「ダイバーシティ」の先に進めない組織へ。停滞を打破する鍵は「インクルーシブ・リーダーシップ」の実装にあり

「多様な人材を採用したものの、組織の力が最大化されていない」
「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を掲げているが、現場の行動が変わらない」
多くの企業が今、こうした「形式的なダイバーシティ」からの脱却という壁に直面しています。 単に属性の多様性(ダイバーシティ)を確保するフェーズから、それを競争力へと昇華させる「インクルージョン(包摂)」の実践フェーズへ。
この移行を成功させるために不可欠なのが、次世代のリーダーに求められる「インクルーシブ・リーダーシップ」です。
本稿では、なぜ今このスキルセットが経営課題となるのか、そして座学だけでは到達できない「マインドセット変革」の手法について、立命館アジア太平洋大学(APU)での実践事例を交えて解説します。
株式会社アスエクは本プログラムの取り扱いをおこなっております。
研修に関するお問い合わせはこちら▶︎ https://regenetabi.jp/contact/
「違い」があるだけでは、イノベーションは起きない

「ダイバーシティ(Diversity)」は、性別、年齢、国籍、障がいの有無、価値観、ライフスタイルなど、人々が持つ様々な「違い」が存在する状態を指します。
近年、経済産業省も、ダイバーシティが企業の持続的な成長に不可欠な戦略の一つであるとの認識を示しており、その推進に向けたガイドラインを策定しています。[1]
かつてダイバーシティは、CSR(企業の社会的責任)や福利厚生の文脈で語られることが多くありました。しかし、VUCAと呼ばれる不確実な現代において、それは明確な「経営戦略」へと変化しています。
しかし、ここで多くの組織が陥る罠があります。それは「多様な人を集めれば、自然とイノベーションが起きる」という誤解です。単に異なる背景を持つ人々が同じ場所にいるだけでは、摩擦や分断が生まれることさえあります。
「違い」が存在する状態(ダイバーシティ)を、「違いが活かされている状態」(インクルージョン)へと変える触媒が必要です。その触媒となるのが、リーダーの振る舞いなのです。
リーダーに求められる「6つの資質」とは

インクルーシブ・リーダーシップとは、メンバーそれぞれの独自性を認め、心理的安全性を担保しながら、組織の成果につなげる能力を指します。
具体的には、以下の6つの資質が求められます。
1.自己認識(Self-Awareness)
誰もが無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を持っています。まずは自分自身の思考の癖や偏見、価値観を客観的に認識し、それが他者との関わり方にどう影響するかを理解することが第一歩です。
2.好奇心(Curiosit)
自分とは異なる文化、価値観、経験を持つ人々に対して、先入観を持たずに純粋な関心を持ち、積極的に理解しようと努める姿勢が重要です。
3.共感力・他者受容(Empathy & Acceptance)
相手の感情や状況に寄り添い、その考えや意見を頭ごなしに否定せず、まずは受け止めようとする力です。
4. 謙虚さ(Humility)
自分の知識や能力には限界があることを認め、自分とは異なる意見や専門性を持つ他者から謙虚に学ぼうとする姿勢が、多様な知見を引き出す鍵となります。
5. 勇気(Courage)
たとえ少数意見であっても、多様な意見が表明されることを奨励し、建設的な議論を促す勇気も必要です。また、インクルージョンを阻害するような言動や状況に対して、臆せず指摘し、改善に向けて行動することも含まれます。
6. 異文化適応力(Cultural Intelligence, CQ)
様々な文化的背景を持つ人々と効果的に関わり、協働していくための能力です。文化的な違いを理解し、自身の行動やコミュニケーションを状況に合わせて調整する力が求められます。
なぜ「座学」ではリーダーが変わらないのか
多くの企業がリーダー研修を実施していますが、「わかったつもり」で終わってしまうケースが後を絶ちません。それは、インクルージョンが「知識」ではなく「体験」を通じてしか腹落ちしない概念だからです。
「マイノリティとしての孤独感」や「伝わらないもどかしさ」は、スライドを見ているだけでは理解できません。だからこそ、今注目されているのが、圧倒的な「原体験」を提供するフィールドワークです。
その最先端を行くのが、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)が提供するエグゼクティブ向けプログラムです。

