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若者たちが挑む「若者気候訴訟」未来を守るための行動とは?

2024 10/22
社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
SDGs サステナブルツーリズム 気候変動
2024-10-22
若者たちが挑む「若者気候訴訟」未来を守るための行動とは?

2024年8月6日、日本の若者が火力発電事業者10社に対して、民事訴訟を提起しました。

火力発電事業は、日本のCO2排出量の約3割を排出していると言われています。未来の世代を守る取り組みとして、16名の若者が「CO2排出量の削減」を求めて民事裁判を起こす手段を選びました。

本記事では、若者たちの訴えが起こった背景や、現在の日本が抱えるエネルギー問題について解説します。

目次

なぜ若者たちは気候訴訟を起こしたのか?

若者が気候訴訟を起こした理由は、未来を守るため。

気候訴訟の目的は、企業へ積極的な温暖化対策を求めること、そして将来の世代の権利を守ることにあります。裁判は、14歳から29歳までの勇気ある若者たちによって起こされました。

地球温暖化への取り組みは当たり前となってきましたが、依然として、各地での異常気象は減っていません。気温上昇による異常気象、生態系の破壊など、私たちの生活基盤を脅かす様々な問題は年々増加傾向にあります。

「現在の環境政策では不十分」だと考えた若者たちは、CO2排出量を極めて多く排出する火力発電事業に対し「気候訴訟」の形を選択しました。より迅速で、効果的な対策を要求するためです。

具体的には、次のことを要求しています。[1]

  • CO2排出量を、2030年までに2019年比で、48%削減すること
  • CO2排出量を、2035年度末までに 65%削減すること
  • 販売電力にかかる排出量も削減対象であること
  • 2050年までのカーボンニュートラルに向けた計画を具体化すること
  • 石炭火力発電を早期にフェーズアウトすること

若者たちの要求は「パリ協定」など、国際的な気候変動対策の枠組みに基づいています。

パリ協定

パリ協定は、世界中の国々が気候変動を食い止めるために協力することを約束した、国際的な枠組みです。

2015年フランスのパリで開催されたCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)において協定され、
2016年に発行されました。

パリ協定によって、各国が協力して気温上昇を1.5℃以内に抑えることが目標になりました。たとえば、CO₂を減らすために石炭火力発電を減らし、再生可能エネルギー(太陽光や風力)を使うことが求められています。

パリ協定は、未来のために地球を守る大切な約束です。各国がそれぞれ努力することで、気候変動の影響を抑え、人々が安心して暮らせる社会を目指しています。

異常気象が日常生活に与える影響

地球温暖化の進行に伴い、健康、食生活、住環境、経済活動など、生活のあらゆる面で影響が出ています。

発生している現象生活への影響
健康猛暑日の増加熱中症のリスクが高まる
食生活農作物の不作・食糧価格の上昇
・食糧品質の低下
住環境豪雨や台風の増加洪水や土砂災害のリスクが高まる
経済活動異常気象の増加・交通機関の乱れ
・事業所の損壊

環境省の統計によると、2023年の熱中症による救急搬送者数は、約9万人に及びました。[2] 

豪雨や台風も年々増加し、洪水や土砂災害による被害が、毎年のようにニュースで取り上げられています。国土交通省は、2023年における水害による被害額が約6,800億円に達したと報告しました。秋田県では統計開始以来、最大の水害被害を受けています。[3] 

これらの影響に対処するため、個人レベルでの防災対策や省エネ行動はもちろん、企業レベルでのBCP(事業継続計画)の策定など、様々な適応策が求められています。

異常気象が日常化しつつある現在、私たちの生活様式そのものを見直し、より持続可能な社会を目指すことが重要です。

世界と比較した日本の気候対策の遅れ

日本は温室効果ガス排出削減目標や再生可能エネルギーの導入率、脱炭素政策の実行力などの面で課題が指摘されています。

温室効果ガス排出削減目標について、日本は2030年までに2013年比で46%削減する目標を掲げています。しかし、この目標は国際的に見ると十分とは言えません。[4]

地域2030年までの目標
日本46%削減(2013年比)
EU55%削減(1990年比)
イギリス68%削減(1990年比)

再生可能エネルギーの導入率も課題です。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の統計によると、2022年の日本の再生可能エネルギーの発電量シェアは約30%でした。一方、欧州を始めとする他の地域は大幅に先行しています。[5]

地域再生可能エネルギーの導入率(2022年)
日本33.7%
イギリス49.5%
ドイツ58.6%
カナダ69.4%
ブラジル84.3%

日本は地理的条件や技術力を考えれば、より高い導入率を達成できる可能性があります。

野心的な目標設定と、実現するための具体的な政策を実行することで、世界の潮流に追いつくことも可能でしょう。企業や政府は、気候変動対策を成長戦略の柱として位置づけることが大切です。

世界の気候訴訟でどんな成果が上がっているのか?

