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星野リゾートのSDGsとは?ESGやCSV経営の取り組みを解説

2025 3/03
サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム 企業事例 持続可能な観光 気候変動
2025-1-202025-3-3
星野リゾートのSDGsとは?ESGやCSV経営の取り組みを解説

宿泊業のサステナビリティや脱炭素化の取り組みが加速しています。星野リゾートは1990年代から独自の環境経営を実践してきました。

「勝手にSDGs」と名付けた取り組みは、環境配慮型建築から伝統文化の継承まで多岐にわたります。

本記事では、星野リゾートが実践するCSV経営(共通価値の創造)の具体例を紹介し、観光業における持続可能な未来への取り組みを解説します。

地域社会と共に成長し、次世代に豊かな自然と文化を引き継ぐ「新しい観光」のあり方がわかるため、ぜひ最後までお読みください。

目次

星野リゾートのSDGsとは?

星野リゾートのSDGsとは?

星野リゾートはSDGsを単なる目標ではなく、経営を推進するための重要なフレームワークとして捉え、「勝手にSDGs」という独自の取り組みを展開しています。

具体的には、伝統文化の継承支援やエコツーリズムなど下記のような活動を実施しています。

  • 環境に配慮した建築
  • 伝統文化の継承支援
  • エコツーリズム
  • グリーンツーリズム

「星のや軽井沢」での自給自足エネルギーシステムや、「界」ブランドでの地域文化体験プログラム、「リゾナーレ那須」での農業体験など、それぞれの施設が地域の魅力を活かした独自の取り組みを行っています。

1990年代から一貫して取り組んできた環境経営の理念をさらに発展させたものであり、旅行者や地域社会、そして自然環境すべてにとって価値のある持続可能な観光モデルの構築を目指しています。

星野リゾートのESG

星野リゾートは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視した経営を実践しています。1904年の創業以来、地域との共生を重視し、環境保全と経済活動の両立を目指してきました。

環境問題に積極的に取り組み、事業活動による温室効果ガス排出量の削減や環境負荷の低減を目指しています。そのために、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化、従業員や宿泊客への環境問題啓蒙活動など、様々な取り組みを推進しています。

社会面では、地域の伝統文化や工芸の継承支援、地元生産者との連携強化を進めているのが特徴です。さらに、従業員の多様性を重視し、性別や国籍を問わない働きやすい職場環境の整備も行っています。

ガバナンス面では、ESG委員会を設置し、投資運用委員会やコンプライアンス委員会と連携しながら、持続可能な経営を推進。社会貢献と利益の両立を目指すCSV経営を実践しているのです。

星野リゾートのCSV経営とは?

星野リゾートは、企業活動を通じて社会課題の解決を目指す「CSV経営」を実践しています。CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)とは、企業の利益追求と社会貢献を両立させる経営手法です。

星野リゾートでは、その土地の自然や文化を大切にしながら、地域の人々と一緒に日本の伝統や文化を活かしたおもてなしを提供することで、旅行者にとって楽しい旅を作り出すことを目指しています。

そして、このCSV経営を推進するための枠組みとして、SDGs(持続可能な開発目標)に対する貢献を意識し、各施設で独自の取り組みを進めています。地域社会との共生を大切にし、持続可能な未来の実現に向けて取り組みを推進しています。

環境建築

星野リゾートは、自然と調和した建築設計を通じて環境負荷の低減を実現させています。代表例として、星のや軽井沢では「風楼(ふうろう)」と呼ばれる独自の換気システムを採用し、エアコンなしでも快適な室温を維持することに成功しました。

風楼(ふうろう)
引用元:星野リゾート

さらに、1929年に導入した小型水力発電所を起点に、2005年には「EIMY」というコンセプトを確立。水力発電、地中熱、温泉排湯熱などを組み合わせることで、施設で使用するエネルギーの約70%を自給自足しています。

