカルデラ地形です。数十万年の火山活動によって形成された広大かつダイナミックな地形が目を引きます。[10]

現在も活発な火山活動が続く中岳火口周辺では、地球の鼓動を間近で感じられ、特殊な火山性の地形や植物相、火山と共存してきた人々の文化を学ぶことができます。

豊かな湧水や多彩な温泉資源は、火山活動がもたらした恩恵として地域の生活を支えており、広がる草原地帯は千年以上続く放牧や野焼きといった人間活動の結果として維持されてきました。ジオパーク内ではカルデラを一望できる展望スポットや火口見学ツアー、温泉巡り、草原でのアウトドア体験など、様々なアクティビティが提供されています。

火山災害の歴史を踏まえ、防災や減災に関する知識普及活動も行われています。地域住民が地域資源に誇りを持ち、自然との共生を軸にした持続可能な地域発展を目指す姿勢は、多くの人に刺激を与えるでしょう。

糸魚川ユネスコ世界ジオパーク

画像出典:糸魚川ジオパーク協議会

糸魚川ユネスコ世界ジオパークは、日本列島を東西に分断する大断層「糸魚川-静岡構造線(糸静線)」が通過し、フォッサマグナの西端という地質的に非常に重要な位置にあります。また、日本を代表するヒスイの産地としても有名で、約5000年前の縄文時代からヒスイを用いた文化が栄えた地域でもあります。[11]

多様な岩石が観察できる海岸線や、日本アルプスが日本海へと落ち込む断崖地形「親不知」、氷河や地すべりによって形成された独特の地形など、見どころも豊富です。

地域内ではヒスイや地質をテーマとする博物館や岩石観察ツアー、断層や地すべり跡の見学、ヒスイ探し体験といった幅広いプログラムが開催され、ジオツーリズムを通じて地域のブランド力向上や新たな雇用創出にも貢献しています。[12]

地質遺産保全と地域経済の活性化を同時に推進する積極的な取り組みは、他地域にとっても参考になる成功例です。

まとめ

日本ジオパークの認定は、地域の魅力を再発見し、経済活性化や環境保全、教育・研究機会の拡大など、多くのメリットをもたらします。特に観光客の増加は地域経済に直接貢献し、地質遺産を守りながら発展を目指せるのが特徴です。また、日本ジオパーク認定を足がかりに、ユネスコ世界ジオパークという国際的な評価を目指す道もあります。

今回取り上げた、日本ジオパークや国内のユネスコ世界ジオパーク認定地域の成功事例から見ても、地域住民が主体的になって取り組むことが重要だということがわかります。日本ジオパーク認定を目指すことは地域資源の魅力を引き出し、持続可能な地域づくりを進めるきっかけになるでしょう。

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参考文献

[1]日本ジオパークネットワーク|ジオパークとはなんですか?

[2]文部科学省|ユネスコ世界ジオパーク

[3]日本ジオパーク委員会|募集と審査(要領,ガイドライン)

[4]日本ジオパーク委員会|日本ジオパーク委員会審査基本方針(2021 年 2 月 5 日第 41 回日本ジオパーク委員会決定) 

[5]日本ジオパーク委員会|2024 年度ユネスコ世界ジオパーク審査事前確認提出書類及びスケジュール 日本ジオパーク委員会

[6]日本ジオパークネットワーク|十勝岳ジオパーク|ジオパークとは

[7]日本ジオパークネットワーク|霧島ジオパーク|ジオパークとは

[8]日本ジオパークネットワーク|山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク | ジオパークとは

[9]日本ジオパークネットワーク|伊豆半島ユネスコ世界ジオパーク | ジオパークとは

[10]日本ジオパークネットワーク|阿蘇ユネスコ世界ジオパーク | ジオパークとは

[11]日本ジオパークネットワーク|糸魚川ユネスコ世界ジオパーク | ジオパークとは

[12]公式ホームページ|糸魚川ユネスコ世界ジオパーク




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