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インクルーシブツーリズムとは?すべての人が安心して楽しめる観光

2024 9/03
サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム
2024-9-6
インクルーシブツーリズムとは?多様性社会における観光が目指すもの

すべての人が障壁や制限なしに安心して旅行を楽しめるようにすることを目指すインクルーシブツーリズムを促進する動きが世界で広まっています。

本記事では、日本の観光庁も推進しているインクルーシブツーリズムの概念や取組事例を紹介します。

目次

インクルーシブとは

多様性

そもそも「インクルーシブ」とは、異なる背景や特性を持つ全ての人々が平等な機会を享受し、積極的に社会に参加できる環境を整えるためのアプローチや姿勢を指します。

この考え方は、差別や排除を防ぎ、全ての個人が尊重されることを目指しています。

以下に、インクルーシブの重要な側面や原則について詳しく説明します。

  • 平等な機会の提供
    インクルーシブなアプローチは、差別を排除し、全ての個人が同じ機会を享受できるように、異なる属性や特性を持つ人々に平等な機会を提供することに努めます。

  • 尊重と平等
    インクルーシブな環境では、個々の違いを認識し、尊重することで、異なる背景や特性を持つすべての人々が尊重され、平等に扱われます。

  • 異なる視点やアイデアの尊重
    インクルーシブな組織や社会では、異なる視点やアイデアが尊重され、受け入れられる環境を作り出すことで、創造性や革新性が促進されます。

  • 積極的な参加
    インクルーシブな環境は、コミュニケーションを促進し、参加の機会を提供することで、異なる背景を持つ人々が積極的に参加できるようにします。

  • アクセシビリティの向上
    インクルーシブなアプローチは、物理的な環境や情報へのアクセスを向上させて、全ての個人が参加しやすいようにします。アクセシビリティの向上は、障害の有無にかかわらず、全ての人が平等に利用できるようにするための重要な要素です。

  • ダイバーシティの尊重
    インクルーシブな環境では、異なる背景や文化を尊重し、多様性を積極的に取り入れることで、豊かな多様性が組織や社会に反映されます。

  • 教育と意識向上
    インクルーシブな環境を促進するために必要になる、「異なる背景を理解・尊重するための知識」の習得のため、関係者や個人に対して教育や意識向上の機会を提供することが求められます。

インクルーシブなアプローチは、個々の違いを認識し、尊重し、平等な機会を提供することで、多様性が活かされた健全かつ持続可能な社会や組織を創ることを目指しています。

インクルーシブが求められる理由は、社会や組織において多様性を尊重し、全ての個人が平等な機会を享受できるような環境を構築するためです。

インクルーシブ ツーリズムとは

インクルーシブツーリズムとは

ここまでインクルーシブの原則について確認してきましたが、インクルーシブ(inclusive)には「包み込む」「包摂的な」「全てを包む」という意味があります。

インクルーシブ ツーリズムとは、特別な調整や設備を必要とする障害者、高齢者、小さな子供連れの家族、病気を持つ人々、外国人などを含む幅広い旅行客の不安や不確実性を削減して、観光体験を向上させることを指します。

インクルーシブ ツーリズムの背景

インクルーシブツーリズムの背景を理解するためには、アクセシブルツーリズムやユニバーサルツーリズムについても知ることが重要です。ここでは、それぞれの定義と実施されている取り組みについて紹介します。

アクセシブルツーリズム

アクセシブルツーリズムとは、高齢者や障害者、ベビーカーに乗るような乳幼児を連れた旅行者など、移動やコミュニケーションに困難を抱える人のニーズに応えながら、誰もが旅を楽しめることを目指す取組です。誰でも利用できるように企画された旅行商品やサービス、環境を提供することで、運動、視聴覚、認知面でサポートを必要とする人が、自律的に尊厳を持って行動できるようにします。

東京都では、「誰にでも優しく、どこへでもいける 東京」としてアクセシブルツーリズム推進のために様々な事業に取り組んでいます。東京都の補助金を活用した事例として、帝国ホテルでは、外構部主要出入口にスロープを設置し段差を解消、パブリックエリアに誰でも利用できる多目的トイレを設置しました。アルカディア市ヶ谷(私学会館)では2階エントランスにスロープ、手すり、車椅子リフトを設置しました。

詳しくはこちら:東京都アクセシブル・ツーリズム ポータルサイト

ユニバーサルツーリズム

ユニバーサルツーリズムとは、高齢や障害等の有無にかかわらず、すべての人が安心して楽しめる旅行を指します。高齢者や障害のある人だけではなく、妊産婦や乳幼児連れ、言語や習慣の違いを持つ外国人など何らかの不自由さを抱えるすべての人たちを対象としています。

観光庁では、高齢化社会に伴う高齢者の旅行需要増加に対応するため、ユニバーサルツーリズム(誰もが気兼ねなく参加できる旅行)の普及、定着を目指しています。バリアフリー対応や、情報発信に積極的に取り組んでいる観光施設(宿泊施設、飲食店、観光案内所、博物館)を対象とした「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を実施しています。観光施設のバリアフリー対応と情報発信を向上させることを支援し、高齢者や障害者がより安全で快適な旅行をするための環境整備を推進しています。

認定を得るには、高齢者や障害者が施設を安全・快適に利用できる措置を3つ以上実施する(例:聴覚障碍者向けにテレビの字幕を表示できるリモコンを設置する、浴室にシャワーチェアを用意するなど)、従業員に対してバリアフリーに関する教育訓練を行う(例:観光庁発行マニュアルを利用して社内勉強会を実施する)、自社のウェブサイトで施設のバリアフリー情報を発信する、という基準をすべて満たす必要があります。