環境建築は導入コストがかかる場合が多いですが、長い目で見れば環境負荷の抑制やエネルギーコストの削減につながります。

伝統文化・工芸の継承支援

星野リゾートは、温泉旅館ブランド「界」で提供している「ご当地楽(ごとうちがく)」というサービスを通して、地域の伝統文化や工芸の継承を支援しています。 ご当地楽では、その土地ならではの文化体験を提供しており、例えば「界 津軽」では津軽三味線、「界 加賀」では加賀獅子舞を体験できます。

引用元:星野リゾート公式
引用元:星野リゾート

これらの体験は、地元の文化を担う人々の協力のもと作られたオリジナルプログラムです。 各施設のスタッフが実演や解説を行うことで、地域の文化と旅行者を繋ぐ役割を果たしています。 

一例として「界 日光」では、江戸時代から続く伝統工芸品である「日光下駄」の魅力を紹介する「日光下駄談義」を実施しています。 当初は下駄作りに携わる伝統工芸士が少なかったものの、ご当地楽を通して日光下駄の認知度が高まったことで、需要が増加し、伝統文化の継承に繋がりました。

教育

星野リゾートは、旅行者がその土地の自然や文化を深く知ることができるよう、各地の施設で地域に根差した教育的なサービスを提供しています。 旅行を通して得た経験は、地域の資源に対する愛着や、守る意識を育むことに繋がると考えているためです。

施設サービス内容
星のや富士命と食を学ぶ狩猟体験ツアー命をいただくことへの理解を深める
界 加賀金継ぎ体験工房物を大切にする心を学ぶ
リゾナーレ小浜島珊瑚Academyサンゴの生態系について学ぶ
西表島ホテル西表島ピーチパインの学校特産品ピーチパインの栽培について学ぶ

例えば「星のや富士」では、狩猟をテーマにした「命と食を学ぶ狩猟体験ツアー」を実施しています。 参加者は猟師と一緒に森に入り、狩猟を見学・体験することで、命をいただくことへの理解を深められます。

エコツーリズム

星野リゾートは、軽井沢を拠点とする自然の専門家集団「ピッキオ」と共に、自然環境の保護と観光を両立させるエコツーリズムを推進しています。

ピッキオ
引用元:ピッキオ

ピッキオは、1992年に軽井沢の豊かな自然を未来に残したいという思いから誕生し、1995年から本格的にエコツーリズムを展開してきました。

ピッキオは軽井沢野鳥の森で、野生動物の観察や植物の観察など、様々なネイチャーツアーを開催。 ツアーを通して参加者は自然の大切さを学ぶだけでなく、野生動物と人間社会の共存について考えるきっかけを得られます。

また、ピッキオは軽井沢だけでなく「西表島ホテル」ではイリオモテヤマネコの調査や、北海道における野生動物との共存に向けたアドバイスなど、全国各地で自然保護活動を支援しています。

グリーンツーリズム

2019年、星野リゾートは日本初のアグリツーリズモリゾート「リゾナーレ那須」を開業しました。これは、農業体験と観光を組み合わせた新しい旅のスタイルを提案するものです。

施設内に広大な畑や田んぼ、グリーンハウスを設置し、地元農家と連携しながら様々な農業体験プログラムを提供。「ファーマーズレッスン」では種まきから収穫まで、「お米の学校」では稲作の過程を体験できます。

このような取り組みを通じて、普段何気なく口にしている食べ物の生産過程を知り、農業の重要性を実感できる機会を作っています。

低炭素化

星野リゾートでは、地球温暖化対策として、旅行中の移動で発生する二酸化炭素の排出量削減を目指し、宿泊施設での連泊を推奨しています。

観光業は、飛行機や宿泊施設の利用などにより多くの二酸化炭素を排出するため、地球温暖化や気候変動への影響が問題視されています。2泊以上の連泊をすることで移動の回数を減らし、同じ場所に複数回訪れる場合と比べ、二酸化炭素排出量を抑制することが可能です。

例えば、1年間に1泊2日の旅行を10回する人が、2泊3日の旅行を5回に変えるだけで、移動による二酸化炭素排出量はおおよそ半分になります。 また、連泊することでその土地での滞在時間が長くなり、より観光を楽しめるでしょう。

