MENU
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
お問合せ
リジェネ旅
  • リジェネラティブツーリズム
  • 社会
  • 環境
  • 経済
  • 用語集
  1. ホーム
  2. サステナブルツーリズム
  3. 奥日光の脱炭素先行地域としての取り組み|成功事例から学ぶ地域活性化のヒント

奥日光の脱炭素先行地域としての取り組み|成功事例から学ぶ地域活性化のヒント

2025 1/27
サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム 企業事例 持続可能な観光 気候変動
2025-1-28
奥日光の脱炭素先行地域としての取り組み|成功事例から学ぶ地域活性化のヒント

奥日光(湯元地区・中宮祠地区)は、世界遺産「日光の社寺」と深いつながりを持つ山々といった自然が共存する、日本を代表する観光地です。同時に、日本を代表する観光地としての側面だけでなく、未来を見据えた持続可能な地域づくりのモデルとしても注目されています。

奥日光は「第3回脱炭素先行地域」に選定されました。

背景には、温泉熱など地域の豊かな自然資源を活かした再生可能エネルギーの積極的な活用や、環境負荷を低減する交通インフラの整備、地域全体での持続可能な観光への転換を目指す明確なビジョンが挙げられます。

これらの努力は単なる環境保護にとどまらず、奥日光を訪れる人々に「持続可能な観光地」としての新たな魅力を感じてもらうことで、地域の経済活性化や国際的な評価向上にもつながっています。

本記事では、奥日光が「脱炭素先行地域」に選定された背景や具体的な取り組みの成功要因を掘り下げ、脱炭素化が地域の未来と観光産業にどのような可能性をもたらすのかを解説します。

目次

脱炭素先行地域とは

脱炭素先行地域とは
引用元:脱炭素地域づくり支援サイト

脱炭素先行地域とは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、環境省が推進するモデル地域のことです。

脱炭素先行地域では「地域脱炭素ロードマップ」に基づき、地方自治体や地元企業、金融機関が主導し、環境省をはじめとする国の支援を受けながら取り組みを進めます。

家庭やオフィスなどの民生部門における電力消費からのCO2排出量を実質ゼロにするだけでなく、運輸や熱利用といった他部門の温室効果ガス排出削減も、地域特性に応じて進め、地域課題の解決と住民の暮らしの質の向上を同時に目指していくものです。

奥日光の脱炭素先行地域選定の背景

奥日光は2023年4月に、環境省が実施した「脱炭素先行地域」に選定されました。温泉熱や太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用し、地域のエネルギー自給率を高めるとともに、CO2排出量削減を実現しています。

地域のエネルギー自給率を高めることによる、地域の宿泊施設や観光業者の経営負担軽減を目指し、脱炭素化と経済活性化が図られています。

さらに「地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例」の制定や、公共交通の効率化を進めるためのNIKKO MaaS*など、交通の脱炭素化が進行中です。

公共交通の効率化は、観光客の移動手段をよりサステナブルにし、地域内での渋滞緩和とエネルギー効率化が促進されます。

奥日光の取り組みは、観光地としての魅力を保ちながら、脱炭素社会の実現に向けたモデルケースとなり、地域住民と観光業の両方に利益をもたらすものです。

地域のサステナブルリゾートとしての発展によって「脱炭素ドミノ」として、取り組みが全国各地に広がることが期待されています。

* 鉄道・バスがセットになったデジタル切符や環境にやさしいモビリティ、歴史・文化施設等の拝観・入場チケットやネイチャーアクティビティといった観光コンテンツンをワンストップで利用でき、スマートフォンから簡単に、検索・予約・決済が可能となるサービス[1]

奥日光で進行中の脱炭素関連プロジェクト

奥日光は脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの活用や公共交通の整備、高効率設備や省エネ技術の導入など、さまざまなプロジェクトを進行中です。

