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【COP29現地レポート】サステナブルツーリズムを推進するトルコの観光立国戦略

2024 11/27
サステナブルツーリズム
CO2削減 COP29 サステナブルツーリズム 持続可能な観光 気候変動
2024-12-3

トルコではサステナブルツーリズムの推進に向けたさまざまな取り組みが進められています。これらの取り組みは、観光業が持つ経済的な潜在能力を活かしつつ、環境への配慮と地域社会の利益を確保することを目指しています。

まず、トルコ政府は観光業の環境的、社会的、経済的持続可能性を強化するために、グローバル・サステナブル・ツーリズム評議会(GSTC)と連携し、国家的なサステナブルツーリズムプログラムを開発しました。

このプログラムでは、観光地のエネルギー効率向上や再生可能エネルギーの導入を促進するための基準が定められています。

目次

観光立国を目指すトルコ

トルコの観光立国戦略は、その豊かな歴史的・文化的資源を活用し、観光を国の経済発展の主要な柱として位置づけています。特に観光産業の成長を促進するための戦略的計画は、観光客の増加と観光収益の増加を目指しています。

トルコ政府は観光産業の多角化を推進しており、観光業の影響を受ける地域社会への利益が広がるよう努力しています。これには、特に持続可能な観光の推進が重要です。

近年、トルコ国内で訪問者数が急増し、2023年には過去最高となる5670万人の外国人観光客を迎え入れ、観光収入も記録的な増加を達成しています。

また、トルコは観光地の保護と開発のバランスを取ることに重点を置き、環境への配慮と地元住民の生活向上に貢献する方法で観光を展開しています。観光インフラの整備はもちろん、グリーンツーリズムやエコツーリズムを支援する政策も推進されています。

さらに、トルコの観光戦略は観光客の質を高めることにも焦点を当てており、特に高額消費型観光客をターゲットにすることで観光収益の向上を目指しています。例えば、イスタンブールなどの主要都市が、国際的な観光ハブとしての地位を強化しています。

観光戦略の一環として、トルコは観光地ごとに地域特性に基づいたプロモーションを行い、国全体の観光魅力を高めるとともに、地方の観光資源の開発を進めています。地元住民と観光産業が協力して持続可能な観光地の開発を行うことも、トルコの観光戦略の重要な要素です。

観光立国を目指すトルコの課題

トルコが観光立国を目指す上で直面している課題は、オーバーツーリズムや観光事業従事者の能力など、多岐にわたります。

オーバーツーリズム

急速な観光産業の発展は、環境や地域コミュニティへの負担を増大させる可能性があります。特に、人気観光地でのオーバーツーリズムは、自然環境の劣化や地域社会への負担を引き起こしています。

トルコ政府はサステナブルツーリズムを推進し、地域資源の保護と環境保全を重視していますが、その実現には多大な努力と投資が必要です。

また、観光産業が地域経済や社会に与える長期的な影響についても十分に考慮する必要があります。トルコの観光インフラは都市部や主要観光地には整備が進んでいる一方で、地方や未開発地域には十分なインフラが整っていない場合が多いです。

観光客を効率的に受け入れるためには、地方の交通機関や宿泊施設の整備、観光地へのアクセス改善が求められます。これにより、観光産業がより多くの地域に広がり、均等な経済効果をもたらすことが可能になります。

コンテンツの多様化と高付加価値化

トルコは長らくカッパドキアやパムッカレなどの人気観光地やリゾート観光に依存してきましたが、観光の多様化を進める必要があります。

文化・歴史的観光やエコツーリズム、アクティブツーリズム、医療ツーリズムなど、新しい観光形態を推進することで、訪問客に対して新たな魅力を提供することが求められます。

