MENU
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
  1. ホーム
  2. 環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)
  3. オランダ・サステナブルファッションのミュージアム「Fashion For Good」

オランダ・サステナブルファッションのミュージアム「Fashion For Good」

2024 7/26
環境(水、森林、海洋、エネルギー資源) 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
CO2削減 オランダ ファッション 気候変動
2023-4-32024-7-26
世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

皆さんは、普段身にまとっている衣類の製造場所や素材について考えたことはありますか?ファッション産業による環境破壊や人権侵害といった問題への関心が高まっており、新たな資源を必要としないリサイクル素材を使うことやテクノロジーによるサプライチェーンの透明性向上に取り組むサステナブルファッションが注目されています。

目次

ファッション産業の過去と現在、そして未来へ

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

オランダのアムステルダムにあるFashin For Goodは、サステナブルファッションについて考える体験型ミュージアムです。身近な衣類を通じて、ファッション産業が直面している課題とその解決方法について知ることができます。館内は、地下1階の「過去」から1階の「現在」そして2階の「未来」と3つのフロアに分かれています。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

地下1階の「過去」のフロアでは、年表を通じてファッション産業のこれまでの主な出来事が示されています。例えば、1830年代、フランスでは実用的なミシンが登場し、大量生産が可能になりました。また、1992年にはアニマルウェルフェアに対する市民運動が起こり、2013年にはファッション産業の過酷な現状を世界に知らしめた事件として知られる「ラナプラザの悲劇」が起こりました。「ラナプラザの悲劇」は、バングラデシュの商業ビルが崩壊し、約4,000人の死者や負傷者を生んだ事故です。商業ビルには、安い人件費を目当てに世界各地のファッションブランドの縫製工場が所狭しと詰め込まれており、安全管理が行われていない劣悪な労働環境のもと、不平等な労働を強いられていたことが露呈しました。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

また、同フロアでは、一枚のTシャツが出来上がるまでの工程も展示されています。ファッション産業のトレーサビリティを可能にすることが難しい背景には、サプライチェーンが長く、複雑であることが挙げられます。具体的には、「コットンの栽培」「布の製造」「布の染色」「布のカット・裁縫」「輸送」「販売(リテール)」そして最後は、私たちの手元に届き「使う・消費する」という工程があります。

次に「現在」を表す1階のフロアでは、「良いファッション」の定義について学びます。「The Five Goods」として次の通りに定義されています。

  • 素材:安全で健康的な素材であること。リユースやリサイクルが可能なデザインであること。
  • 経済:成長し、資源が循環し、みんながハッピーな経済の形であること。
  • エネルギー:再生可能でクリーンなエネルギーを使っていること。
  • 水:製造過程で水を汚染せず、すべての人が安全に水を使えること。
  • 生活:労働者に公平な賃金を支払い、安全な労働環境を提供していること。

同フロアでは、さまざまなテーマが入れ替わりで展示されています。私が訪れた日は、「Knowing Cotton Otherwise」というコットンに焦点が当てられた展示が行われていました。

コットンの展示

最後は「未来」を表す2階へ進みます。このフロアでは、過去のフロアで触れられていた課題の解決に向けた取り組みが紹介されています。環境に優しい新たな素材やサプライチェーンの透明性向上に向けて取り組むアディダスやEONといったブランドや企業の事例が展示されています。

解決まで提示することの重要性

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

過去のフロアでは、Tシャツを一枚製造するには、2,700リットルもの水が必要という事実が伝えられます。この水の量は、人間一人が飲む水の3年分に相当します。みなさんは、この事実を聞いてどう感じるでしょうか?ファッション産業の問題に関心がある人もない人も、恐らく衝撃を受けるでしょう。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

一方、未来のフロアでは、コットンをリサイクルすることで生まれた新たな素材やパッケージのアイディアが展示されています。さらに、完成した衣類の製造者を明確にするためのトレーサビリティ向上に向けた取り組みや、洗濯することで流れ出てしまうマイクロプラスチックの流出を防ぐ方法なども伝えられています。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

Plantcare社の商品が展示されています。誰でも簡単に洗濯機に取り付けることが可能で、衣類から流れ出るマイクロプラスチックを90%削減することができるそうです。

産業を問わず、私たちはサステナビリティに取り組むことに対して「本当に今の習慣やライフスタイルを変えることは可能なのだろうか?」という気持ちになることもあります。しかし、Fashin For Goodでは、大量生産・大量消費というビジネスモデルで多くの問題を引き起こしているファッション産業が、現在の生産体制やサステナブル素材への代替といった変化に向けて動き出していることが示されています。私たちが未来に対してきちんと希望が持てるよう解決策まで提示することは、消費者に訴えかける上で重要なコミュニケーション方法です。