再生可能エネルギーの活用

地域の脱炭素化は、持続可能性だけではなく、地域のブランディング強化につながる取り組みです。

奥日光では以下のような取り組みを実施しています。

  • 太陽光発電システムやLED照明の設置
  • 創エネ・省エネ診断:最大限の省エネルギーを目指す
  • 水力発電施設の増出力:再生可能エネルギーの導入規模を大幅拡大
  • 地域再エネメニューの展開

地域全体でのエネルギー自給率向上と脱炭素化が加速し、持続可能なエネルギー供給が可能となります。

将来的には、食糧廃棄物や廃食油のエネルギー源としての利用を推し進め、地域全体の脱炭素化をさらに進める予定です。

取り組みを通じて、再生可能エネルギーを活用した地域の脱炭素化により、グリーンディスティネーションとしての地域のイメージングとブランディングを強化し、持続可能な観光地を目指しています。

公共交通の整備

奥日光は、観光シーズンの交通渋滞や災害時のインフラ遮断が課題でしたが、公共交通シフトの推進といった取り組みにより脱炭素化を実現しました。

観光シーズンの交通渋滞公共交通シフトを推進(自家用車利用ではなく、公共交通機関を積極利用すること)
災害時のインフラ遮断太陽光発電や温泉熱の活用といったエネルギーの自給自足で災害発生時の復旧が迅速になる。

「地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例」やNIKKO MaaSと連携することで公共交通シフトを推進し、渋滞緩和に取り組んでいます。

また、太陽光発電や温泉熱の活用といったエネルギーの自給自足は、宿泊施設といった観光施設の負担を軽減するだけではなく、災害発生時の復旧の迅速性を高めることが可能です。

住み続けられる街を守りながら、安心・安全なサステナブルリゾートとして成功しています。

高効率設備や省エネ技術の導入

奥日光では、温泉熱を活用した熱源転換設備や、高効率空調設備の導入が進んでいます。熱源転換設備や、高効率空調設備の導入は、以下のような成果につながっています。

  • 暖房や給湯に使用していたガスや灯油の利用削減
  • CO2排出量とエネルギーコストの削減

省エネ技術を導入することは、脱炭素化が進むだけでなく、地域の宿泊施設や旅館の経営負担軽減にもつながるのです。

さらに、温泉熱の二次利用として、融雪システムを導入することで、冬季の観光利便性が向上しました。観光客の移動がよりスムーズになり、地域住民の除雪作業の負担も軽減されることが期待されています。

脱炭素化の進展が地域全体にメリットをもたらすモデルケースと言えるでしょう。

脱炭素化がもたらす地域活性化の可能性

脱炭素化は、地域の環境負荷を軽減するだけでなく、地域活性化にも貢献しています。

  • 観光業における脱炭素化の経済効果
  • 環境配慮型サービスが生む地域のブランディング・イメージング強化
  • 地域住民と観光客の意識変革

以上の3項目について、解説します。

観光産業における脱炭素化の経済効果

宿泊施設や観光施設に再生可能エネルギーや省エネ技術を導入することで、以下のような経済活性化につながるでしょう。

  • 運営コストが削減され、経営が安定
  • 観光地としてのグリーンなディスティネーションとしてのイメージ向上に貢献
  • 国内外の環境志向の観光客を呼び込める

環境負荷の低減と経済効果の両立が、地域にとって持続可能な成長の基盤となります。

環境配慮型サービスが生む地域のブランディング強化

脱炭素化に向けた環境配慮型サービスの導入により、地域のブランド力を大きく向上します。エコツーリズムや環境に優しい宿泊施設の提供など、環境に配慮したサービスは観光客にとって魅力があるのです。

環境に配慮したサービスによって、「環境に優しい」「持続可能な観光地」地域としての認知を広め、他の地域と差別化を図ることができます。

ブランディングの強化は、地域の経済的利益や観光客のリピーター増加にもつながる重要な戦略です。

地域住民と観光客の意識変革

脱炭素化の取り組みは、地域住民と観光客双方の環境意識を高める重要な役割を果たします。地域住民は再生可能エネルギーの利用や省エネの実践を通じて、日常生活の中で環境に配慮した選択を意識するようになるでしょう。