オランダのウルヘンダ訴訟やドイツの憲法裁判所判決は、気候変動対策における画期的な判決として注目を集めています。

世界各国で起こされている気候訴訟は、環境政策の転換や企業の行動変化を促す重要な成果を上げています。

特に、オランダのウルヘンダ訴訟やドイツの憲法裁判所判決は、気候変動対策における画期的な判決として注目を集めています。

オランダ政府への訴訟

オランダでは2015年、環境団体ウルヘンダ財団が政府を相手取った訴訟で勝訴しました。

最高裁判所は、政府に対して2020年までに1990年比で温室効果ガスを25%削減するよう命じました。この判決は、政府の気候変動対策の不足が人権侵害に当たるという世界初の司法判断として注目されています。[6]

石油大手企業への訴訟

企業を対象とした訴訟でも成果が上がっています。2021年、オランダのヘーグ地方裁判所は、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに対し、2030年までにCO2排出量を2019年比で45%削減するよう命じました。

この判決は、企業の気候変動対策に関する責任を明確に示した画期的な事例となっています。 [7]

若者気候訴訟の初回口頭弁論はどう進むのか?

初回口頭弁論は、原告と被告が初めて法廷で主張を展開する、重要な場です。

初回口頭弁論は、原告と被告が初めて法廷で主張を展開する、重要な場です。裁判所では若者たちの訴えの内容や、企業側の意見が明らかにされます。

まず、原告側の若者たちが訴状に基づいて主張を行います。

  • 気候変動による具体的な被害
  • 対策の不十分さについて
  • なぜ法的な救済が必要なのか

原告の代理人弁護士が、科学的な知見や国際的な基準を引用しながら「企業の現行の温暖化対策が、若者たちの人権を侵害している」といった主張をすることが予想されます。

次に、被告となる企業側が答弁を行います。予想される被告側の反論は、次の通りです。

  • 現在実施している気候変動対策の妥当性
  • 削減目標の根拠について
  • 訴訟の適法性
  • 原告の主張する権利侵害の有無について

初回口頭弁論は一般に公開され、メディアや支援者も傍聴することができます。裁判所の判断が社会に与える影響の大きさから、多くの注目が集まることが予想されます。

第1回弁論のスケジュール

10月24日(木)14時から、名古屋地方裁判所(第2号法廷)において初回口頭弁論が開かれます。

本裁判は誰でも傍聴することができますが、整理券が必要となります。傍聴のための整理券は、10月24日の13:10から配布されます。ただし、希望者が多数集まった場合は抽選が行われるため、注意しましょう。

詳しくは「明日を生きるための若者気候訴訟」公式サイトにてご確認ください。

最後に

若者が企業を相手に裁判を起こすのは、簡単なことではありません。強大な力を持つ企業に対して声を上げるのは大きな挑戦と言えます。

企業は経済的な影響力を持ち、多くのリソースを使って裁判で戦う力があります。若者たちにとっては、時間や労力を要するだけでなく、精神的な負担も大きいです。社会からの批判やプレッシャーも考えられます。

しかし、若い彼らは自分たちの行動が、将来の環境に影響を与えると信じて行動しています。勇気ある若者の行動は、気候変動への無関心を打破し、社会に変化を促すきっかけになるでしょう。

参考文献

[1] 訴状本文

[2] 環境省 令和5(2023)年の全国の暑さ指数(WBGT)の観測状況及び 熱中症による救急搬送人員数と暑さ指数

[3] 国土交通省 令和5年水害統計調査

[4] 環境省国内外の最近の動向について(報告)

[5] IRENA Renewable energy statistics 2023

[6] オランダ最高裁 歴史的判決(12月20日) 気候の危機を認め、政府に削減を命じる

[7] オランダ・ハーグの地方裁判所がロイヤル・ダッチ・シ ェルに CO2 の純排出量を 2030 年までに 2019 年比で 45%削減するよう命じた事例




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