特に高額消費型の観光客をターゲットにするための戦略を強化する必要があり、これが今後の観光戦略における重要な課題となっています。

観光事業従事者の能力とスキル

観光産業に従事する労働者の待遇やスキル不足も課題です。観光産業は労働集約型であり、サービス品質の向上には熟練した労働力が不可欠です。

しかし、観光産業の労働者の多くは低賃金で長時間働かされるケースが多く、これが観光サービスの質の向上を妨げる要因となっています。

観光業の労働条件を改善し、従業員のスキルアップを図ることが、観光立国としての発展には必要不可欠です。

課題解決のためにサステナブルツーリズムを推進

トルコの観光戦略は多面的であり、観光産業の発展を経済成長の推進力としながら、持続可能な観光と地域社会の発展を両立させることを目指しています。

また、特に注目すべきは「グリーンツーリズム」の促進を目的とした「成功の三角形(Triangle of Success)」というプロジェクトです。

このプロジェクトは、エネルジサ(Enerjisa)とサバンジ大学、国連開発計画(UNDP)が連携し、再生可能エネルギーの利用拡大を目指しています。具体的には、クチュックコイの地域で、持続可能なエネルギーを基盤とした観光モデルの構築を試みており、この結果は他の地域にも広げていく予定です。

「成功の三角形(Triangle of success)」についてはこちらを参照。

さらに、観光業の持続可能性を支えるためには、地域のコミュニティの利益を確保することが重要です。UNDPは、観光業者が自然環境を尊重するよう促すとともに、特に地域の女性に対してエネルギー効率やエネルギー監査のトレーニングを提供し、ジェンダー平等の観点からも支援を行っています。

このように、トルコでは観光業の発展と環境保護、地域社会の発展を両立させるためのさまざまな取り組みが進められています。今後も、これらのイニシアティブがトルコ国内外の観光地に広がることが期待されます。

GSTCをサステナブルツーリズムの国家基準として導入

トルコは、観光産業における持続可能性を推進するため、GSTCと提携し、全国規模でサステナブルツーリズムプログラムを開発しました。

このプログラムは、観光業の発展を促進しつつ、環境や地域社会への配慮を欠かさず、持続可能な方法で観光資源を活用することを目指しています。GSTC基準に基づき、主に4つの戦略を展開しています。

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全国的な基準と認証の導入

トルコは、GSTC基準に基づいて観光産業の持続可能性を高めるため、産業全体のガイドラインと認証制度を導入しました。特に宿泊施設には段階的な認証システムが導入されており、2030年までにすべての宿泊施設がGSTC基準を満たすことを目標としています。

2023年には、すべての宿泊施設に「ステージ1」の認証取得が求められ、最終的には「ステージ3」の認証を受けることが義務付けられています。

地方のホテルにもGSTC認証を義務づける方向で進んでおり、特に規模に関わらず第三者による監査を必須とするなど、業界全体に対して義務的なプログラムが求められています。

地域の持続可能な観光促進

トルコの観光戦略は、地域ごとの特色を生かした持続可能な観光の推進を目指しています。例えば、環境に優しい観光地のルート設定、地元産品の利用促進、文化遺産の保護に向けた取り組みが強調されています。

また、「Go Sustainable Türkiye」というプラットフォームを通じて、持続可能な観光体験や地元のレストラン、イベントなどが紹介され、観光客に環境に配慮した選択肢を提供しています。

教育と認証制度の強化

トルコでは、観光産業の専門家やスタッフを対象にしたサステナビリティに関する教育プログラムが実施されており、GSTC認証を受けたトレーナーによる指導が進められています。

これにより、観光産業全体でサステナブルツーリズムの実践が広がることを目指しています。

環境配慮型施設の支援

トルコ政府は、環境負荷の少ない施設の増加を促進しており、特にエコホテルや再生可能エネルギーを活用した施設が注目されています。

これらの施設は、旅行者に持続可能な観光の重要性を訴え、環境に配慮した運営を行っています。

あとがき

トルコのサステナブルツーリズム戦略は、観光業全体で持続可能性を高め、環境や地域社会との調和を重視する方向へ進んでいます。

トルコ政府は、この取り組みが最終的に大きな利益と需要を生むと信じており、コストは一時的に上昇するものの、持続可能な観光業の発展に向けた強い意志を示しています。

GSTCとの協力を通じて、国際的な観光基準に合わせた観光業の再構築が進められており、最終的には観光業が環境に優しく、地域社会にも利益をもたらす形で成長することが期待されています。

また、サステナビリティは高コストであるという誤解もありますが、例えばフードロス削減など、低コストで実施できる具体的な施策も存在します。

これらを実現するためには、スタッフのトレーニングが不可欠であり、特に新入社員には早期にトレーニング機会を提供することが、サステナビリティ実現の鍵となります。

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