自分ごと化することでアクションに繋がる

過去のフロアでは「発生した問題や課題」について、未来のフロアでは「解決方法」について知ることのできるFashin For Goodですが、館内ではファッション産業の問題をより身近に感じるための工夫が凝らされています。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

Fashin For Goodを訪れると、来館者は最初にリストバンドを渡されます。館内の至る所には、アクションプランが書かれたスポットがあり、「行動に移すことができる」と思うアクションに対してリストバンドをかざすとデータが蓄積されます。蓄積された個人データは、最後に自分専用のアクションプランとしてメールで届くようになっています。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

館内に設置されていたアクションプランには、一部ですが以下のようなものがありました。

  • 購入時に素材を確認してみましょう。可能であれば100%同じ素材からできている衣類の方がリサイクルしやすいです。
  • 4月24日はファッション革命を起こす日です。お気に入りのブランドと一緒に#whomademyclothes というハッシュタグでSNSに投稿しましょう。
  • 近所にファッションデザイナーはいませんか?地域のものを購入することは、コミュニティのサポートにも繋がります。
  • 不必要なゴミを出さないために、買い物へ出かける際はマイバッグを持参しましょう。
  • お気に入りのブランドは、サプライチェーンに対してどのような取り組みを行っていますか?メールまたはツイートして聞いてみましょう。
  • 昔ながらの方法で衣類を作ってみましょう。近くに裁縫教室があるかもしれません。
  • 洗濯は冷たい水で行いましょう。エネルギーの使用を半分に抑えることができます。
  • 着なくなった衣類はリサイクルしましょう。リサイクルすることで衣類の寿命も伸びます。
  • クリエイティブなアイディアで衣類を長く着ましょう。ジーンズに穴が空いたら、短パンにリメイクし、スウェットにシミや穴ができたらパッチや補修シールを貼ってみましょう。
  • まだ着られる衣類をオンラインで販売してみましょう。手放す方法は、廃棄やリサイクル以外にもあります。
  • 衣類の修理方法を学びましょう。衣類を買うのではなく、裁縫道具を購入してみませんか?
  • 化石燃料由来の繊維から作られた衣類は、洗濯するたびに小さなマイクロプラスチックが海に流出します。マイクロプラスチックの流出を防ぐ洗濯ネットなどを使用しましょう。
  • 乾燥機ではなく、太陽の光で乾かしましょう。アイロン作業も省くことができます。
  • 洗濯機は、いっぱいになってから回しましょう。洗濯回数を抑えることで水や電力の消費を抑えることができます。
  • コットン製品を購入する際は、オーガニックコットンを選びましょう。
  • オーガニックコットンのGOTS認証やフェアトレード認証といった第三者認証を取得している衣類を購入しましょう。
  • 服を購入する前に、ブランドの環境や社会に対する取り組みを事前に調べましょう。ブランドサイトからレポートにアクセスすることができます。
  • もし新たに衣類が必要な場合は、購入ではなくまずはレンタルできないかを考えましょう。成長期の子どもや妊娠中の方には特におすすめです。

来館者は、リストバンドをかざす前に、本当に自分がアクションプランを実践できるのかを考えます。誰かに指示されたことではなく、自分で考えて決断したことだからこそ、実際の行動に移しやすくなっているように感じます。

2021年10月から2022年3月の半年間に渡って開催されたドバイ国際博覧会(ドバイ万博)では、Fashion For Goodと同様に「自分ごと化」するための工夫が行われていました。

ドバイ万博に関する記事は、こちら▼

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

さらに、巨大なスマートボールゲームも設置されており、それぞれのゴールには来館者が取り組むことのできる目標が記載されています。私のボールは「今後30日間衣類を買わない」という目標にゴールしました。カードの裏には、「忘れないようにお財布に入れといてね!」と書かれています。

世界初!サステナブルファッションについて知るミュージアムFashion For Good

最後に

Fashin For Goodは、1時間ほどでファッション産業について十分学ぶことのできるコンパクトなミュージアムです。しかし、来訪前と来訪後では、ファッションに対する考え方や衣類を購入する際の基準が変化しているでしょう。

ファッション産業が抱えている問題や課題を目の当たりにすると、自分自身も問題の解決に向けて何か実践したいという気持ちになります。私は、一消費者として作成したアクションプランを早速実行に移していきます。本記事を通じて、皆さんと一緒に行動を変えていきたいです。

