ブラジル観光公社がWTTCに加盟。持続可能な観光の世界的取り組みに参加

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)はブラジル観光公社(EMBRATUR)を新たなデスティネーション(目的地)・パートナーとして迎え入れることを2025年1月27日付のプレスリリースで発表しました。
WTTCは観光産業の経済的・社会的貢献を推進する国際的な非営利組織です。1990年に設立され、大規模な国際会議を毎年開催しています。 そのメンバーは世界の主要な民間旅行・観光企業の会長、社長、最高経営責任者(CEO)などで構成され、日本からは、JR東日本やJTBなどが参加しています。
WTTCは持続可能性をもっとも重要な課題のひとつに挙げていて、世界各地の環境問題や気候変動についてのさまざまな研究結果と提言を公式ウェブサイトで発表しています。そこには「観光業の成長が持続可能かつ包括的であり、私たちの産業が依存する地域社会、自然生態系、文化遺産にプラスの影響を与えることを、私たちが協力して確保することが不可欠です」とあります。
EMBRATURがWTTCに参加することは、そうした持続可能性への取り組みにも大きな意味をもたらすと期待されています。
ブラジルの観光産業は同国GDPの7.7% を占める主要産業です。[1] それと同時に、世界最大の熱帯雨林であるアマゾンを抱えるブラジルは多面的なアプローチで持続可能性の向上に取り組んでいます。豊富な水資源を活かした水力発電に加え、太陽光や風力発電の導入を拡大し、エネルギー供給の持続可能性を高めています。国際環境経済研究所(IEEI)の報告によると、同国の最終消費エネルギー(電力、熱など)に占める再生可能エネルギーの比率は世界最高の45%ほどだということです。[2] 日本のそれは約8%に過ぎません。
今後、EMBRATURは世界約200の主要な観光事業者の経営幹部とともに、持続可能な観光の成長促進に向けた議論に参加することになります。そうした活動を通じて、ブラジルの国際的な観光地としての地位をさらに強化し、環境と社会に配慮した観光促進に貢献することに繋がるでしょう。
WTTCの最高経営責任者ジュリア・シンプソン氏は上プレスリリースの中で次のように述べています。
EMBRATUR を私たちの新しいデスティネーション・パートナーとして発表できることを光栄に思います。ブラジルは旅行・観光分野における世界的な象徴とも呼べる存在です。このパートナーシップを通じて、私たちは協力して観光産業の回復力を強化し、すべての人に利益をもたらす成長の機会を作り上げていきます

参考文献
https://wttc.org/news-article/wttc-welcomes-embratur-as-its-newest-destination-partner