認定された観光施設には、観光庁が定める認定マークが交付されます。関東地方では京王プラザホテル、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル、シェラトン都ホテル東京など多数の施設が認定を得ています。

詳しくはこちら:観光施設における心のバリアフリー認定制度

インクルーシブツーリズム

一方、インクルーシブツーリズムは高齢者や障害者もその対象にしますが、あらゆる形態の疎外された人々や組織を対象とし、身体的・知的・感覚的な障害や年齢、性別、文化的背景などに関係なく、誰もが参加しやすい環境を提供することを指します。多様な食習慣・文化的習慣を有する訪日外国人旅行者への受け入れ対応としてのバリアフリー化や情報提供、多言語対応、文化的な配慮なども含まれます。これにより、より多様な人々が観光を楽しめるようになり、社会的包摂が促進されることになります。

観光庁では、今年4月に「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド」を策定するなど、訪日外国人旅行者に快適・安心で満足度の高い受入環境を整備するための取組を推進しています。7月には同ガイドに基づく実践的な取組を促進するため、地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)等が観光関係者と連携した取組を実施する、「地域一体となったインクルーシブツーリズム促進事業」としてモデル地域を公募しました。(8月26日募集終了)具体的な事業内容の例は、日本食らしさを備えたヴィーガンメニューの開発や食のピクトグラム(意味するものの形状を用いて、その意味概念を理解させる記号)、礼拝所の整備などが挙げられます。

インクルーシブツーリズム促進事業はこちら:
「地域一体となったインクルーシブツーリズム促進事業」の公募を開始します!

また、東京都では、誰もが東京の自然を安心して楽しめる観光プログラムを提供する事業者等に対してプログラムの実施に必要となる備品等の導入経費の一部を補助する「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」を募集しています。(対象期間:交付決定日から2025年3月31日まで)

アウトドア用・水陸両用車椅子、砂利道などのアクセスを容易にするアクセスマット、防水性筆談器などが経費の対象となります。

誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金はこちら:
誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業|観光|東京都産業労働局

このように、ツーリズムの3つの概念をまとめると次のようになります。

  • ユニバーサルツーリズム:設備、備品などの整備から、言語や文化の違い、コミュニケーションにおけるサポートまで、ソフト・ハードの両面から環境デザインを改善すること

  • アクセシブルツーリズム:移動時の安全な導線を確保すること

  • インクルーシブツーリズム:どちらの要素も含み、対象者を限定せず「誰でも」一緒に快適であること

3つの概念には共通点もあり、明確な線引きはありませんが、アクセシブルツーリズム、インクルーシブツーリズムを含めた概念がユニバーサルツーリズムと言えるでしょう。

アクセシブルツーリズム導入例|ニュージーランド

ニュージーランド

多様性を受け入れる共生社会を目指す ニュージーランドでは、アクセシブルツーリズムを実践しています。具体的な取り組みを紹介します。

①移動

旅行先で自由に移動するにはレンタカーが必須。Freedom MobilityやDisability Vehicle Rentalsでは、手動運転補助装置を搭載した車や、車いす用スロープの付いた車など、特殊仕様のレンタカーの貸し出しを行っています。また、ほとんどのタクシー会社では車両に車椅子や歩行器を乗せることができます。バス・電車・フェリーなどの公共交通機関でも車椅子やベビーカーでアクセスできるようになっており、盲導犬などの補助犬の同乗も許可されています。

アクセシブルに配慮したレンタカーサービスの事例:
Freedom Mobility
Disability Vehicle Rentals

②宿泊

多くのホテル、モーテル、バックパッカーでは車いすのアクセスがあり、安全な導線が確保されています。

※B&Bやキャンプサイトなどの宿泊施設を利用する際は事前の確認が必要です。

③アクティビティ  

島国であるニュージーランドでは、ビーチでのアクティビティが楽しめます。車椅子で砂浜を通って海辺へ移動しやすいように、ビーチ用車椅子やビーチアクセスマットをレンタルしているビーチもあります。レンタル品を提供しているビーチの詳細はAccessible Beaches New Zealandで確認できます。

ビーチの検索はこちら:Accessible Beaches NZ

車いすやベビーカーと一緒でもハイキングが可能になっています。Department of Conservation (DOC) のウェブサイトでは、車いすに優しい自然遊歩道のあるトレイルを検索できます。

トレイルはこちら:Department of Conservation

カヤックやバンジージャンプ、ラフティングなどのアドベンチャーも楽しめます。Making Trax Foundationでは身体障害があっても参加できるアクティビティの要覧やパッケージツアーの提供、四輪バイクやユニバーサルハーネスのレンタルを行っています。

インクルーシブに配慮したアドベンチャー体験の事例:Making Trax

最後に

多くの施設やサービスは、すべての人が使いやすいような設計・企画が採用されているわけではありません。高齢者や障害者などの一部の人は、利用者のターゲットから排除されているのが現状です。

インクルーシブには、「包み込む」という意味が込められています。インクルーシブツーリズムでは、マイノリティのためこれまでターゲットから排除されてきた人々を含めて、共に観光を楽しめる時間と空間を提供することを目指しています。個々の「違い」を受け入れ、認め合い、生かしていく多様性社会では、インクルーシブツーリズムが観光のスタンダードになっていくのではないでしょうか。




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