参照:
Innovation platform – Fashion for Good

あわせて読みたい
ドイツ発CLOSEDが提唱するファッションの枠を超えたイノベーション ドイツ・ハンブルクを拠点とする「CLOSED(クローズド)」は、「100%エコレーベルではない」と公言しつつも、設立当初から積極的に地球環境に優しいものづくりに取り組んできました。
あわせて読みたい
ドイツ・ベルリンで話題のセカンド・ショップ|スタンドを借りて古着販売 環境大国として「サステナブル・ツーリズム」の観点からも注目度の高いドイツですが、モノを大事にする文化は昔から人々に根付いているようです。ドイツ・ベルリンで話題のセカンド・ショップを紹介します。




環境(水、森林、海洋、エネルギー資源) 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
CO2削減 オランダ ファッション 気候変動
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

メルマガ登録




New Posts
  • ドイツで実施されている気候変動を学ぶツアー・プログラム
    2025年6月7日
  • 2つの家
    釧路市の二拠点居住モデルに学ぶ移住支援から住環境整備までの実践事例
    2025年6月6日
  • サラダと果物
    「グリーン志向消費に関する行動チェックリスト」でサステナブルな暮らしを見直してみよう
    2025年6月5日
  • 珊瑚礁とカメ
    進むサンゴ礁の衰退・白化──生態系だけでなく地域の文化や観光への影響も
    2025年6月4日
  • 手のひらにのった赤いカブ
    農業と取り組むドイツのリジェネラティブツーリズム
    2025年6月4日
  • 木と湖
    気候変動教育ツアーの最前線── 体験が変える、気候アクションのかたち
    2025年6月3日
  • ひまわりと自然
    北海道リジェネ旅 ~帯広編~
    2025年6月2日
  • ヤシの木
    自然・街・世界とつながる。米国カリフォルニアで持続可能性をテーマにしたイベントが目白押し。
    2025年5月29日
  • オリンピックのスタジアム
    東京2025デフリンピック|障がい者スポーツの未来と社会的意義
    2025年5月29日
  • 椅子に座って仕事をするサングラスの男性
    ブレジャーとは?働き方の未来を変える“仕事+余暇”の新常識を徹底解説
    2025年5月28日
Ranking
  • 環境評価システム EPEAT(イーピート)とは?認証を取得している企業事例もご紹介
    EPEAT(イーピート)認証とは?重要性と国内外の事例を紹介
    2022年2月17日
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)
    2022年3月4日
  • オーストラリアの写真
    オーストラリアの環境問題への取り組みとサステナブルツーリズム
    2024年10月2日
  • スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組み
    スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組みと成功要因を解説
    2024年7月2日
  • 観光税は持続可能な観光につながる?
    観光税は持続可能な観光につながる?世界と日本の導入事例を解説
    2024年8月6日
  • 省エネにも積極的。ニュージーランドのエネルギー事情
    【リライト】ニュージーランドのエネルギー事情と水力発電
    2023年9月29日
  • オランダの運河に浮かぶ!サステナブルな水上住宅 Schoonschip
    オランダ・アムステルダムの運河に浮かぶサステナブルな水上住宅 Schoonschip
    2023年7月21日
  • リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅
    2024年3月15日
  • リサイクル率世界トップを誇るドイツの衣料品廃棄処分の現状
    リサイクル率世界トップを誇るドイツ|衣料品廃棄処分の現状は?
    2024年1月30日
  • 環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    2023年1月19日
Category
  • サステナブルツーリズム
  • SDGs・ESG基礎
  • 環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)
  • 社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
  • 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
  • その他
    • ドバイ万博
Tag
CO2削減ESGESG投資SDGsアメリカオランダオーガニックカーボンニュートラルサステナブルツーリズムサーキュラーエコノミーステークホルダータンパク質危機ドイツドバイドバイ万博ニュースビジネスと人権ファッションフードロスプラスチックマイクロプラスチックリサイクルレポート人権人権デューデリジェンス代替タンパク質企業事例再生可能エネルギー北欧取り組み事例各国の事例地球温暖化持続可能な社会持続可能な観光日本気候変動海洋プラスチック問題温室効果ガス環境問題生物多様性畜産業脱炭素観光業界認証農業
Pick Up
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)

    CO2削減SDGsサステナブルツーリズム気候変動脱炭素観光業界
    記事を読む
  • リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅

    サステナブルツーリズムリジェネラティブ・ツーリズム持続可能な観光気候変動観光業界
    記事を読む

メルマガ登録

PR問い合わせバナー

目次