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デンマーク発「CopenPay」とは? 観光が“地域貢献“になるサステナブル・ツーリズムの最前線。

2025 11/25
リジェネラティブツーリズム
サステナブルツーリズム デンマーク 各国の事例 持続可能な観光
2025-12-5

多くの人にとって旅行は楽しいものであり、新たな土地の魅力を発見するよい機会でもあります。

一方、観光業によって排出される二酸化炭素量は全体の5%にのぼり、観光業による排出量の¾は移動にともなう車や飛行機によるものであることが分かっています。

近年、サステナブル・ツーリズムが叫ばれる中、北欧デンマークでは画期的な観光者向けプログラム「CopenPay」がローンチされ話題となりました。

今回はCopenPayについて、プログラムの仕組みや、観光者や地域へのインパクトなどについてご紹介します。

目次

CopenPayとは?

CopenPay(コペン・ペイ)とは、北欧デンマークの首都・コペンハーゲンで行われている観光者向けのプログラムです。

コペンハーゲン市と、コペンハーゲンを拠点にサステナブル・ツーリズムを推進する組織ワンダフル・コペンハーゲンが、市内のローカルパートナーと協働して始まりました。

コペンハーゲンの企業・組織が用意したさまざまなアクティビティに参加すると、ホテルやレストラン・ミュージアムといった観光スポットでのうれしい利用特典が受けられる仕様になっています。

いつから始まったの?

2024年の夏にスタート。試験的に行われた4週間では、5,000人以上もの参加者が同プログラムを利用し、さまざまな特典を受けながらコペンハーゲン観光を楽しみました。アクティビティの実施回数は、25,000回にものぼります。

2025年には、アメリカの有名なメディア・TIMEによる「The Best Innovations of 2025」にも選出され、世界中からの注目が集まりました。

ドイツ・ベルリンやフィンランド・ヘルシンキといった他の都市でも同様のプログラムが発足したほか、

2025年は開催期間を拡大し、6月17日から8月17日の9週間にわたって実施され、100以上もの企業・組織がローカルパートナーとして参加しました。

コペンハーゲンについて

CopenPayの詳しい内容を説明する前に、すこしだけコペンハーゲンがどんな街なのか?について知っておきましょう。

コペンハーゲンは、デンマークの首都であり、190万人が暮らしています。

いくつかの島からなり、湾岸に面するエリアが多い点が特徴です。運河では泳げるほど水がクリーンに保たれ、海でのアクティビティを楽しむ人もいます。

このような特徴から環境への意識が高い人も多く、車よりも自転車での移動が主流になっています。実際に、全市民の60%以上が自転車で通勤しているというデータもあります。

また供給されている電力の70%が、風力を含む再生可能エネルギーによって賄われており、地域をあげて環境問題に取り組んでいることが伺えます。

CopenPayの仕組み

CopenPayは、以下のような仕組みで運用されています。

①CopenPayに参加している目的地を選ぶ

CopenPayは、多岐にわたる施設・組織が参加しています。

  • ホテル
  • レストラン、カフェ、バー
  • ミュージアム
  • レンタルサイクルサービス
  • 船の発着場
  • 農園(飲食店などが併設)

「気になるカフェ・レストランだから行ってみよう」、「興味のある展示を行っているミュージアムが参加しているからアクティビティにチャレンジしたい」のように、旅行者の目的やニーズにあわせて探してみるとよいでしょう。

どのような企業・組織が参加しているのかは、以下のページでご覧いただけます。

https://www.visitcopenhagen.com/copenpay-attractions

②アクティビティに参加する

目的地を決めたら、CopenPayに参加している企業・組織が提供しているアクティビティに参加します。

アクティビティの種類は参加企業によってさまざまですが、実際には以下のようなアクティビティが行われています。

  • 地域のゴミ拾いに参加する
  • 都市型農園の手伝いをする
  • 目的地まで、車や飛行機ではなく、より環境にやさしい手段(自転車や徒歩)で到着する
  • 1日に定められた歩数または距離を徒歩で移動する

ゴミ拾いや農園は、定められたスケジュールに沿ってアクティビティを行っている場合があるため、事前にアクティビティの詳細をチェックしておくとよいでしょう。

自転車を所持していない旅行者でも、コペンハーゲンにはCopenPayにも参加しているレンタルバイクサービス・Donkey Republicなどが街中にあり、気軽に自転車で移動できるので便利です。

③利用特典を受ける

アクティビティに参加すると、参加企業・組織によって定められた、さまざまな特典を受けられます。

  • ランチの割引もしくは無料(プラントベースドの場合もあり)
  • コーヒーやビールが1杯無料
  • ミュージアムなど施設の入場料の割引
  • テラスなど、通常は有料である施設の一部を無料で利用可能

