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GSTC2024レポート・ツアーオペレーターによるローカル文化価値の再認識と貢献

2024 11/29
サステナブルツーリズム
GSTC サステナブルツーリズム 企業事例 持続可能な観光 気候変動
2024-11-262024-11-29

地域のローカルな文化を生かしたツアーを組成する場合、地域住民やローカルな文化を披露してくれる当事者と良好な関係を築くことで、魅力的な観光体験の提供が可能となります。

GSTC2024では「ツアーオペレーターとローカルな文化」をテーマにパネルディスカッションが開催されました。

目次

ローカルな文化を活用し、ツアーを組成する場合の6つの注意点

地域のローカルな文化を活かしたツアーを組成する際には、以下の点に注意することが重要です。これらを守ることで、地域文化の魅力を存分に伝えると同時に、地元との信頼関係を深め、観光が長期的に持続可能な形で発展することが期待できます。

1. 文化への敬意と理解

現地文化のリサーチ: 伝統、慣習、タブーを深く理解し、それに反する内容をツアーに組み込まない。

地元住民への相談: ツアー内容やプランを地元のキーパーソンやコミュニティに事前に相談し、文化的に適切か確認する。

2. 地元コミュニティとの連携

協力関係の構築: 地元のガイドやアーティスト、職人を積極的に巻き込み、収益を地元に還元する仕組みを作る。

観光の影響を最小化: ツアーが地元の生活や環境に悪影響を与えないよう、参加者数やスケジュールを調整。

3. 文化の適切な紹介

文化の誤解を避ける: 簡略化やステレオタイプ化を避け、正確で深みのある情報を提供。

観光客の教育: ツアー開始前に、文化や行動規範について観光客に説明し、リスペクトを促す。

4. 環境保護と持続可能性

資源の持続可能な利用: 地元の自然や文化資源を守るため、無理のないスケジュールや活動を設定。

ゴミや騒音の管理: ツアーによる環境負荷を軽減する取り組みを導入

5. 法的および倫理的な配慮

許可の取得: 神聖な場所やプライベートなエリアを訪れる際には、事前に必要な許可を取る。

搾取を避ける: 地元文化や人々を「見せ物」にしないよう、ツアーの内容やトーンに注意。

6. フィードバックの活用

観光客と地元住民の意見を聴く: ツアー終了後に双方からフィードバックを収集し、改善点に反映させる。

持続的な改善: ツアーが文化や環境にポジティブな影響を与えるように調整を続ける。

日本におけるローカル文化体験の取り組み事例

本パネルディスカッションでは、日本でローカル文化の体験をツアーで提供している事業者2社の代表者が登壇しました。

Yamabushidoツアーを提供する株式会社めぐるんの代表取締役 加藤丈晴さんと環境への配慮、地元コミュニティとの連携、現地体験の豊かさを追求する旅行会社であるIntrepid Travelで日本市場のGeneral ManagerのKenny Onishさんです。

取組事例① Yamabushido

 「Yamabushido(山伏道)」は、日本の伝統的な修験道の修行や精神性を体験できるユニークなツアーです。このツアーは、自然の中での修行を通じて心身を鍛え、自己を見つめ直すことを目的としています。

特に、山形県の出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)で行われる修験道の文化や自然に触れることができます。

1. Yamabushidoツアーとは?

山伏修行の体験型プログラム
山伏(修験道の修行者)が行う自然の中での修行や伝統的な儀式を観光客向けに体験型プログラムとして提供。参加者は精神的な浄化や内省を促す修行に取り組むことができます。

「生まれ変わり」をテーマにした体験
山伏文化には「再生」「自己再発見」の要素があり、ツアーではこれを現代的にアレンジしています。

現地のガイド(山伏)との交流
本物の山伏がガイド役を務め、歴史や精神性、儀式について詳しく解説。観光客は文化や伝統について深く学ぶことができます。

2. 主なアクティビティ

禊(みそぎ)

川や滝での浄化の儀式です。水の冷たさを感じながら心身を清めます。

登山修行

自然豊かな出羽三山を歩きながら、心を落ち着ける修行です。瞑想的なトレッキングとも言えるでしょう。

火渡り(火生三昧)

出羽三山の火渡り神事は、修行者の再生と浄化を象徴する重要な儀式です。

山から下山する際に行われ、たき火のような火を「おぎゃー!」と叫びながら飛び越えます。新たな生命の誕生を表し、修行の総仕上げとして心身の力を確認する機会となります。