脱プラ

星野リゾートは、プラスチックごみの削減を目指し、様々な「脱プラスチック」の取り組みを行っています。プラスチックごみは、生産時や焼却時に二酸化炭素を排出するだけでなく、海洋汚染の原因にもなるなど、環境問題を引き起こしています。

星野リゾートでは、2019年から客室でのペットボトルのミネラルウォーターの提供を廃止し、代わりにウォーターサーバーを設置することで、年間約100万本のペットボトル削減に成功しました。

また、シャンプーやボディーソープなども、個包装タイプからボトルポンプ式に変更することで、プラスチックごみの削減に取り組んでいます。 さらに、使用済み歯ブラシを回収し、リサイクルする取り組みも実施。これらの取り組みは、環境保護だけでなく、資源の有効活用にも繋がっています。 

フードロス削減

星野リゾートでは、食品廃棄による環境負荷を削減するため「フードロス削減」にも積極的に取り組んでいます。

日本では、年間約522万トンものフードロスが発生しており、これは食料自給率が低い日本にとって大きな課題です。 星野リゾートでは、顧客満足度を高めることで、食べ残しを減らす取り組みを行っています。

例えば「軽井沢ホテルブレストンコート」では、結婚式の食事を従来の和洋折衷から、当日和食か洋食かを選べる「シュル・ラ・カルト」に変更しました。

これによりゲストの好みに合わせた料理の提供が可能となり、顧客満足度が向上するだけでなく、食べ残しの大幅な削減につながりました。

また、コロナ禍で余剰となった農産物を食事に取り入れたり、加工品としてお土産に販売したりするなど、地域と連携したフードロス削減にも取り組んでいます。

生物多様性の保全

星野リゾートは、豊かな自然環境を未来に残すため、生物多様性の保全にも力を入れています。

世界自然遺産に登録された西表島にある「西表島ホテル」では、宿泊施設の運営において、環境負荷を最小限に抑えるための様々な取り組みを行っています。

例えば、ペットボトルの削減、洗剤を使わないスマートランドリーの導入、環境に優しいオールインワンソープの採用などが挙げられます。

また、島の魅力を伝えるネイチャーツアーの実施や、地元の飲食店への案内などを通して、地域との連携を強化している点も特徴です。

さらに、西表島にのみ生息するイリオモテヤマネコの保護活動にも積極的に取り組んでおり、「イリオモテヤマネコの学校」や「イリオモテヤマネコ痕跡ツアー」などを開催。イリオモテヤマネコの生態や保護活動について学ぶ機会を提供しています。

これらの活動は、旅行者にとって、自然の大切さを学ぶ貴重な機会となるだけでなく、地域住民にとっては、生物多様性の保全に対する意識を高めることに繋がります。 

ステークホルダーツーリズム

星野リゾートは、「ステークホルダーツーリズム」という考え方を提唱し、観光に関わる全ての人々にとってより良い観光のあり方を追求しています。

ステークホルダーとは、企業の活動に影響を与える、あるいは影響を受ける人や組織のことです。 観光におけるステークホルダーには、観光事業者だけでなく、旅行者、地域住民、そして自然環境も含まれます。

星野リゾートは、ステークホルダーと連携し、地域の魅力を高めることで、観光事業の持続的な発展を目指しています。

例えば、「界 長門」では、温泉街全体を活性化させるための街づくりプロジェクトを推進。「OMO」ブランドのホテルでは、地元住民の協力のもと、地域の魅力を深く知ることができる「OMOレンジャー」によるツアーを提供しています。

これらの取り組みは、地域経済の活性化に貢献するだけでなく、旅行者にとっては、より深く地域の魅力を体験できる機会となります。

これからの星野リゾート

星野リゾートは、SDGsの目標達成に向け、「勝手にSDGs」と称して、独自の取り組みを積極的に推進しています。これらの活動は、企業としての利益を追求するだけでなく、地球環境や地域社会への貢献も目指す、CSV経営の考え方に基づいています。

星野リゾートは、今後も旅行者にとってより魅力的で、持続可能な観光を提供していくでしょう。

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参照

持続可能な ホテル経営のために | 勝手にSDGs | 星野リゾート【公式】↗

ピッキオ|軽井沢の自然体験アクティビティ↗




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