MENU
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
  1. ホーム
  2. サステナブルツーリズム
  3. ニュージーランド議会の「抗議のハカ」から学ぶ|文化の生きた力と進化・再生

ニュージーランド議会の「抗議のハカ」から学ぶ|文化の生きた力と進化・再生

2025 6/24
PR
サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム リジェネラティブツーリズム 持続可能な観光
2025-6-24
ニュージーランドの国旗

ニュージーランドの基礎を成す重要な文書であり、マオリの権利の根幹でもある「ワイタンギ条約」。

この条約の解釈を再定義しようとする法案に対し、ニュージーランド国会のマオリ議員たちが、議場で抗議の意を示すために伝統の「ハカ」を披露したことが、世界的に報じられました。

この記事では、リジェネラティブ*という視点から、文化や社会との関わりを深く考える上で、このマオリ議員たちによる「抗議のハカ」が持つ意味を紐解いていきます。

※リジェネラティブ:環境や私たちを取り巻く社会のシステムなどに対し、現状維持や負荷の低減に留まらず、その健全性や活力を積極的に再生・向上させ、より良い状態にして未来へつないでいこうとする考え方

■タイトル
Maori MPs Perform Protest Haka 
ニュージーランド議会紛糾 抗議のハカ踊る

■英文
Maori members of New Zealand’s parliament staging a haka to disrupt the vote on a bill that many claim would undermine their rights. The measure is based on an 1840 treaty between the British Crown and Maori chiefs. This bill would limit interpretations of the treaty, and some argue it’s led to discrimination against nonindigenous citizens. Protests are ongoing across the country, but with little support from political parties, the bill is unlikely to become law.(November 15, 2024)

■和文
ニュージーランド国会のマオリの議員たちは、多くの人が彼ら(マオリ)の権利を損なうものになると主張しているある法案の採決を妨害するため、「ハカ」を歌い踊る。この法案は、イギリス政府とマオリの首長たちとの間で1840年に締結された条約に基づくものだ。

今回の法案は(もし可決されれば)その条約の解釈を制限するもので、(逆に)非先住民の方に対する差別につながっていると主張する人もいる。抗議活動は全国で続いているが、政党からほとんど支持を得ておらず、この法案が法律になる可能性は低い。  

(出典: CNN English Express 2025年2月号)

■クイズ
Who staged the haka?

A) Maori chiefs
B) Protesters across New Zealand
C) Nonindigenous citizens
D) Some members of parliament          
                    

正解:D

目次

文化は「生きている」

ニュージーランド国会でマオリ議員たちが披露した「ハカ」。それは、自らの権利の根幹である「ワイタンギ条約」に関わる法案への強い抗議であると同時に、彼らの文化とアイデンティティが現代において持つ力の表明でした。

この出来事が鮮やかに示すのは、文化が単なる過去の遺産なのではなく、今を生きる人々のアイデンティティや権利と不可分に結びつき、社会に働きかける「生きた力」であるという事実です。

歴史と権力関係への理解

歴史と権力関係への理解

今回のハカの背景には、1840年に締結されたワイタンギ条約の解釈を巡る、長く複雑な歴史と、それが現代社会に及ぼす根深い影響が存在します。条約締結の経緯やその後の不平等な権力関係の歴史を知ることが、この出来事の本質を理解する上で重要です。

このような、異なる文化間の関係や力関係を形作ってきた歴史的背景(特に植民地支配や権利を巡る闘争の歴史など)は、世界中の多くの地域に見られます。その土地固有の歴史を学ぶことは、私たちが無意識のうちに相手の尊厳を傷つけることを避け、真に敬意に基づいたコミュニケーションを築くための前提として不可欠でしょう。

さらに、歴史への理解は、私たちが旅行者という立場になった際、倫理的に、その土地の現実に根ざした責任ある選択をするための指針となります。

たとえば、歴史的に不利益を被ってきたコミュニティをエンパワーメントするような事業を意識的に利用するなど、自らの行動を通じてより公平な関係性に貢献することも可能になるのです。

文化は「守る」だけでなく「進化・再生」するもの

文化は「守る」だけでなく「進化・再生」するもの

文化の本質は、単に過去から受け継いだものをそのまま「守る」ことだけにあるのではありません。むしろ、時代に適応し、新たな活力を得て未来へと「進化・再生」していくダイナミズムにこそ、その真価があると言えるでしょう。

文化は固定された静的な遺産ではなく、常に動き、変化し、新たな意味を纏い(まとい)ながら生き続けるプロセスそのものです。国会でのハカも、伝統的な表現が現代社会における強い主張として用いられた、まさに文化の「進化力・再生力」を示す力強い一例です。

リジェネラティブツーリズムは、このような文化の「進化力・再生力」に貢献することを目指します。それは、文化を一方的に消費する対象と見なすのではなく、その文化を担うコミュニティ自身が主体的に未来へ紡いでいく営みを深く尊重し、外部からそっと後押しするような関係性を築くことです。

マオリの議員たちによる「抗議のハカ」は、文化が時に厳しい現実と対峙しながらも、未来に向けて自らを更新し、生き続ける確かな生命力を持っていることを、私たちに示してくれたのではないでしょうか。

最後に

ニュージーランド国会でのハカは、文化が決して静的なものではなく、現代社会と深く結びついた「生きた力」であること、その背景には無視できない「歴史」があること、そして未来に向けて自らを更新していく「進化・再生」の可能性を秘めていることを、私たちに改めて強く示してくれました。