また、観光客は環境に優しい施設やサービスを選ぶ意識が高まり、サステナブルツーリズムの需要が拡大します。

サステナブルツーリズムの需要拡大により、地域全体での環境意識の高まり、持続可能な観光業や地域社会の形成につながります。

さらに、観光地が環境を重視する姿勢を示すことで、訪問者の理解と共感を得やすくなり、地域全体の魅力向上と持続可能な発展が期待できるのです。

他地域への応用可能性と成功のポイント

奥日光の脱炭素化の成功は、他地域でも応用可能なモデルケースです。

奥日光では、温泉熱や太陽光発電といった再生可能エネルギーの効果的な活用が、地域の脱炭素化を推進する具体的手段として評価されました。また、省エネ技術の導入による運営コスト削減が、経済性と環境負荷軽減の両立を実現しています。

奥日光での取り組みは、地域全体での合意形成に基盤を支えられています。観光事業者だけでなく住民や自治体も巻き込むことで、地域全体の理解と協力を得ることができました。

奥日光の取り組みからは、地域資源の活用と持続可能な発展を目指すための明確な目標設定と連携の重要性が伺えます。

他地域で、脱炭素を推進する場合は、地域特有の自然資源を活用することがポイントです。

奥日光では温泉熱や再生可能エネルギーを活用しましたが、他地域では風力発電や地熱発電など、地域特性に応じた資源の活用が鍵になります。

また、地域全体での合意形成と官民連携の推進も重要です。自治体や地元企業、住民が一体となって目標を共有することで、取り組みの持続可能性が向上します。

さらに、観光業や地域経済へのポジティブな影響を明確にすることで、外部からの投資や協力を得やすくなるでしょう。これらの要素が、成功を他地域へと広げる際の重要なポイントです。

最後に

奥日光は、自然と文化が融合する日本有数の観光地でありながら、未来を見据えた脱炭素化と持続可能な地域づくりのモデルとして注目されています。

「第3回脱炭素先行地域」に選定された背景には、

  • 温泉熱や再生可能エネルギーの活用
  • 公共交通の整備
  • 高効率設備の導入

以上のような取り組みが評価されたことが挙げられます。

取り組みは、単なるCO2排出量削減にとどまらず、観光地としての新たな魅力を創出し、地域の経済活性化や国際的評価の向上にも貢献しています。

特に再生可能エネルギーの導入や省エネ技術の活用は、観光施設や地域経済に恩恵をもたらしました。

また、住民や観光客双方の意識変革を促し、サステナブルツーリズムの発展を後押ししています。

奥日光の成功事例は、他地域への応用可能性も高く、地域特有の資源活用や官民連携の重要性を示しています。

この取り組みは、全国へと広がる「脱炭素ドミノ」の一環として、持続可能な地域社会の形成に貢献するモデルケースといえるでしょう。

あわせて読みたい
箱根の未来へ向けたSDGs推進とサステナブルツーリズムの取り組み 箱根町は、持続可能な観光地を認証する国際的団体「グリーン・デスティネーションズ」の表彰制度「世界の持続可能な観光地トップ100選」*を2022年、2023年と2年連続で受…
あわせて読みたい
観光税は持続可能な観光につながる?世界と日本の導入事例を解説 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年1月〜11月の訪日外国人旅行者数はおよそ3337万9900人と、過去最多を更新しました。この数字は、過去最高であった2019年の…

参考文献

[1]NIKKO MaaS(日光マース)フリーパスのご案内

地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例/日光市公式ホームページ

雲の上のサステナブルリゾート「奥日光」: – 多様な観光資源と脱炭素による地元アップデート

第3回脱炭素先行地域に選定されました/日光市公式ホームページ

雲の上のサステナブルリゾート「奥日光」:多様な観光資源と脱炭素による地元アッ

脱炭素先行地域 – 脱炭素地域づくり支援サイト|環境省

脱炭素先行地域選定結果(第 3回)の総評

地域の脱炭素に向けた取組について 環境省




サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズム 企業事例 持続可能な観光 気候変動
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