どれもちょっとしたご褒美のような特典だからこそ、気軽に参加しやすいのもうれしいポイントです。

また、CopenPayでは、以上のようなアクティビティに参加するだけでなく、次の条件どちらかに当てはまる旅行者にも特典を用意しています。

1.飛行機や石油燃料を使用する車両ではなく、列車または電気自動車でコペンハーゲンに入域する(SAF認証(持続可能な航空燃料)を使った飛行機での到着も可)

2.コペンハーゲンに4泊以上する

環境にやさしいアクションを行うことはもちろんですが、観光業の一環で行われているプログラムとして、長くコペンハーゲンに滞在する旅行者にも、同様の特典を提供しています。

CopenPayが生み出す効果

CopenPayの実施によって、どのような効果が生まれているのでしょうか。

サステナブル・ツーリズムの実現

同プログラムを通し、自治体が企業や組織といったローカルパートナーと協働して、環境にやさしいアクションを観光者に促すことにより、より持続可能な形でのビジネルモデルを実現しています。

また旅行者側も、アクティビティを通してゴミ拾いや、列車・自転車の利用といった、グリーンな選択をより積極的かつ前向きに行い、特典を受けることで同プログラムにポジティブな印象を持つことが出来ます。

2024年のプログラム参加者のうち98%が、CopenPayの取り組みをポジティブに評価しています。こうした事実から、CopenPayは旅行者が楽しみながら環境にやさしいアクションを行える、画期的なプログラムだといえます。

また、2025年に行われたBooking,comの調査によると、10人中7人が「訪れた滞在先をよりよい状態にしてから離れた」と認識していました。

参加型のアクティビティが用意されているからこそ、積極的にサステナブル・ツーリズムに関わることができ、滞在先の地域に貢献したという前向きな意識を持てるのでしょう。

コペンハーゲンに暮らす市民にとってもうれしい変化

観光産業に力を入れる地域の中には、旅行者によって生じるゴミ問題や、騒音問題といったトラブルが見受けらる場合があり、市民が観光業自体をよく思っていないケースもあります。

しかし2024年のCopenPay実施によって、レンタルサイクルの利用が29%アップしただけでなく、ゴミ拾いのようなアクティビティのおかげで街がキレイになった、という効果が見られました。

こうしたプログラムの実施による効果は、その地域に住む市民にも経済・環境など、多様な面でメリットを享受できることを証明しています。

よりグリーンな移動手段の選択で、地域の魅力を再発見

CopenPayの狙いは、環境にやさしい観光ビジネスモデルの実現だけではありません。もうひとつ大切な目的として「より長い滞在期間を通して、コペンハーゲンの魅力を深く知ってもらう」が挙げられます。

その目的を旅行者に取り組んでもらうべく、「4泊以上コペンハーゲンに滞在する」、「(二酸化炭素排出量の多い飛行機や車両ではなく)自転車や徒歩の移動」といった条件を推進し、より長い時間をかけてゆっくり市内を回ってもらうことで、車や飛行機の移動で走ることの難しい「ちょっとした発見や出会い」を促しているのです。

ワンダフル・コペンハーゲンのSøren Tegen Pedersen氏が「ツーリズムに関する最もすばらしい点は、文化を知ることです」と語るように、効率やスピードを重視してしまったら見逃してしまうかもしれない、街に点在する場所や人との出会いを大切にし、コペンハーゲンの本当の魅力をもっと感じてほしい、という願いが、CopenPayには込められています。

さらに、「コペンハーゲンでの体験や意識を、帰ったあとにも継続してほしい」とも語ります。普段の移動を車から自転車・徒歩に変えたり、プラントベースドの食事の頻度を増やしたり、日常の中にちょっとしたヒントを取り入れることで、人々が環境問題への意識を持ち続けられるきっかけづくりになることを願っているのです。

2024年、2025年は夏季のみの実施となりましたが、今後は夏季以外での開催や、ほかの都市での利用拡大も期待されます。

まとめ

今回は、北欧デンマーク・コペンハーゲンで実施され、注目を集めたサステナブル・ツーリズムのプログラム「CopenPay」について詳しく紹介しました。

目的地をただ訪れるだけではなく、アクティビティを通して地域の新たな魅力を発見したり、環境にやさしい選択をとりながら観光できることに気がついたりと、普段とはひと味違った形での旅を楽しむことができるでしょう。

そして、旅を通して得た意識を日常にも取り入れることで、より環境にやさしい選択をしながら暮らしをする「意識のきっかけづくり」にもなり得るかもしれません。

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