遊んで、食べて、学ぶ。エシカルおもちゃと地元食材からはじまるやさしい循環

自然素材でつくるおもちゃや、地元の恵みを生かした料理。
親子で楽しみながら「環境」「地域」「未来」について考えられるワークショップが各地で広がっています。
遊びや食を通して、エシカルな暮らしの入口を体感する。そんな体験が、私たちの身近なところからはじまっています。
自然素材でつくる「エシカルおもちゃ」とは

木の枝や布の切れ端、米ぬかやヨシなど、自然の恵みを使ってつくる「エシカルおもちゃ」。
プラスチック製品に頼らず、廃材や端材を再利用することで、環境への負荷を減らすだけでなく、“ものを大切にする心”も育まれます。
そんな価値観に触れることができるのも、エシカルおもちゃづくりの魅力です。
子どもたちの創造力や想像力を育てながら、親も一緒に“サステナブルな遊び”を学べる時間になります。
地元の恵みを味わうワークショップの魅力

地元で採れた旬の食材を使った料理体験は、地域の自然と人のつながりを感じられる人気のワークショップです。地域の農家さんや漁師さんが届けてくれる野菜や魚、加工品を手に取りながら、食の背景やつくり手の想いを知ることができます。
“もったいない”を“おいしい”に変える工夫が、環境への配慮だけでなく、地域の資源を無駄なく生かす知恵にもつながっています。
調理を通して「この食材はどこから来たんだろう?」と考えることは、エシカルな食の第一歩。地産地消を超えて、“地産地感”―地域の恵みに感謝する心を育む体験です。
笑顔と気づきが生まれる現場
地域の自然や文化、そして人とのつながりを大切にした多様なエシカル体験が各地で広がっています。自然の豊かな恵みを感じながら、環境への配慮や地域への思いやりを自然と学べるのが特徴です。
体験を通じて、参加者が「楽しかった」だけでなく「自分も何かできるかもしれない」と感じるきっかけを得ているのが印象的です。
端材から生まれる命 ― 「アニマルカリモク」で広がる創造の輪

大津市で開催された「アニマルカリモク」は、家具メーカー・カリモク家具による人気の木工ワークショップ。家具づくりの過程で出る端材を活用し、子どもたちが動物のオブジェを制作します。
のこぎりや釘を使わず、サンドペーパーで磨いて、木工用接着剤で貼り合わせるシンプルな工程。
木の香りや質感を感じながら、形の異なる端材を組み合わせていくことで、
「同じ木でも色や模様がちがう」「この形を使ったら何になるかな?」と、素材の個性に気づく力や創造性が育まれていきます。

会場で使うヘラやトレイなどもすべて端材を再利用。
“リデュース・リユース・リサイクル”の精神が随所に息づいており、子どもたちが「もったいない」や「大切に使う」という感覚を自然に身につける場となっていました。

「木ってあったかい」「この形がかわいい」
子どもたちの感性から生まれる言葉の一つひとつが、 エシカルの原点を思い出させてくれます。
湖魚と野菜の恵みをいただく ― 「びわ湖魚グルメ」料理教室

同じ大津市で行われた「びわ湖魚グルメ」料理教室では、冬の湖魚(こぎょ)と滋賀県産の野菜を使って、季節の味を楽しむ体験が行われました。
主催は、地元の漁師・農家・料理人が連携するプロジェクト「v-Bottom Otsu」。
規格外野菜や未利用魚を有効活用し、無添加・無化学調味料で調理するなど、 “食の循環”をテーマにしたエシカルな実践が特徴です。

びわ湖の魚を使ったキーマカレーや麻辣おでんなど、地域ならではの食材が生まれ変わる料理に、参加者からは驚きと笑顔がこぼれました。
食材の背景を知り、つくり手の想いに触れることで、「食べることは、自然とつながること」という実感が芽生えていきます。
木と魚、どちらの体験にも共通しているのは、地域の素材に触れ、命の循環や環境との関わりを体感するということ。「遊び」や「料理」といった日常の延長線上に、エシカルな学びと地域のつながりが広がっています。
子ども向けエシカル教育を地域に広げる方法

エシカルな学びを広げる鍵は、地域の中にある資源をもう一度見つめ直すことです。
ワークショップの場を通して、子ども・大人・地域がつながり合うことで、学びが一方向ではなく“循環”していきます。
廃材をおもちゃやアートに生かす取り組みは、ごみ削減にもつながり、地域内での経済や人の循環を生み出します。
「地域で遊ぶ」「地域で食べる」ことは、身近なところからできる持続可能なまちづくりの第一歩。
こうしたエシカル教育を通して、地域全体が子どもたちの学びを支え、未来へと続くやさしい循環を育んでいきます。
家でもできる、やさしいエシカル実践

ワークショップで得た気づきは、日常の中でも続けられます。
落ち葉や枝、空き箱など、身近な素材でおもちゃをつくってみるのもおすすめです。
“いらないもの”を見直してみると、子どもの想像力を引き出す小さな素材がたくさん見つかります。
食の面では、近くの直売所や道の駅を訪れてみましょう。顔の見える生産者から旬の食材を選ぶことで、地域とのつながりを感じられます。旬や産地を意識するだけでも、食卓がより豊かに、地球にもやさしくなります。
そして、「今日のエシカル体験」をSNSで発信するのも素敵な循環です。
写真やひとことの感想が、誰かの“やってみたい”につながるかもしれません。
小さな行動が、やさしい輪を広げていきます。
子どもが楽しく学べるエシカル体験のつくり方
遊びや食を通じてエシカルを体験することは、特別なことではありません。
子どもと一緒に笑い合う時間の中に、地域や地球の未来を想うきっかけが生まれます。
やさしい素材と、やさしい気づき。
それらがめぐり合う場所から、持続可能な暮らしが少しずつ広がっていきます。
参考
【大津市】国内トップメーカーによる家具の端材で動物を作るイベント!自然の木に触れ創造力を育もう(Sari) – エキスパート – Yahoo!ニュース
【大津市】冬の湖魚と滋賀県の野菜を使った「びわ湖魚グルメ」料理教室~参加者募集のお知らせ(Sari) – エキスパート – Yahoo!ニュース