メルマガ登録




New Posts
  • ドイツで実施されている気候変動を学ぶツアー・プログラム
    2025年6月7日
  • 2つの家
    釧路市の二拠点居住モデルに学ぶ移住支援から住環境整備までの実践事例
    2025年6月6日
  • サラダと果物
    「グリーン志向消費に関する行動チェックリスト」でサステナブルな暮らしを見直してみよう
    2025年6月5日
  • 珊瑚礁とカメ
    進むサンゴ礁の衰退・白化──生態系だけでなく地域の文化や観光への影響も
    2025年6月4日
  • 手のひらにのった赤いカブ
    農業と取り組むドイツのリジェネラティブツーリズム
    2025年6月4日
  • 木と湖
    気候変動教育ツアーの最前線── 体験が変える、気候アクションのかたち
    2025年6月3日
  • ひまわりと自然
    北海道リジェネ旅 ~帯広編~
    2025年6月2日
  • ヤシの木
    自然・街・世界とつながる。米国カリフォルニアで持続可能性をテーマにしたイベントが目白押し。
    2025年5月29日
  • オリンピックのスタジアム
    東京2025デフリンピック|障がい者スポーツの未来と社会的意義
    2025年5月29日
  • 椅子に座って仕事をするサングラスの男性
    ブレジャーとは?働き方の未来を変える“仕事+余暇”の新常識を徹底解説
    2025年5月28日
Ranking
  • 環境評価システム EPEAT(イーピート)とは?認証を取得している企業事例もご紹介
    EPEAT(イーピート)認証とは?重要性と国内外の事例を紹介
    2022年2月17日
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)
    2022年3月4日
  • オーストラリアの写真
    オーストラリアの環境問題への取り組みとサステナブルツーリズム
    2024年10月2日
  • スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組み
    スウェーデンの持続可能な開発目標達成へ向けた取り組みと成功要因を解説
    2024年7月2日
  • 観光税は持続可能な観光につながる?
    観光税は持続可能な観光につながる?世界と日本の導入事例を解説
    2024年8月6日
  • 省エネにも積極的。ニュージーランドのエネルギー事情
    【リライト】ニュージーランドのエネルギー事情と水力発電
    2023年9月29日
  • オランダの運河に浮かぶ!サステナブルな水上住宅 Schoonschip
    オランダ・アムステルダムの運河に浮かぶサステナブルな水上住宅 Schoonschip
    2023年7月21日
  • リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅
    2024年3月15日
  • リサイクル率世界トップを誇るドイツの衣料品廃棄処分の現状
    リサイクル率世界トップを誇るドイツ|衣料品廃棄処分の現状は?
    2024年1月30日
  • 環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    環境に配慮した宿泊施設を目指す|Green Keyグリーンキー
    2023年1月19日
Category
  • サステナブルツーリズム
  • SDGs・ESG基礎
  • 環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)
  • 社会(ヘルス、まちづくり、ジェンダー)
  • 経済(働き方、生産・消費、産業・技術)
  • その他
    • ドバイ万博
Tag
CO2削減ESGESG投資SDGsアメリカオランダオーガニックカーボンニュートラルサステナブルツーリズムサーキュラーエコノミーステークホルダータンパク質危機ドイツドバイドバイ万博ニュースビジネスと人権ファッションフードロスプラスチックマイクロプラスチックリサイクルレポート人権人権デューデリジェンス代替タンパク質企業事例再生可能エネルギー北欧取り組み事例各国の事例地球温暖化持続可能な社会持続可能な観光日本気候変動海洋プラスチック問題温室効果ガス環境問題生物多様性畜産業脱炭素観光業界認証農業
Pick Up
  • サステナブルツーリズムとは?持続可能な観光業の最新動向(2024年)

    CO2削減SDGsサステナブルツーリズム気候変動脱炭素観光業界
    記事を読む
  • リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)で実現する持続可能な旅

    サステナブルツーリズムリジェネラティブ・ツーリズム持続可能な観光気候変動観光業界
    記事を読む

メルマガ登録

PR問い合わせバナー

目次