カリフォルニア州は2026年からプラスチック製レジ袋を全面禁止へ:世界の脱プラスチックの動き

アメリカの環境先進州であるカリフォルニア州が、プラスチックごみ削減に向けた大胆な一歩を踏み出しました。
ギャビン・ニューサム州知事は先日、2026年からあらゆる種類のプラスチック製レジ袋を全面的に禁止する法案に署名しました。
■タイトル
No More Plastic Shopping Bags
カリフォルニア州でレジ袋全面禁止へ
■英文
Shoppers in California will soon have to bring their own bags if they want to use plastic. Governor Gavin Newsom signed a law Sunday banning all plastic shopping bags starting in 2026. California had already banned thin shopping bags, but customers could buy thicker ones, as they were billed as recyclable. When the law takes effect, shoppers will only be asked if they want a paper bag.(September 23, 2024)
■和文
カリフォルニア州で買い物をする客はもうすぐ、プラスチック(袋)を使いたいならば「マイバッグ」を持参しなければならないようになる。ギャビン・ニューサム知事は日曜日、2026年から全てのプラスチック製買い物袋(の配布)を禁止する法案に署名した。カリフォルニア州ではすでに薄手の(プラスチック製の)買い物袋は禁止されていたが、客は厚手の袋は買うことができた。それらはリサイクル可能とされていたからである。この法律が施行されると、買い物客が必要かどうか尋ねられるのは紙袋だけになる。 (出典: CNN English Express 2025年1月号)
■クイズ
Which type of shopping bag was banned in stores in California at the time of this news report?
A) Paper bags
B) Thin plastic bags
C) Thick plastic bags
D) Bags brought by customers
正解:B
カリフォルニア州は、すでに薄いプラスチック製レジ袋の使用を禁止していましたが、これまで抜け穴となっていたのが「再利用可能」とされていた厚手のプラスチック袋でした。
今回の新たな法律では、これらの厚手の袋も例外なく禁止となり、消費者は買い物をする際に紙袋を購入するか、マイバッグを持参することが必須となります。
この決定は、カリフォルニア州がこれまで実施してきたレジ袋規制をさらに一段階引き上げ、環境問題に対する強い姿勢を示すものです。
世界中でプラスチック汚染への対策が急務となる中、カリフォルニア州のこの動きは、世界の脱プラスチックの流れを加速させる大きな推進力となると注目されています。
世界の脱プラスチックへの動き
プラスチック汚染は、私たちの地球全体にとって無視できない深刻な問題であり、海洋生態系への悪影響や、微細なプラスチックが食物連鎖を通じて人体に及ぼす可能性などが懸念されています。
このような状況を受け、世界各国では、使い捨てプラスチックの規制強化、代替素材の開発支援、リサイクルシステムの構築など、多岐にわたる対策が講じられています。


規制アプローチ
多くの国が、プラスチック製品の製造、流通、使用、貿易を制限する法律を制定しています。[1]
レジ袋
196カ国のうち127カ国がレジ袋を規制しており、最も一般的な規制は「レジ袋の無料配布の禁止」です。 製造・輸入の禁止、厚さや材質の制限なども行われています。
Single-use plastics(使い捨てプラスチック)
世界では27カ国が、一度きりの使用を前提として作られたプラスチック製品、いわゆる「使い捨てプラスチック」の使用を禁止しています。
具体的には、プラスチック製の皿、コップ、ストローなどが該当し、発泡スチロール(ポリスチレン)のような特定の素材も規制対象となっています。
マイクロビーズ
2023年にEU加盟27カ国で規制が始まり[2]、世界では35カ国が、マイクロビーズを含有する製品の販売を禁止しています。
マイクロビーズとは、洗顔料や歯磨き粉、化粧品などに含まれる、非常に小さなプラスチック製の粒子のことです。排水を通じて環境中に流出しやすく、海洋汚染の原因となることが問題視されています。
経済的手法の導入
プラスチックの製造段階だけでなく、消費者が製品を使用する段階の両方において、税金や課徴金を課すことで、プラスチックの使用量を減らそうという試みが世界中で行われています。
EUに加え、中国、インド、コロンビア、イスラエルなど30カ国以上に及んでいます。
拡大生産者責任
生産業者に製品の適切なリユース・リサイクルの責任を負わせる「拡大生産者責任(EPR)」という制度も、プラスチック製品に関わる法規制として63カ国で導入されています。
この制度を導入することで、製造業者は製品の設計段階からリサイクルを考慮するようになり、リサイクルしやすい製品の開発が促進されたり、回収・リサイクルのためのインフラ整備が進んだりするといった効果が期待できます。
日本の取り組み:プラスチック資源循環促進法
日本においても、プラスチックごみ問題は非常に重要な課題として認識されており、政府は様々な対策を講じています。
その中でも特に重要な取り組みの一つが、2022年に制定されたプラスチック資源循環促進法です。この法律は、プラスチック製品の設計、製造、販売、使用、そして廃棄といったライフサイクル全体において、プラスチックの使用量を減らし、資源として循環させていくことを目指しています。
具体的には、企業に対してプラスチック製品の削減目標の設定や、リサイクルしやすい製品設計への取り組みを求めるとともに、消費者が分別排出に協力しやすい仕組みづくりなどを推進しています。

最後に
各国がプラスチックごみを減らすために様々なルールを作ったり、対策を実行したりする中で、日本でもレジ袋の有料化が私たちの生活に馴染みつつあります。
さらに、プラスチック資源循環促進法という法律もでき、資源を無駄にしない社会を目指す流れが強まっています。世界に目を向けると、使い捨てプラスチックの使用を禁じたり、税金をかけたりする国が増えており、プラスチックへの意識はこれまで以上に高まっていると感じます。
プラスチック問題を解決するためには、国や企業が努力するだけでなく、私たち一人ひとりの意識と行動がとても大切です。
毎日の買い物でマイバッグを使ったり、できるだけ使い捨てプラスチック製品を選ばないようにしたりと、より良い未来のために、私たちにできることから始めていきましょう。
記事提供元:CNN English Express

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参考文献