精進料理の体験

地元の山伏文化に根ざした菜食中心の食事で、身体を内側から整えます。

山伏の衣装体験

山伏の衣装(白装束)を身にまとい、儀式や修行に参加します。

3. Yamabushidoツアーの目的

自然とのつながりを深める


修験道の哲学は自然と人間の調和に重きを置いています。ツアーを通じて、自然の力を感じ、自身を見つめ直すことができます。

心身のリフレッシュ


ストレスが多い現代社会で、山伏の教えを通じて心をリセットすることが目的です。

文化の保存と継承


修験道は日本の貴重な文化遺産であり、このツアーはその魅力を国内外に広める役割を果たしています。

Yamabushidoツアーは、ただの観光ではなく、自然と一体化しながら自己を再発見する特別な体験です。現代の忙しい生活から離れ、心身を整えたい人におすすめです。

パネルディスカッションで、最初は体験のみの提供だったが、地域コミュニティと対話する中で、自然とツアーオペレーターになっていったと加藤さんは話します。ツアーオペレーターとして稼いだ売上の一部を地元の森林保全に寄付し、ツアーを通じた文化の保全だけでなく、自分たちの文化や環境、価値が未来の環境や文化を創造し、それを地元民が感じることが出来るように試行錯誤しているそうです。

Yamabushidoツアーは主に高単価層をターゲットに集客しています。そのため、宿泊施設や体験などの提供キャパシティに限りがあり、この後どのように成長をしていくかが重要です。持続可能な発展のためのより良いビジネスモデルとバリューチェーンを加藤さんは模索し続けています。

Yamabushidoツアーについての詳細はこちら

取組事例② Intrepid Travel(川根町の事例)

Intrepid Travelは、持続可能な小規模グループツアーを専門とする旅行会社です。世界中の旅行者にユニークで現地文化に根ざした体験を提供しています。

1989年にオーストラリアで設立され、現在は約100か国以上でツアーを展開しています。特に「エシカル」かつ「ローカル」に焦点を当てた旅行を重視しており、観光業界でのリーダー的存在とされています。

1.小規模グループツアー

最大16人程度の少人数で旅行を行い、個別性の高い体験が可能。混雑を避け、地域との深いつながりを重視。

2. 持続可能性の追求

カーボンニュートラル認証企業(2010年取得)として、全ツアーの二酸化炭素排出量をオフセット。

地元経済をサポートするため、地元の宿泊施設や交通機関を利用。

3.ローカル体験を重視

地元ガイドがツアーを案内し、その地域の文化、歴史、料理を深く知ることができる。

4.倫理的旅行

動物観光や児童労働につながる観光を排除。

LGBTQ+や女性の旅行者に配慮した安全で包括的なツアー設計。

5.ツアーの多様性

アドベンチャー旅行からリラックスできる都市ツアーまで幅広い選択肢がある。

フィットネスレベルや興味に応じたツアーを提案。

本パネルディスカッションで、Kennyさんは、静岡県川根町で住民と一緒に行う茶摘み体験について紹介しました。静岡県中部に位置する川根町は約6,000人の人口で、自然豊かな山間部に広がる地域です。大井川沿いにあり、昔ながらの日本の田舎の風景とともに、茶畑や伝統文化が色濃く残るエリアです。

川根の茶摘み体験プランには、以下の要素が含まれます。

  • 川根までの景勝列車の乗車体験
  • お茶農園訪問、茶摘み体験、お茶の淹れ方体験と試飲
  • 地元の家庭でのホームステイ(1泊)と手作りの夕食

川根のお茶農家がおこなう取り組みは、茶摘み体験の提供だけではありません。地元のお茶農園では、茶摘み体験に加えて、お茶の正しい淹れ方についても学ぶことができます。

さらに、この体験では1泊のホームステイも含まれており、より深い文化交流が可能です。茶摘み体験後、ホストは自宅にゲストを招いて家庭料理を振る舞います。ゲストは庭で採れた旬の野菜を使った家庭料理を味わいながら、日本の家庭料理について学べます。

このようなローカル性の強い地域で、訪日外国人客が参加するツアーの組成は大変だと思います。Kennyさんは、DMOにも協力してもらいながら、足繁く、川根町を訪問し、地道に地元民の信頼を勝ち取っていったそうです。他社にはない、Intrepid Traveの強みであるローカル体験を川根町で実施できたことで、正真正銘の価値を味わえる体験として、人気を誇っています。

Intrepid Travelについての詳細はこちら

まとめ

ローカルな体験や文化財を活用するツアーは、非常にセンシティブです。ツアーオペレーターは、地域コミュニティと継続した対話を繰り返し、相互理解を促すとともに、観光がもたらす経済的理由以外のポジティブな影響を地元住民が理解できるよう、努力する必要があります。

地元住民との信頼関係構築は焦らず、時間をかけて、継続的に行うことが重要だと、本パネルディスカッションで繰り返し強調されました。

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