立命館アジア太平洋大学(APU)「インクルーシブ・リーダーシップ研修」のご紹介
立命館アジア太平洋大学(APU)は、多文化協生を理念に掲げ、世界中から集まる多様な学生が共に学ぶ国際的な大学です。その特色は、異なる文化や価値観を持つ人々が共存する環境の中で、グローバルな視点と異文化理解、そして実践的なコミュニケーション能力を育成することにあります。
APUでは、多様性を尊重し、それを組織の力に変える「インクルーシブ・リーダーシップ」の重要性を強く認識し、その育成に力を入れています。
研修に関するお問い合わせはこちら▶︎ https://regenetabi.jp/contact/
「世界」の縮図と「共生」の現場に身を置く3日間
APUは、学生の約半数が国際学生という、まさに「世界の縮図」のような環境です。このキャンパスで行われる研修は、単なる講義ではありません。
特筆すべきは、障がい者雇用のパイオニアである「太陽の家」や「オムロン太陽」との連携です。参加者は、実際に車いすに乗って移動したり、手話のみでのコミュニケーションを試みたりするワークショップに参加します。

そこで初めて、普段「マジョリティ」側・「健常者」側として無意識に享受していた特権や、社会が生み出している障壁(社会的障壁)の存在に気づくのです。
「言葉が通じない」「身体が思うように動かない」という環境下で、いかにして他者と協働し、成果を出すか。この強烈な体験こそが、リーダー自身のバイアスを打ち砕き、真のインクルーシブ・マインドを醸成します。

1日目:インクルーシブ・リーダーに関する理解を深める
講義テーマ
- 「多様性を自社の力にするために必要なこと(現状と課題)」
- 「多様性を包摂する共生社会」
- 「様々な障がいについて知る」
ワークテーマ「What is Inclusive leadership」
- 学生へのインタビュー
- インタビュー結果を交えたディスカッション
- 発表&グループワーク
2日目:多様な人々との協働を体感する
講義テーマ
- 「ダイバーシティ&インクルージョン戦略」
ワークテーマ「様々な障がいを持つ方とのコミュニケーションを学ぶ」
- マイノリティ研修(車いす、手話などの体験を含む)
- 多様な人々との協働を体感する
3日目:多様な人々との協働を体感する:違いを歓迎する
講義テーマ
- 「違いを受け入れ、歓迎する:異文化理解/イノベーション(Creative thinking)」
講師は、インクルーシブ・リーダーシップ・センター(CIL)副センター長のROUX Peter氏が務めます。

次なるリーダー育成のスタンダードへ
座学でのインプットと、多文化・ダイバーシティ環境での強烈なアウトプット体験。この両輪が揃って初めて、リーダーの行動変容は起こります。
株式会社アスエクでは、このAPUでのインクルーシブ・リーダーシップ研修(2泊3日)の参加者を募集しています。
組織のD&Iを「スローガン」から「競争力」へと進化させるために。まずはリーダー自身が、多様性の熱気の中に身を投じてみてはいかがでしょうか。
【研修プログラム概要】
- 名称: インクルーシブ・リーダーシップ研修
- 場所: 別府市(立命館アジア太平洋大学、太陽の家、オムロン太陽)
- 期間:2026年度秋・冬開催予定
- 費用: 1名 440,000円(税込・宿泊費込)
※ご出発地から別府までの往復交通費及び研修期間中の食費は別途ご負担ください。 - 定員:各回10名程度(最少催行人員5名)
- 取扱: 株式会社アスエク
▼ お問い合わせ・詳細はこちら
本研修に関して、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 https://regenetabi.jp/contact/