リジェネラティブツーリズムを実践する者として、異文化に触れる際には、目に見える表層だけでなく、その背景にある物語や人々の想いに敬意を払い、自らの訪問がその文化の豊かな未来へと繋がるような、思慮深い関わり方を心がけたいものです。

敬意と共感をもって文化への理解を深める旅は、私たち自身の視野や感性を豊かにし、ひいては多様な文化が尊重され、共生するより良い未来へと繋がっていくのではないでしょうか。

記事提供元:CNN English Express

『CNN English Express』(愛称:EE)はCNNを素材とした月刊英語学習誌です。CNNは世界37カ所に支局をかまえ、取材エリアは全6大陸をカバー。

EEでは、こうした膨大なニュースの中から、社会問題や政治・経済のトピックなど、日本人が知っておくべき情報を抜粋し、日英併記+音声で提供しています。

「世界の最前線」を知りたい方、情報をビジネスに生かしたい方、英語を学びたい方にオススメ。

毎月6日、書店・オンライン書店で発売。電子版(iOSアプリ、Kindle版)も好評発売中!

『CNN English Express』earth sustainability読者様向け10%割引はこちらから 

https://www.asahipress.com/form/sdgs_ee/index.php




サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム リジェネラティブツーリズム 持続可能な観光
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

メルマガ登録




New Posts
  • ニュージーランドの国旗
    ニュージーランド議会の「抗議のハカ」から学ぶ|文化の生きた力と進化・再生
    2025年6月24日
  • 小豆島の棚田
    観光地のサステナビリティを見える化!Green Destinations認証・アワード取得のメリットと取得方法
    2025年6月23日
  • クイーンズランドの写真
    オーストラリア・クイーンズランド州、長期観光戦略を発表
    2025年6月19日
  • マウント・クーサの展望台
    ブリスベン、都市型エコツーリズムの新拠点へ|再生型観光の最前線
    2025年6月19日
  • ガイドと書かれたコンパス
    「A net zero roadmap for travel and tourism」から学ぶ|観光産業の持続可能な未来設計
    2025年6月18日
  • デモに参加する人
    南欧で「観光利用過剰」反対の抗議活動
    2025年6月17日
  • タクシーの画像
    車社会からの脱却を理念に掲げる2028年LAオリンピック。切り札は空飛ぶタクシー?
    2025年6月17日
  • 鉄道旅行の写真
    Byway Travel|新たな旅のあり方を提案する、サステナブルな旅行プラットフォーム
    2025年6月17日
  • 会議に参加する人たちちとマイク
    グッド・トラベル・アライアンス(GTA)サミットでグローバル会議「グリーン・デスティネーションズ2025」を開催
    2025年6月17日
  • サンゴ礁の画像
    自然と科学の共生へ。3Dプリンターでサンゴ礁を再生する試み。
    2025年6月16日
Ranking
  • 環境評価システム EPEAT(イーピート)とは?認証を取得している企業事例もご紹介
    EPEAT(イーピート)認証とは?重要性と国内外の事例を紹介
    2022年2月17日
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)
    2022年3月4日
  • オーストラリアの写真
    オーストラリアの環境問題への取り組みとサステナブルツーリズム
    2024年10月2日
  • スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組み
    スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組みと成功要因を解説
    2024年7月2日
  • 観光税は持続可能な観光につながる?
    観光税は持続可能な観光につながる?世界と日本の導入事例を解説
    2024年8月6日
  • 省エネにも積極的。ニュージーランドのエネルギー事情
    【リライト】ニュージーランドのエネルギー事情と水力発電
    2023年9月29日
  • オランダの運河に浮かぶ!サステナブルな水上住宅 Schoonschip
    オランダ・アムステルダムの運河に浮かぶサステナブルな水上住宅 Schoonschip
    2023年7月21日
  • リジェネラティブツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅
    2024年3月15日
  • リサイクル率世界トップを誇るドイツの衣料品廃棄処分の現状
    リサイクル率世界トップを誇るドイツ|衣料品廃棄処分の現状は?
    2024年1月30日
  • 環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    2023年1月19日
Category
  • サステナブルツーリズム
  • SDGs・ESG基礎
  • 環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)
  • 社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
  • 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
  • その他
    • ドバイ万博
Tag
CO2削減ESGESG投資SDGsアメリカオランダカーボンニュートラルサステナブルツーリズムサーキュラーエコノミーステークホルダータンパク質危機ドイツドバイドバイ万博ニュースビジネスと人権ファッションフードロスプラスチックマイクロプラスチックリサイクルリジェネラティブツーリズムレポート人権人権デューデリジェンス代替タンパク質企業事例再生可能エネルギー北欧取り組み事例各国の事例地球温暖化持続可能な社会持続可能な観光日本気候変動海洋プラスチック問題温室効果ガス環境問題生物多様性畜産業脱炭素観光業界認証農業
Pick Up
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)

    CO2削減SDGsサステナブルツーリズム気候変動脱炭素観光業界
    記事を読む
  • リジェネラティブツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅

    サステナブルツーリズムリジェネラティブ・ツーリズム持続可能な観光気候変動観光業界
    記事を読む

メルマガ登録

PR問い合わせバナー

目次